【アメリア】Flavor of the Month 91 藤田 弘美さん
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Flavor of the Month
<第91回>  全5ページ


怒涛の子育てのあと、トライアルに再挑戦

濱野 :新たに小さなお子さんができると、翻訳の学習や仕事もむずかしかったのではないですか?

藤田 :そうですね。さらに第4子の産後3ヵ月のときに、主人の転勤で広島へ引越しすることになりました。それから数ヵ月のあいだに、主人が非定型抗酸菌症で入院、義母がヘルペスで入院、義父の突然死……ありえないようなことが重なって起きました。子ども4人を抱えて、ただただその時々の出来事に対処するしかない状況が続きました。さらに、次男が重症のアトピー性皮膚炎を発症し、病院通いも始まりました。目の回るような日々でしたが、何より子どもたちの明るさに救われました。

息抜きのコーヒーは本格的にサイフォンで

濱野 :そんな大変な時期をご経験だったんですね。もちろん、翻訳のほうはいったん中断せざるをえない状況に……

藤田 :はい。依頼があっても、当然、断わるしかありませんでした。1年ほど経つと状況も少し落ち着いてきましたが、優先順位を考えると、自然と4人の子育て中心の生活になりました。ただ、翻訳の学習なら子育てしながらでもできると思い、英語力を鍛えるために通信講座を受けることを決めました。翻訳の基礎から出版翻訳、そしてメディカル和訳の講座を受講しました。

濱野 :ひえー、子育てだけで大変なのに、学習再開とは。なんというパワー! そのパワーでお仕事も再開ですか?

藤田 :子供たちは順に反抗期を迎え、高校や大学受験、県外での生活、就職活動、就職……そんな怒涛の日々が続きました。その頃は主人も単身赴任だったので、じっと腰を据えて翻訳ということは考えられませんでした。翻訳の仕事獲得に再び動き始めたのは、上の3人が落ち着いたころですね。末っ子は野球少年で、2食分の弁当作りや、どろどろの野球着の洗濯、精神面と栄養面への配慮などはまだ残っていましたが……

濱野 :3人の子供が巣立ち、やっと自分の好きなことに向き合う時間ができたわけですね。数年のブランクがありますが、まずは何から始めましたか?

藤田 :翻訳のトライアルを何社か受けましたが、翻訳では全滅! ある翻訳会社にチェックの在宅業務で登録され、しばらく続けていました。同時にアメリアの定例トライアルを受け、クラウン会員を目指したのですが、ずっと低迷状態。アメリア経由で別の翻訳会社に登録されたものの、仕事は一度きり。以前登録していた会社から論文の構造化抄録の作成の仕事が来ましたが、数ヵ月後に打ち切り……

濱野 :その負の流れを断ち切ったきっかけはなんだったのですか?

藤田 :もう一度原点に戻って、通信講座を受けることにしたんです。フェロー・アカデミーの西村多寿子先生のマスターコース「メディカル」の選抜試験に合格し、受講しました。2本の論文をもとにした講座でしたが、論文ではとくに難解な統計の基本的な知識、内容の解釈に有効な図表の利用法など、そのとき学んだことは現在の仕事にも活きています。

濱野 :それをきっかけに、一気にトライアル合格ですか?

藤田 :受講を終えたとき、腕試しのつもりで、以前アメリアの定例トライアルで良い評価をくださった翻訳会社のトライアルを受けてみたんです。この会社へは二度目の挑戦です。課題のひとつに超難解な統計学に関する文がありましたが、西村先生の講座を通して習得した検索力を駆使して、なんとか訳すことができました。訳文を提出して数日後、「合格」のメールが! てっきりダメだと思っていたので、部屋じゅうを小躍りしました(笑)。

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