医療機器などの実務翻訳と出版翻訳でご活躍の安齋奈津子さん Flavor
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安齋 奈津子さん

第113回

守備範囲は医療機器から児童書、エンターテインメントまで!マルチ翻訳家の仕事術とは? 安齋 奈津子さん

Natsuko Anzai
最新訳書は児童書のシリーズもの フリー10年目を見すえて、分野を絞る段階へ

濱野 :本日のゲストは、実務翻訳と出版翻訳の両方でご活躍中の安齋奈津子さんです。実務翻訳のご専門は、医療機器を含むライフサイエンス全般と工業機器、IT。出版翻訳では児童書、実用書、映画・音楽関連の書籍など、すでに10冊以上の訳書をお持ちです。実務翻訳と出版翻訳を両立するようになった経緯、日々の仕事の流れなどについて、今日は詳しくお聞きしたいと思います。まず、最新訳書の『亡霊学級 のろわれた小学校』(KADOKAWA、2016年)についてお伺いしたいのですが、どのような本ですか? また、依頼を受けた経緯を教えていただけますか?

安齋 :ほんとうにありそうな怖い出来事をモチーフにした、児童書ホラーシリーズです。日本での第1巻にあたる本書では、忘れ物を取りにきた小学生3人が校舎に閉じこめられ、恐怖の一夜を過ごします。アメリア経由でトライアルを受け、ご依頼をいただきました。

濱野 :メディカル系の実務翻訳から児童書まで、とても幅の広い分野で仕事を受注されていらっしゃるんですね。現在、実務翻訳と出版翻訳それぞれのお仕事の割合はどれくらいですか?

安齋 :実務と出版がちょうど半分ずつくらいでしょうか。

濱野 :それはバランスがいいですね。フリーランスになられて以来、ずっと実務翻訳と出版翻訳が半々くらいだったのですか?

安齋 :平均するとほぼ半々ですね。これまで試行錯誤を重ねてきましたが、昨年から少しずつ分野を絞っています。体力任せの働き方はきつくなってきましたが、その分、気力が充実して集中力の上げ下げを多少はコントロールできるようになった気がします。フリーランス10年目や20年目まで見すえると、実務と出版の二本柱に絞るのがベストかなと。結局、独立当初から目指していたスタイルに落ち着きつつあります。

濱野 :ところで、出版翻訳の仕事はどのような経緯で依頼が入ることが多いのでしょうか?

安齋 :アメリアのスペシャルトライアルや、そのほかのオーディションなどを利用して獲得したものが中心です。そうして取引が始まった企業さんから、継続的にお仕事をいただくようになったケースもあります。

濱野 :これまで十数冊の訳書を上梓されていますが、とくに印象深い作品は何かありますか?

安齋 :どれも印象深いですが、映画書籍を手がけたいという長年の目標をクリアできた点で『MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯』(AC Books、2009年)ですね。埋もれつつあった偉人の功績にスポットを当てられたという点でも、有意義な仕事でした。

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