【アメリア】Flavor of the Month 58 上田さおりさん
読み物
Flavor of the Month
<第58回>  全4ページ


語学を武器に自分の関心あるテーマを追究していきたい

坂田:上田さんにとって、このボランティア翻訳のやりがいは何でしょう?

上田:まず何よりも知識が得られるところですね。環境分野について学ぶことそのものがおもしろいです。それから、最終的に仕上がった英訳を見たときに、明らかにこれはネイティブの方でないと訳せないような文章構成になっていたりして、チェッカーさんの存在の大きさを感じます。文法的に日本語と英語は語順が逆なのですが、ネイティブのリライトした英文を見ると、意外と日本語の語順に近かったりするんです。その体験を繰り返すにつれ、日本語であれ、英語であれ、伝えたい部分、フォーカスが当たっている部分というのは同じなんだな、と思います。言語による文法の違いはあれ、言いたいことはやはり前に持ってくる、これは共通のルールのようで、それに気づいたときは驚きでしたね。まだ、なぜそうなるかまでは私も解明できてはいないのですが。

坂田:環境について関心のある方は非常に多いと思います。どのようにして情報を得るのがよいのでしょうか?

上田:まず、環境といっても幅広いので、自分が興味を持てる分野、例えば森林とか、気候変動とか、そういうテーマを探します。それが見つかったら、その言葉をキーワードにしてGoogleなどで検索します。わかりやすいサイトが見つかったら、たいてい関連サイトのリンク集が付いていると思いますので、それを辿っていくと効率的です。サイトだけではなく、ある程度の知識を得たら、次にそのテーマに関する本を読むといいと思います。本のほうがサイトよりも体系立てて書かれています。本も1冊よさそうなものを見つけたら、アマゾンなどでは類似の本を紹介してくれる機能があるので、そうしたものを利用して次々と探していくといいと思います。

坂田:上田さんはボランティア翻訳だけではなく、環境に関するNGO活動もしているんですよね。

上田:はい。イギリスに行く前にFoE Japanという国際環境NGOの会員になっていたのですが、そのときはただ会費を払えばそれが環境活動の足しになるだろう、くらいの考えで、特に行動は起こしていませんでした。再び東京で暮らすようになってからは、もっと積極的に参加したい、という気持ちになっていて、参加したイベントで知り合った仲間たちとFoE Cafeというイベントを主催するようになり、それをもっと形のあるものにしたいと立ち上げられたFoE Japanのローカルグループ、FoE東京に参加することになり、現在は副代表を務めています。FoE Cafeは月に1度の開催で、毎回環境に関するテーマを取り上げ、参加者みずからが考え発言する場を作っています。他にも、東京都の最高峰、雲取山の清掃登山などのイベントも行っています。

坂田:そうですか。興味を持ったことは、まず行動を起こす。上田さんはそのようにして、さまざまな目標を達成してきたのですね。では最後に、上田さんの今後の夢を教えていただけますか。

上田:翻訳に関して、目下の目標としては、JFSの代表である環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが世界中の環境関連の本を日本に紹介したいとおっしゃっていて、何冊か複数名の翻訳者で環境に関する書籍を翻訳するプロジェクトを行っているので、それに参加できればいいなと思っています。それから、もっと長期的な視野に立って言うと、自分が持っている価値観と、自分が得意とする語学を結びつけて、翻訳だけには限らず、さまざまな活動をしていければなと考えています。環境は需要が増えている分野だと思います。ただ、環境産業という面ではまだマーケットは十分ではないので、これがもう少し育っていけば、私も自分の持っているものを生かして何かできるかもしれないと思うので、そのときのためにも翻訳もNGO活動も積極的に続けていきたいと思っています。

 
   

興味を持ち、やりたいと思ったことは、即行動に移す。自分に厳しく、妥協をしない。その姿勢を貫いて多くの目標を次々に達成してきた上田さんは、本当に素晴らしい信念の人だと思いました。志は高く、さらなる目標を目指して突き進んでください!

 
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