【アメリア】伝・近藤のトライアル現場主義!

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(※掲載にあたって、答案末尾に記されていた会員番号は削除しました)
 
 
アメリア会員 さん
 
 
 
   
   
 
   日本語の表現に工夫が見られる。読者層を意識し、出典全体の雰囲気を出そうとしているところには、非常に好感を覚える。
 が、“balance”の“positive/negative”が「高い/低い」となっているのはツライ。技術的バックグラウンドに不安あり?「コントロール」「もしも」「完璧に」も気になる。
 
 
     
 
     
1 原文と同様の記号を訳文にも入れておいていただけると、読む側は大変助かります。
 
2 ひょっとして、“...critical in that”の“that”にあたるところでしょうか。ここの“that”は、後に続く“if it is adjusted...”からパラグラフの終わりの“...it will lose depth.”までを導く従位接続詞と考えると良いと思います。英文和訳的に訳を充てるとすれば、「〜という点において」となるでしょうか。もちろん、そんな風に訳すと頭でっかちになりますので、“...critical”で切って、「その理由は、」と続ければよいでしょう。
 
3 「名詞句+をする」「名詞句+を行う」は、冗長になりやすく、また「する」「行う」という、やや意味のあいまいな動詞を許すことにもなります。絶対使ったらアカン!とまでは言いませんが、とにかく目の敵にしてください。
 
4 バランスがプラス/マイナスのいずれかに偏るということと、何かの量が高い/低いということとは、別の概念です。今回、一番残念なところでした。
 
5 読者層を意識して、噛み砕いて訳出されています。大変好感が持てます。ただし、“ground noise”の訳語には、「暗騒音」ではなく「土壌ノイズ」「グラウンドノイズ」あたりが適当でしょう。「暗騒音」は“background noise”の訳語です。今回の文脈では意味的には“ground noise”=“background noise”ですが、やはり区別しておきたいところです。
 
6 “lose depth”は、ここだけで判断すると、「深さについての情報を失う(探知しても、どれくらいの深さにあるかわからない)」と「深いところにある目標物が探知できなくなる」のどちらにも取れますが、元の文書のあちこちを読むと後者の意味であることがわかります。応募者のみなさんの訳も割れました。悩ましかったことでしょうが、採点のウェイトは下げました。つまり、どちらでも正解としています。
 
7 確かに“first”は“find”にかかっていますが、日本語にするときには“change”にかけた方が自然です。副詞の形容詞的訳出方法のバリエーションです。「変化する点を最初に見つける」と「最初に変化する点を見つける」、厳密にはこの2つは区別されるべきですが、今回の文脈では等価だと思います。
 
8 大変良い訳です。“find a balance point” という表現が何度も出てきますが、これは地面のどこかにある場所を見つけることではありません。これから使おうとする探知機をバランスの取れた状態に調整することです。ここをきちんと押さえて訳出されています。
 
9 原文には何を回して微調整するのかが書いてありませんが、それを日本語訳にも持ち込んでしまうと分かりづらいですね。前後から判断して、回すのはGBつまみであることは間違いありません。原文にはない記述ですが、補足しても問題ないケースなので、あと一歩の踏み込みが欲しかったですね。
 
10 “control”は操作スイッチやレバーの総称としてよく使われます。そのままカナ書きしてしまうと、意味も分かりづらいですし、訳としても「放ったらかした」という印象が拭えません。「(調整、調節)つまみ」や「ノブ」などが適訳でしょう。
 
11 実務翻訳では“If”を訳出することは稀です。「もし」「もしも」と訳し出す場合があるとすれば、それは何か表現上の狙いがあるときです。実務翻訳以外でも、たぶんそうだと思います。読者層を意識して、フレンドリーな感じを意図されてのことだとしたら、ごめんなさい。それでも、やっぱりここには不要だと思います。

12 原文の雰囲気を伝えようとされています。いいですね!
 
13 「完璧」を副詞として使って「調整」を修飾すると、やや砕けすぎる表現になるように思います。好みの問題かもしれませんが。
 

 
   
   
 
   第一印象どおりでした。当社の判定で言えば、BとCの中間、ややB寄りです。「バランスポイントを捉えつつある」の印象が非常に良いので、「高い/低い」がなかったら、思い切って合格とし、小さなお仕事からお願いすることにするかもしれません。  

 
     
   
 
   私の勘ですが、翻訳の勉強を始められてからまだ日が浅いのでは?それでこれだけの訳文が書けるとしたら、ポテンシャルは相当お持ちだといってよいでしょう。実務翻訳に関する適当な本をどれか1冊読んで、この世界のオキテを一応インプットしておいてください。あくまで一応でいいです。どうせ後から何度も確かめることになるでしょうから。みんなそうです。それよりも、実践あるのみ!どんどんトライアルやコンテストに挑戦してください。
 それと同時に、専門的なバックグラウンドを少しずつ身に付けていかれるとよいでしょう。
 

 
 出ました「専門的なバックグラウンド」センモン、センモンって、じゃあこの原稿、金属探知機でコインの1枚も見つけたことがないと訳せないのか?そんなことないに決まってますよね。必要なのは、原稿の内容を作っているもっと大きな枠組み、つまり「スジ」を知っているか、それを掴むことができる力です。

 出たよ、今度は「スジ」だよ。来月あたり「エスプリ」とか言い出しそうだね。まあちょっと言ってみたいですが、使い方がいまいち分かりません。とにかく、決してみなさんを煙に巻くつもりじゃないです。スジは見えるし、掴むことができるものです。

 特に、今回の原稿は、そのスジがいい具合に入ってるんですよ。次のページで、それをお見せしましょう。
 
     
     
 
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