【アメリア】Flavor of the Month 25 石井 祥典さん
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Flavor of the Month
<第25回>  全4ページ

石井 祥典さん

第25回
好きなことを仕事にしたい 就職活動は途中で断念し トライアル合格に的をしぼりました
  石井 祥典さん
Yoshinori Ishii

高校生の頃にちょっと憧れた職業、それが翻訳者でした


坂田:今回のゲストは今年大学を卒業したばかり。石井祥典さんにお越しいただきました。石井さん、よろしくお願いします。

石井:こんにちは。よろしくお願いします。

坂田:最近の就職活動はなかなか厳しいと聞いていますが、石井さんはいかがでしたか?

石井:僕の場合は、大学3年の夏ぐらいから就職活動を始めるには始めたのですが、その後いろいろと考えて一般企業に就職するのはやめることにしたので、申し込んだだけで面接まではいきませんでした。だから、本当のところはわかりませんが、友人を見ていると、やはり厳しいと感じましたね。

坂田:一般企業に就職するのをやめたのはどうしてですか?

石井:就職活動のための自己分析をしていて気付いたんです。最初は適当に就職しようかなと思ったんですが、自分のことを調べていくうちに、僕はやりたいことでないと続けられないということがよくわかったんです。大学の授業でも、フランス語専攻だったんですが、自分がやりたいフランス語に関する授業は一生懸命やりましたが、興味のない一般教養科目は授業に出るのも苦痛で、ギリギリまで単位を残してしまいました。卒業後の進路についても、フリーターはいやだったんですが、会社員でも専門的なスキルを持たずに毎日仕事をするというのはフリーターと同じくらいいやだった。とにかく専門的なスキルを持ちたいと思いました。それで、以前から興味があった翻訳者になる決意をしたんです。

坂田:そもそも翻訳者になりたいと思ったきっかけは?

石井:今思うと、高校生の頃から、なんとなく「翻訳者もいいなあ」と思っていた気がします。その頃は、本当に翻訳者になるとは思っていなかったんですが……。友だちのお母さんが翻訳の仕事をしていて、それを見て「こんな仕事もいいかな」って。もともとフリーで仕事をしたいという願望があったんです。翻訳者もフリーでできる仕事だから。

坂田:なぜフリーの仕事がいいと思ったんですか? 例えば、時間が自由になるとか、出来高制であるとか……。

石井:そうです、そういうところですね。実は、中学の頃からホルンという楽器をやっていまして、プロのホルン奏者になるつもりだったんです。芸大の先生に習って、音大を受験したんですが、失敗してしまって。

坂田:じゃあ、高校生の頃は、将来はプロのホルン奏者か翻訳者のどちらかになると決めていたのですか?

石井:というよりも、99%ホルン奏者になるつもりでした。翻訳者というのは、ちょっといいかなと思っただけです。音大の入試に失敗したときは結構ショックでしたね。この仕事しか考えていなかったから。浪人してでも、と思ったんですが、そうはいってもプロは難しいですから。

坂田:そこで挫折を味わったわけですね。それでフランス語学科に進むことに決めたのは?

石井:ホルンというのは正式名称は“フレンチホルン”っていうんですよ。フランス音楽がすごく好きだったし。英語も好きだったんですが、大学でやるならみんながやっている英語より、それ以外の言語がいいかなと思って、それでフランス語を選んだんです。

坂田:高校生の頃に何となく憧れた翻訳の仕事を、本格的に志望するようになったのは、なにかきっかけがあったのですか?

石井:大学時代、お金を貯めて何度かフランスに行ったんです。行っているうちに、フランス語はある程度話せるようにもなりました。ある時マクドナルドに行ったら、前に並んでいた日本人バックパッカーが言葉が通じずに困っていたんです。そこで助け船を出してあげたらすごく感謝されて。それがひとつのきっかけですね。

坂田:言葉でコミュニケーションをとることで、何かをしたいということ?

石井:ええ。大学時代のバイトは接客業がほとんどで、人とコミュニケーションをとることが基本的に好きだったということもあるんでしょうね。

坂田:そうなると、翻訳というより通訳のほうがより近いんじゃないですか。その場で訳語を考え出す通訳と、じっくりと考えて最も適切な言葉で表現する翻訳とは、ある意味、両極端な気もするんですが。

石井:おっしゃるとおりなんですよね(笑)。う〜ん、どうしてだろう。--でも、翻訳も通訳も基本的には同じなんじゃないかなと思っているんです。通訳もすれば翻訳もするというフリーの方はたくさんいらっしゃいますよね。表面的には違うかもしれないけど、翻訳も通訳も基本的には同じだと思うんですよね。通訳ができる人は翻訳もできるし、逆もそうだし。本当のところはわからないんですけど。

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