【アメリア】伝・近藤のトライアル現場主義!

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   前々回、Webでは初めてとなる誌上トライアルをご案内しましたが、早速みなさんからご応募をいただきました。心よりお礼申し上げます。ありがたいことだなあと思うと同時に、本当に嬉しいです。張りきってます。今回は、一段とテンション高いです。応募はされなかったけど、頭の中で訳してみたり、関連サイトを覗いてみた方もいらっしゃったことでしょう。そんなみなさんのエネルギーを無駄にしないよう、進めていきます。それでは、解説編GO!  
     
 
   今回は、採点の準備に取り掛かるまでを少しじっくりめに見ていただきましょう。準備のプロセスを、時間を追って再現してみます。こんな感じです。

 ・事務局でまとめていただいた答案が、メールに添付されて到着

 ・答案を自分のPCに保存。ファイル名が指定どおりであるか確認

 ・ファイルを順に開き、印刷

 ・印刷された全答案に目を通し、会員番号の記入漏れ、不要なことが記載されていないか確認

 それなりに時間がかかるプロセスなんですが、こうやって書き出してみると、どうということないですね。地味です。翻訳のホの字も出てきてません。そんなどうということはないプロセスなんですが、すでにこの段階で「ファイル名」「ファイル形式」「会員番号の記載」がチェックされています。
「ファイル名」と「ファイル形式」は、みなさんクリアされていました。残念なことに会員番号の記入漏れが1件ありました。残念です。本当に、残念です。悔しいです。

 答案の文面に目を通しながら、GBやDISCなど、この金属探知機固有と思われる名称が訳出されずに英語のまま残っているかもざっと確認しました。ここでも、お1人の答案がひっかかってしまいました。「なんでやねん!」という気持ちでいっぱいです。念のため言いますが、怒ってるのではありません。私が関西人だからです。「なぜなんだ!」と言おうとすると、噛みます。そんなことはどうでもよくて、とにかく悔しいですが、採点基準を曲げるわけには参りません。
 
 
     
 
   ここまでで私が行ったのは、「始めに、客観的に見て不合格となる答案を見つけておく」ことです。これには、2つの意味といいますか、理由があります。

 1つは、合格しそうな人を早く絞り込むためです。時間は限られています。残念ですが、全員の答案に同じ時間を注ぐわけにはいきません。

 もう1つ、これらのチェックポイントは、翻訳の腕前以前の土台であり、トライアル合格後の本番の仕事で重要なファクターとなるからです。私たちとしては、実際に仕事をお願いする前に、ここをきちんと押さえておきたいという気持ちがあります。
ここ、今回は少し詳しくお話させてください。

 翻訳者さんも含めて私たちが最終的に作るものは、「日本語版になったドキュメント」です。みなさんにお願いする「翻訳」という仕事は、そのドキュメント作りの一部です。決して、すべてではありません。翻訳というプロセスの前にも後にも、いろいろな人がさまざまな仕事をして、はじめてドキュメントは完成します。

 たとえば、英語のまま残すべきところが訳されていたら、どうなるか。レイアウトなど翻訳の後工程に行く前に、訳されてしまった箇所をすべて見つけ出し、英語に戻さなくてはなりません。これは想定していなかった作業であり、時間(スケジュール)もコストも圧迫されます。場合によっては、圧迫されたスケジュールを立て直すために、スタッフの増員が必要となるかもしれない。そうなれば、スタッフを探すという仕事が新たに発生する、という具合に、ドキュメント作りはどんどん窮地に追い込まれます。

 最初にお願いした決まりごとを守っていただくことの大切さについて、語ってみました。なぜ私たちが、翻訳の腕前を見せていただく前にここに注目するか、お分かりいただけたでしょうか?「うっかりしてただけ。本番ではちゃんと注意するから大丈夫!」と思われるかもしれませんが、うーん、経験上それはほとんどありえないケースなんですよね。とにかく、翻訳が全体のプロセスの一部であることを心に留めてください。もちろん、一部であることと重要性は別です。ドキュメント作りにおいて、翻訳が中心であり最重要であることはいうまでもありません。
 
 
     
   
 
   課題文に触れる前に、ずいぶんと書き連ねました。ちょっと愚痴っぽかったかなあ。でも、本当に大切なんですよ。満点が100点のトライアルがあるとします。誤解を恐れずにいえば、翻訳のスキルの配点は60点、ひょっとしたら50点かもしれません。残りは何かというと、「いっしょに仕事をやっていけるかどうか」ここが見られていると思ってください。

 でも、プレッシャーを感じる必要は全然ありません。どうやってクリアするかは、実に簡単です。トライアルを受け取っても、すぐに課題文に取りかからない。まず、今回付いていたような「応募方法」、「答案作成方法」を探して、そこを読む。そして、提出前にもう一度それらに目を通して確認する。それだけです。 

 これ、私もお客様への納品前にやってます。正直に言えば、よく読んでなかったために「ひえ〜」となることもあります。たとえそうなっても、知らずに原稿を送ってしまうよりは、なんぼかマシです。送った後でお客様から指摘されたひには、もっと強烈な「ひえ〜」が待ってますから(なんで知ってる?)。
 
 
     
   いよいよ答案の採点です。応募された中から、今回はお一人の原稿を選ばせていただきました。お名前は出していませんが、ご本人の方はお分かりですね。ありがとうございました!

 なぜこの原稿を掲載することにしたか。応募方法にも書きましたとおり、成績とは無関係です。強いて言えば、そうですね、この原稿を採点していたとき、私の「現場魂」がいちばん共鳴したからです。

 原稿に朱を入れながら、コメントをつぶやく私。その私をマイナス50℃で急速冷凍し、アメリアで流水解凍したのが次のページです。イキのいいところを見てやってください。
 
 
     
 
 
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