【アメリア】Flavor of the Month 50 トゥレ シェーク ウマールさん
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Flavor of the Month
<第50回>  全4ページ


トゥレ シェーク ウマールさん
第50回
セネガル出身で在日14年 自らの経験とスキルを生かして 文化の架け橋になりたい   トゥレ シェーク ウマールさん
Cheikh Oumar Toure


セネガルは多言語・多文化国家

坂田:今回のゲストは、トゥレ シェーク ウマールさんです。ウマールさんは日本に来て14年。将来を見据えて自分のやりたいことが見つかり、それを実現するための第一歩としてアメリアに入会なさったそうです。そのあたりのお話、じっくり聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

ウマール:よろしくお願いします。

坂田:ウマールさん、ご出身はどちらですか?

ウマール:アフリカのセネガルです。ご存じですか?

坂田:サッカーが強い国ですよね。

ウマール:あぁ、日本では2002年日本・韓国ワールドカップの時に有名になりましたね。

坂田:ちょっと調べてみました。アフリカの西海岸に面した国で、首都はダカール。パリ・ダカール・ラリーの終着点なんですね。

ウマール:そうです。セネガルはいろんな国の人が入ってきた歴史があり、多民族国家ですので、国語は6つあります。小さい部族の言葉も含めると言語は20あり、その中で6つが国語なんです。例えば私の場合も、父の民族の言葉はプラール語、母はウォロフ語でした。住んでいたのがウォルフ語の地域でしたので、私も子どもの頃、母とはウォロフ語で話していました。

坂田:言語が20もあるということですが、日本には方言というものがあり、標準語とはかなり違うものもあります。そういうことなんでしょうか?

ウマール:それとは違います。言語によってはポルトガル語と中国語ぐらい違いますから。また、公用語としてフランス語が一般的に使われています。フランスの植民地だった歴史があり、学校に行けばフランス語、先生もフランス人が多いし、情報もフランス語が多いのです。うちの場合は、家でも両親は共通語としてフランス語を話していました。また、宗教はイスラム教が多いので、アラビア語が堪能な人も多いんです。

坂田:子どもの頃から多言語に慣れていたんですね。

ウマール:はい。だから、日本に来て、まったく未知の文化に触れたときも、そんなに違和感はありませんでした。また、セネガルは移民の国でもありますので、ヨーロッパ、特にフランスやイタリア、それからアメリカ東海岸にも多くのセネガル人が移民として渡り暮らしています。家族の中でだれか1人くらいは海外にいるというのは普通のこと。だから、多言語のみならず多文化も当たり前なんです。

坂田:日本人には想像できない環境ですね。

ウマール:幼い頃から物にはいろんな名前があることが自然でした。例えば、コーヒーカップひとつとっても、お父さんはこう呼んでいる、お母さんはこう呼んでいる、学校ではこう呼ぶ、という具合に。

坂田:日本人はひとつの言葉しか知らないから、新しい言葉を覚えるときにとても大変だと感じるのかもしれませんね。

ウマール:でも、それにも良いところがあるんです。私は気付いたのですが、日本の子どもは早く言葉がしゃべれるようになります。セネガルの子どもが話し始めるのよりも早いと思います。

坂田:英語はどうでしょう? 学校で英語の授業はありましたか?

ウマール:セネガルでは日本と同じように中学から必修科目として英語を勉強します。英語はフランス語より文法が簡単だから、すぐに覚えてしまいます。アメリカの文化の影響も強く、歌や映画はたくさん入ってきていますから、非常に親しみやすい。中学の頃、英語は科目というよりもホビーでしたね(笑)。

坂田:つまり、楽しんでいるうちに自然と身につくという感じですね。日本人も中学から英語を勉強していますが、英語をホビーと言い切れる人はなかなかいないと思います。ところで、セネガルの方は何カ国語くらい勉強するのですか?

ウマール:中学の2、3年くらいから英語の次の第2外国語を勉強し始めます。スペイン語、イタリア語はフランス語に近いのですぐに話せるようになります。その他、アラビア語、ロシア語を勉強する人もいます。

坂田:日本の場合は、大学生になってようやく第2外国語を学び始めますが、話せるようになるまで習得する人は少ないと思います。

ウマール:語学は若い方が早く吸収できるので、日本もセネガルのように早めに第2外国語を習い始めた方がいいでしょうね。これからは、多分そういう方向になっていくんじゃないでしょうか。

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