【アメリア】Flavor of the Month 12 大西俊之さん
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Flavor of the Month
<第12回>   全3ページ


第12回

人間、現状に満足したらそこで終わりだと思います。まだまだ、今の職場で頑張って自分の翻訳レベルを高めていきたい!
  大西俊之さん
Toshiyuki Ohnishi

何かひとつ“武器”になるものを身に付けたい。そう考えて翻訳の勉強を始めました

坂田:今回、ご登場いただくのは、全く別の業種から翻訳の仕事への転職を見事に成功させた大西俊之さんです。転職を考えているみなさんの参考になる話を聞かせていただけるのではないかと期待しています。こんにちは、大西さん。よろしくお願いします。

大西:こんにちは。よろしくお願いします。

坂田:翻訳に関係のない分野からの転職を成功させたとうかがっていますが、以前はどのようなお仕事をされていたのですか?

大西:金融関係の会社で営業を担当していました。入社当時は国際関係の仕事に携わったこともありましたが、転勤などいろいろとあって、最後は営業職でした。ですから、いつも仕事で英語を使っていたというわけではなかったんです。

坂田:それが、どうして翻訳の仕事に就こうと思うようになったのですか?

大西:翻訳の勉強を始めたのは1997年頃でした。みなさん記憶にあるかと思いますが、北海道拓殖銀行や三洋証券など大手金融会社の破綻が相次いだ頃です。それまでは金融機関がつぶれることなどあり得なかった。それが次々とつぶれてしまったわけですから、これをきっかけに私たちを取り巻く環境も大きく変化し、これからはどういうことになるかわからないという状況になったんです。長年、営業に携わってきましたから、転職はしても営業として生きていくというのもひとつの選択肢でしたが、社会の変化を見るにつれ、「手に職を持ちたい」「何かひとつ自分の武器になるものを持っておいたほうがいいんじゃないか」と強く思うようになりました。

坂田:その“武器”として選んだのが翻訳だったわけですね。

大西:はい。父親が英語教師をしていたということもあり、私自身、英語には昔から興味がありました。そこで、翻訳を通信講座から始めてみようと思ったんです。

坂田:今はコンピュータ関係のローカリゼーションをなさっているということですが、コンピュータの分野に絞り込んだのはいつ頃ですか?

大西:翻訳の勉強を始めようと思ったときに、まず分野を絞り込みました。雑誌を読んだり、ニフティサーブの翻訳フォーラムに参加するなどして、いろいろと情報を集めたのですが、いちばんパイが大きく、初心者でも仕事を獲得する確立が高い分野はなにかというと、出版翻訳や映像翻訳ではなく産業翻訳だろう。そのなかでもコンピュータ関連の分野が最も有望だろうと考えたのです。

坂田:1997年というと、インターネットが普及し出した時期ですよね。

大西:そうですね。インターネットが爆発的に広がっていったところでしたので、コンピュータ関連の翻訳の需要も大きいだろうと思いました。雑誌などを読んでいても、産業翻訳のなかでもコンピュータの分野が伸びるだろうという予測が書かれていましたので、そこを先取りして勉強していけば、なんとか仕事につながるのではないかと考えたわけです。その頃、結婚して3年目だったので、翻訳という仕事で生計を立てるにはどうすればよいかということを第一に考えました。

坂田:堅実に考え、分析を重ねた結果、産業翻訳のコンピュータという分野にたどり着いたということですね。

大西:そうです。マーケティングと同じですよね。どの分野がいちばんチャンスが大きいのか、どこに自分の力量に合う世界が広がっているのか、それを情報をもとに分析しました。自分に文芸翻訳ができる能力があれば、そちらに進むことも考えたでしょうが、何の経験もない私にとって、それは難しいと思いました。

坂田:金融関係の仕事をしていたのですから、コンピュータではなく金融関連の産業翻訳を目指そうとは考えなかったのですか?

大西:金融であれば、それまでに培ってきた専門知識が生かせるのですが、その分野での翻訳の需要が急激に伸びるかというと、バブル絶頂期とくらべて減ってきてはいても増えることはあまり期待できないだろうと思いました。それに、昔からある分野なので、すでに活躍している翻訳者の方が大勢いらっしゃるでしょうし。その点、コンピュータはこれからの分野です。ここをいち早く勉強して、自分のものにしていくほうが有利だと判断したわけです。

坂田:では、具体的に翻訳の勉強はどのように進めていったのですか?

大西:その頃は転勤で名古屋に住んでいました。それに、仕事を続けながら勉強をしなければならなかったので、コンピュータ分野に絞った翻訳の通信講座で学ぶことにしました。

坂田:実際に勉強を始めてみて、手応えはありましたか?

大西:はい。通信講座では、そこそこ良い評価がいただけました。翻訳の勉強を始めて1年ほどして、アメリア(旧FMC)に入会し、同じ頃、会社を辞めて翻訳の勉強に専念するようになりました。

坂田:アメリアに入会したキッカケは何だったんですか?

大西:ニフティの翻訳関連のフォーラムでアメリアのことが話題に上がっていたんです。そこで興味を惹かれてどんなものか調べてみると、トライアルを受けて、それに合格すればノミネーティングシステムに登録され、仕事につながっていくということでした。このシステムに魅力を感じて入会することを決めました。


※文中の「ノミネ会員」は現在の「クラウン会員」のことです。
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