【アメリア】Flavor of the Month 17 美由紀 ウイアーさん
読み物
Flavor of the Month
<第17回>  全4ページ


第17回

自分がやりたいことに出会うと 身体からエネルギーが湧いてきてじっとしていられなくなるんです
  美由紀ウイアーさん
Miyuki Weir


大賞受賞のメールを受け取ったときひとりで踊り出してしまいました

坂田
本日は、『第1回翻訳ドラマ大賞』で見事大賞を受賞なさいました美由紀ウイアーさんをお迎えしています。ウイアーさんはオーストラリアにお住まいですが、ちょうど日本に里帰り中とのこと。本日は、ようこそいらっしゃいました。

ウイアー
:こんにちは。よろしくお願いします。

坂田:お会いする前に受賞作品を読ませていただいたのですが、作品から想像していた人物像と実物とは随分と違いますね。

ウイアー
:そうですか? どんなふうに違うんでしょう。

坂田:えぇ、私の勝手なイメージなんですが、もっとがっしりした体型の男性っぽい方がいらっしゃるかと思っていました(笑)。こんな小柄な、女性らしい方だとは……。作品の中では、法律事務所に翻訳・通訳者としてお勤めとのことでしたが、今も同じ職場ですか。

ウイアー:はい、同じ法律事務所に勤めています。ただ、エッセーに書いたような大きな裁判は1年か2年に1度ある程度で、普段はそれほどドラマチックじゃないんですよ。

坂田:そうなんですか。作品の中では、日本人あるいは日本企業が関わる訴訟が起きた場合に、どのような仕事が発生するかが書かれていましたね。膨大な日本語資料を英訳するとか、法廷に提出する英文の宣誓供述書を和訳するとか、書類ではなくテープやビデオから訳すこともあれば、はたまた裁判の途中に出てきた新たな証拠を法廷の場で訳したり……。実際には大変な仕事なんでしょうが、それがユーモアたっぷりに書かれているから、つい笑ってしまいました。ただ今、アメリアWebサイトでも公開中(アメリア会員限定)ですので、ぜひみなさんも読んでみてください。ところで、この作品ですが、以前からテーマを練っていたのですか。

ウイアー:いいえ。前からコンテストがあるということは知っていたのですが、自分が応募するなんて全く考えてもみなかったんです。ところが、"締切間近"という文字を見た時に、「私がやっている仕事もかなりドラマチックだから、出してみようかな」とふと思ったんです。それが締切1週間ぐらい前でした。それから1日で一気に書きあげて、2〜3日寝かせて、推敲して、本当に締切ギリギリに、「間に合わないかもしれない」と思いながら宅配便で送ったんです。

坂田:「えーぃ、出してしまおう!」という勢いがプラスに働いたのかもしれないですね。

ウイアー:仕事のうっぷんがかなり溜まっていたんでしょう(笑)。

坂田:書こうと思いついた瞬間、溜まっていたエネルギーが大爆発して、できあがったのがあの作品だったわけですね(笑)。

ウイアー:変に(賞を)狙っていないのが良かったのかも。

坂田:大賞受賞の知らせは、どのように受け取ったんですか。

ウイアー:締切の1カ月半後ぐらいに、夜、メールで届きました。まさか大賞がいただけるなんて思っていなかったので、そろそろ発表だということも忘れていたくらいです。

坂田:そしたら、いきなり大賞の通知が届いたわけですね。

ウイアー
:メールを受け取ったときは、一人でパソコンに向かっていたのですが、踊ってしまいました。

坂田:てんてこ舞いの踊り(大賞作品の副題が「五里霧中のてんてこ舞い」なんです)が、今度は喜びの踊りに変わったわけですね。その後、いちばんに誰に報告しましたか。

ウイアー:やはり、まずは主人ですね。それから友達に一斉にメールで知らせました。嬉しいことは120%吹聴して、反芻するというのが、私のモットーなんです。

坂田:みなさんの反応は?

ウイアー
:友達からの返信メールからは、驚きが溢れていました。応募したこと自体、あまり知らせていませんでしたから。両親には応募した作品を送ったのですが、受賞したこともそうですが、私の仕事の内容を知って驚いていました。母に、「あなたは恐いもの知らずね」って言われました。

坂田:まさにその通り! 恐いもの知らずですよね。

ウイアー:いいえ、恐いものは知っているんですよ。ただ、恐いもの好きなんです。

坂田:そうなんですかーー。

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