【アメリア】Flavor of the Month 45 中野真由子さん
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Flavor of the Month
<第45回>  全4ページ


中野真由子さん

第45回
オンサイト&フリー翻訳者、そして日本語講師 3つの仕事をバランスよくこなす
  中野真由子さん
Mayuko Nakano

社会経験を積んだ後にフランスへ留学

坂田:今回は、金融翻訳の分野でご活躍の中野真由子さんにお越しいただきました。フランスの大学へ留学経験があり、英日翻訳のほか、仏日、日仏、英仏翻訳も手がけていらっしゃいます。現在、タイプの異なる3つの仕事をうまくこなしていらっしゃる中野さんに、その秘訣を伺いたいと思います。中野さん、よろしくお願いいたします。

中野:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

坂田:現在、3つの仕事をバランス良くこなしていらっしゃるそうですが、どのような仕事か教えていただけますか?

中野
:フランスから帰国して、どういう仕事に就こうかと模索しているうちに、今のようなスタイルに落ち着きました。1つは経済産業省に週3日出向いて、省内翻訳者として金融関係の翻訳をしています。もう1つは日本語講師。たまにフランス語講師もしますが、ビジネスマンに語学を教える仕事をしています。そして最後の1つは、空いた時間を利用してアメリアを通して受注した翻訳の仕事をフリーの翻訳者として行っています。

坂田:翻訳のお仕事が2つ、そして語学講師が1つですね。翻訳の仕事はどのくらいやっていらっしゃるのですか?

中野:経済産業省の仕事が2年目です。フリーの仕事の方は、アメリアに入会してからですから、1年半ですね。

坂田:そうですか。以前は翻訳以外のお仕事をしていたのですか?

中野:はい。大学を卒業して、最初に就職したのは外資系の金融会社でした。事務職で入ったのですが、本社がオランダだったので、ボスに出す書類はすべて英語。次第に、社内の翻訳を任されるようになり、業務のひとつとして翻訳をしていました。

坂田:当時は、社内の文書を英訳することが多かった?

中野:そうですね。その会社には4年間勤めましたが、その間は社内文書の英訳を多く行っていました。

坂田:4年間勤めて、その後はどうしたのですか?

中野:その後、会社を辞めてフランスに留学しました。

坂田:どうして留学しようと思ったのですか?

中野:もともと計画していたんです。大学は仏文科だったので、一度はフランスで勉強してみたいなとずっと思っていました。少し社会経験を積んで、お金も貯めて、20代後半ぐらいがいいかなって。だから、会社はいずれ辞めるつもりでした。

坂田:フランスには何年間いたのですか?

中野:3年です。大学の文学部の修士課程を卒業しました。

坂田:フランス文学をフランス人の学生といっしょに勉強するわけですよね。かなりの語学力が必要ですね。

中野:ええ、とうてい無理な話ですよね(笑)。語学力もそうですが、文化的背景が大きなネックになりました。フランス人は中学高校の頃からキリスト教文化、ラテン語、ギリシア哲学などの教育を受けてきています。フランスの文学はそういうバックグラウンドがないと理解できないことが多いんです。だから、日本人には大きなハンディがあります。なので、ふつうは1年で取れる修士を、私は3年かけて取りました。

坂田:3倍かかったわけですね。

中野:そうですね。ただ、フランスの大学のいいところは、国立大学であれば、たとえ外国人であっても授業料がタダ同然。年間で2万円くらいです。入学も、書類さえ揃えれば入れてくれます。ただ、学位はなかなかくれませんが。

坂田:最初は1年で学位が取れると思っていましたか?

中野:いいえ、1年で取れるとは思っていませんでしたね。2年は頑張ってみようと思っていました。でも、行っている間に結婚したり、たまたま向こうの翻訳事務所で人が足りないから仕事をしないかと誘われて数カ月間働いたり、引っ越しをしたり……。いろいろとあって、在籍は3年間でしたが、実質勉強したのは2年くらいでした。

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