【アメリア】対談の部屋 10-3 世界同時出版に向け、超大作の翻訳に挑む!〜仙名紀&仙名ガールズ奮闘記〜
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対談の部屋
<第10回>  全6ページ
第10回 世界同時出版に向け、超大作の翻訳に挑む! 〜仙名紀&仙名ガールズ奮闘記〜

3.翻訳者仙名紀と仙名ガールズの6人7脚がスタート!


--こうしてメンバーがそろい、実際の翻訳作業はどのようにして進められたのですか?


仙名:まず、僕のほうから参考資料として基本的なデータをみなさんにお配りしました。ひとつは、この本に出てきそうな人名・事件名リスト。ブッシュが大統領になったときに出版された『First Son』という本が手元にあったので、そのインデックスを訳してみなさんに配りました。それから、ブッシュ一族の家系図。これはインターネット検索で見つけました。この5人のみなさんは、サーチがすごく得意なんですよ。これは、翻訳する場合、とくにノンフィクションでは必要条件ですね。ですから、基本的なデータさえお配りすれば大丈夫だと判断しました。

--長編を複数の翻訳者で訳すとなると、用字用語の統一、文体の統一などが大変なのではないでしょうか?

仙名:通常はそうです。ただ今回の場合は、みなさん僕のクラスにいた人ですから、僕の用字用語法を心得ているんです。基本的に僕は、読みやすさに最重点を置いています。そのための工夫として、表記の方法や、漢字とひらがなの使い分けなどがある。これに関して、共通の地盤があったから、大いにやりやすかったですね。

倉田:忘れていて、指摘されたことは多々ありましたが……。

仙名:もちろん、みんながみんな覚えているわけじゃない。「あっ、そういえばそうだった」と思ってくれればいいんですよ。

--翻訳の分担はどのようにしたのですか?

仙名:第1章から、連続して4〜5章をひとまとめにして、宮田さん、倉田さん、上原さん、西川さん、庭田さんの順番でお願いしました。1章ずつ振り分けてローテ−ションを組む方法もありますが、そうすると前後のつながりがわからなくなってしまうので、連続してお願いすることにしました。

--こうして準備を整え、第1稿が届いた5月中旬から翻訳が始まったわけですね。

仙名:そうです。みなさんそれぞれ、チャプター単位で翻訳が終わったら私のところにハードコピーを郵送してもらいました。僕は授業でもそうですが、行間を空けて印刷したものをもらって、そこに赤を入れるんです。赤が入った原稿を各担当者に返送して、その直しを反映させたファイルをコーディネーターの加賀さんにメールで納品するという流れで作業を進めました。最後のほうは、郵便では間に合わずにメールでのやりとりになってしまいましたが。

--授業と同じスタイルだと、みなさんやりやすかったのでは?

西川:お金をいただいて、授業を受けているみたいで、すごく得した気分でした(笑)。


仙名:でも、授業とは比べものにならないくらい赤が多くなる。だから僕は、みんなにうらまれて、噛みつかれるんじゃないか、闇夜に殴られるんじゃないかって、びくびくしていましたよ(笑)。

全員:(爆笑)

庭田:でも、赤を読むと、なるほどな、私の表現はまずかったな、と思いました。

--なかには、この赤はおかしい、と思うこともありましたか?

宮田:正直言って、ありました。「こういう話の流れだから、やっぱりこうなんじゃないかと思うんですけど……」とメールを出したこともあります。

倉田:いろいろと反論は、させていただきましたね。

仙名:そう言ってきてくれるほうが、ありがたいんです。みなさん、何かしら言ってきました。それは、とてもいいことなんですよ。

宮田:先生はけっして怒らずに、きちんと検討してくださるので、お伺いしやすいんです。

仙名:お互い、謙虚にならないとね。こういう仕事で、「何言ってやがる!」と思ってしまうとダメですよね。「ああそうか、こういう言い方があるか」と学ばなくちゃいけない。僕がみなさんから教えられたこともたくさんありました。ときに再反論もしましたが、だいたいは平身低頭、「そうですか。じゃあ、それにしてください」ってね。

倉田:こちらも、100%自信があって反論しているわけじゃないので、再反論を覚悟して先生からのメールを開くと、「では直してください」ということも。先生の懐の深さを感じました。だから、安心して反論ができるんです。
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