【アメリア】Flavor of the Month 88 田辺 千幸さん
読み物
Flavor of the Month
<第88回>  全5ページ


「登場人物が勝手にしゃべりだすように感じることがあるんです」翻訳をなにより楽しみ、生涯、出版翻訳者でありたい!

岡田 :休みなく翻訳漬けの毎日でも苦にならず、多くのお仕事をこなされる田辺さん。自信を持って「翻訳が趣味」とおっしゃるお姿に、「ザ・翻訳者」というイメージを持ちました。田辺さんは翻訳をしている時間を本当に楽しんでいらっしゃいますね。

田辺 :そうですね。翻訳はなにより楽しいと思います。仕事がのってくると、登場人物が勝手にしゃべりだすように感じることがあるんです。そうなると最後のページがやってくるのがさみしくて……(笑)。もっともっと翻訳したいと思いますし、これが私の天職だと思っています。

岡田 :天職を得られ、毎日お仕事を楽しんでいる田辺さん、お幸せそうです! これからはどのような目標がありますか?

田辺 :訳してみたいと思う本はたくさんあるので、いつかそうした本に取りかかりたいと思っています。機会があれば持ち込みもしていますが、おもしろい本と売れそうな本はなかなか一致ませんね(笑)。仕事がある限り、出版翻訳で生きていければなによりです。

岡田 :今後も多くの訳書が出版されそうです。田辺さんの目指す翻訳とはどういったものですか?

田辺 :常に心がけているのは「読みやすさ」です。いかにも翻訳という文体を避け、読んでいるときに引っかからずにスラスラと読める訳に仕上げたいと思っています。私は読書をエンターテイメントだと思っているので、翻訳でもエンターテイメントに徹し、読後に「おもしろかった!」と思ってもらえるような仕事をしたいと思っています。

岡田 :そのために意識していることはありますか?

田辺 :そうですね、岡田さんは本を読むとき、頭の中で音読していますか?

岡田 :えーっと……考えたことがなかったですね。しているようなしていないような(笑)。

田辺 :私は本を読むとき、いつも必ず頭の中で音読しているんです。翻訳するときも同様です。頭で音読して、ひっかかる文は直しが必要な文だと思っています。スラスラッと読めるよう、リズムをかなり意識して訳しているんです。

岡田 :なるほど、今後は私も頭で音読しながら読書するようにします! ちなみに田辺さん、ご趣味はなんですか?

田辺 :今も読書です。仕事も趣味も本(笑)。最近は時間がなくて、好きな本を読めないのが悩みの種ですが。

岡田 :本当に本がお好きなんですね。ご自分で読むときもミステリーやファンタジーがお好きとおっしゃっていました。

田辺 :そうですね。さきほども言ったとおり、私にとって読書はエンターテイメントなんです。だから自分で読むときも楽しい本が好きですね。読後に感動したり、考えさせられたりする本も素晴らしいと思いますが、私自身は現実逃避としての読書を楽しみたいと思っています。

岡田 :目指すお仕事と趣味が同じところにあるなんて、まさに翻訳が趣味の「ザ・翻訳者」ですね。翻訳を愛し、楽しみながらお仕事を満喫されています。田辺さん、今日はどうもありがとうございました。今後も1冊1冊楽しみながら、多くの翻訳書を送りだされることと思います。今後もますますのご活躍をお祈りしています!

■知的でハツラツとした印象のある田辺さん。厳しいスケジュールをものともしないお姿に、翻訳と書籍への深い熱意と愛を感じました。「翻訳が趣味」、「翻訳が天職」と自信を持ってお話になる田辺さんは、充実した毎日をキラキラ過ごしているように見えました。天職が見つかるって、とても幸せなことですね。これからもたくさんの訳書が書店に並べられることと思います!

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