【アメリア】Flavor of the Month 77 大里 隆幸さん

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Flavor of the Month
<第77回>  全5ページ


ネイティブと仕事をすることで、さらなるレベルアップに成功。「フィードバックは大切です」

岡田 : すでにエンジニアとしてテクニカルライティングの基礎はあったことと思いますが、翻訳の勉強はどのように進められましたか?

大里 :翻訳の勉強は、同じような製品を製造している海外のメーカーの取説やカタログを研究しました。技術翻訳なので、英文テクニカルライティングの書籍も買い集めて勉強しましたね。でも仕事を始めて10年ほどたった頃、本当に自分の訳がいいのか、成長が頭打ちになっているように思うことがあったんです。そこでパートナーとしてネイティブの翻訳者を採用して、数年間一緒に仕事をしました。これは素晴らしい経験になりましたね。

岡田 :それは英語のチェックということですか? 大里さんは十分ネイティブだと思われますが……。

大里 :どこまで「ネイティブ度」を追求するかということもありますが、たとえばこのパートナーの翻訳者が英訳したものを見たときに「あ、これは私には書けないな」と思うことがあるんですよ。

岡田 :それは同様に日本人同士でもありますよ(笑)。

大里 :たしかに(笑)。ただ、チェックしてもらったときに、ネイティブなら間違えないようなところを指摘されることがあるんです。完全なネイティブに「ここをこうしたほうがいい」と指摘してもらうことで、素晴らしいレベルアップが図れました。フィードバックは大切ですね。逆にその翻訳者が訳したものを私がチェックして、日本語の理解のミスなどを指摘したりしながら、お互いにいい刺激になりました。今は社員ではありませんが、パートナーとしていっしょに仕事をしています。

岡田 :これまでお目にかかった翻訳者さんも、やはりフィードバックの大切さについて言及される方が多いです。ところでネイティブチェッカーさんに必要とされているものはなんだと思われますか?

大里 :日本人が英訳したレベルによっても違いますが、冠詞をきちんと直してくれるのはひとつのキーですね。冠詞の説明ができる方、a とtheの使いこなしによってネイティブ度が表れます。

岡田 :体で覚えているんですね。それを考えると日英翻訳をする勇気がなくなってしまうんですが……。自分の英語がおかしいと思われたらどうしよう、と思い悩んで日英に踏み出せない方も大勢いると思います。

大里 :いえいえ、だからこそネイティブチェックがあるし、必要なんです。日本で育った日本人にとって英語は母国語ではありませんから、英文がどこかおかしくなるのは仕方がない。それを現実として受け止めながらも、乗り越えていくためにどうすればいいのかを考えるといいと思います。ネイティブチェックを活用する必要性はそこにあるんです。

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