【アメリア】Flavor of the Month 93 新保 亜紀さん
読み物
Flavor of the Month
<第93回>  全5ページ


数社のIT企業を経たのち、予期せずフリーランス翻訳者に転身

濱野 :外資系の企業にお勤めだと、やはり転職が多いようですね。

新保 :特にIT系ベンチャー企業に勤めていると、吸収合併も頻繁ですし、会社自体がなくなることもあります。そのため、業務内容が急に変わったり、転職を余儀なくされたりすることが何度もありました。ある会社に移ったとき、ITコンサルタント業務のほかに、ホームページやカタログの翻訳なども担当することになって。ITの仕事よりも翻訳に魅力を感じ始めたのはそのころです。それで、思い切って翻訳の学習を始めてみることにしました。

濱野 :学習……ですか? IT系の翻訳はもうプロですよね?

5年間のフリーランス時代の自宅デスク

新保 :あくまでも自己流なので、プロかどうかはわかりませんが(笑)。ただ、実務翻訳のほうはある程度仕事でやっていましたので、出版翻訳を勉強することにしたんです。もともと私は、本に関わる仕事をしたいと思っていたくらいですから。しばらく学校で学んだあと、ある先生の勉強会に参加させていただけるようになり、そちらにはいまでも通っています。

濱野 :なるほど、もともと本好きであれば、出版翻訳がぴったりですね。出会うべくして出会った感じでしょうか。ではその後は、本業のIT系の仕事をしながら、学習を続ける期間が続いたのでしょうか?

新保 :じつは、勤めていた会社がまたまた買収されまして……(笑)。そのときに、これもいい機会だから1年くらい出版翻訳の学習に専念してみようと思ったんです。ちょうど勉強が楽しくなっていたものですから。転職はそのあとにしようかな、と。

濱野 :大きな決断ですね。それで、出版翻訳の本格的な学習を始められた。

新保 :と、自分でも考えていたのですが……(笑)。辞めたあと、もともと勤めていた会社から翻訳の仕事の依頼が来たんです。その後も、知り合いの方々から翻訳のお仕事をいただくようになりました。それで、せっかくご依頼をいただけるのだからと、在宅フリーランスで実務翻訳を続けることにしたんです。このころから技術翻訳の勉強会にも参加するようになり、それから5年間はフリーで翻訳の仕事をしながら、実務と出版の勉強を細々と続けていました。

濱野 :まさかの展開ですね。仕事を辞めて出版翻訳の学習に専念するつもりが、フリーランスのIT翻訳者になるとは……。知り合いの方々からの依頼のほかに、翻訳会社に登録して仕事を請け負うこともあったのでしょうか?

新保 :いえ、あくまでもクライントから直接仕事を受注するのが主体でした。ですので、依頼が少なくなる時期もありましたね。フリーランス時代は山あり谷ありではありましたが、時間に余裕があるときは翻訳の学習に集中できたので、それはそれでよかったと思います。

前へ トップへ 次へ