在宅フリーランスの広報分野の翻訳者、小島祐子さん Flavor
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<第123回>  全4ページ

小島 祐子さん

第123回

大手電機メーカー勤務から実務翻訳のプロに。進化はこれからも! 小島 祐子さん

Tomoko Abe
広報・マーケティングの専門家として翻訳にたずさわる

加賀山 :今日は大手電機メーカーの海外広報部門で働いたあと、フリーランスでおもにビジネス分野の翻訳をしておられる小島祐子さんにお話をうかがいます。現在、具体的にどのようなお仕事をなさっていますか?

小島 :企業の商品や事業にかかわるプレスリリースやブログ記事、お客様向け情報誌など、広報関係を中心としたビジネス文書の英日、日英の翻訳で、英日がメインです。それ以外にも、多分野の文書の校正や日本語のネイティブチェックを依頼いただくこともあります。

加賀山 :お仕事の依頼は翻訳会社を介してでしょうか?

小島 :はい。複数の翻訳会社と契約し、お仕事をいただいています。

加賀山 :翻訳料は1ワードでいくらというシステムですか?

小島 :そうです。あらかじめ1日何ワードぐらい訳せますということをお伝えしてあって、新しい仕事のときにはまず分量の相談があり、お引き受けします。
 校正のほうはワード単位ではなく、この記事ひとつでいくらという提案になります。おもしろいのは、時給制になる場合もあって、業務にかかった時間で報酬をいただきます。

加賀山 :自己申告制ですか?

小島 :そうなんです。もちろん私としてもTime is money.ですし、のちの受注にも響きますから、迅速にやりますが。

加賀山 :翻訳の仕事をするようになったきっかけは何でしょう。会社で働きながら翻訳を始められたのですか?

小島 :いいえ、退社してフリーになってからです。アメリアにも登録しましたが、トライアルのお話をいただけるようになったのは、英検やTOEIC、翻訳検定の資格を取得してからでしたね。なかでも、サン・フレア社の翻訳実務検定TQEに合格して、履歴に載せたのが大きかったと思います。

加賀山 :資格がものを言うのですね。いまのお仕事のやりがいや、楽しいところはどこでしょう。

小島 :企業の公式ステートメントを作り上げるところです。翻訳や校正を通して、より多くの方々へメッセージを伝えるお手伝いをしていることに、責任とやりがいを感じます。
 一方に、訳すべきいろいろな内容や条件、いわば「仕様」があって、もう一方に発注元の「アイデンティティ」、たとえばその企業にふさわしい言葉遣いなどがある。それをマッチングさせて最適の訳文を作り出すことは、広報関連の翻訳の難しい点でもありおもしろい点でもあります。
 じつは私は、お絵かきロジックなどのパズルが好きなんですが、「仕様」と「アイデンティティ」がぴったりマッチすると、いちばん美しい絵ができるような感じがして、気持ちがいいんです。

加賀山 :それはおもしろい考え方ですね。

小島 :実務翻訳で作る文章は、自分の書きたい文章とつねに一致するとはかぎりませんが、そういうパズルに近い感覚があると思います。

加賀山 :逆に、ご苦労はありますか?

小島 : 苦労とは違いますが、翻訳者としては駆け出しですから、とくにいまは信頼を積み上げることが非常に重要な時期だと思っています。少しでも手を抜いたりいい加減な仕事をしては、二度とお仕事をいただけないシビアな世界ですので、当然ながらひとつひとつ丁寧に全力で取り組みます。次につなげる仕事をするために、納品し終えてフィードバックをいただくまでずっとそわそわ緊張しています。ですので、その後OKをいただくとこの上なく嬉しいのですが、指摘をいただいてしまったときには、そこに気がつかなかった自分がとても悔しくて反省します。

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