【アメリア】対談の部屋 14-1 全米大人気ARGがついに日本初上陸!子どもから大人まで楽しめる 壮大なアドベンチャー・シリーズを訳す
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対談の部屋  
<第14回> 全6ページ

第14回 全米大人気ARGがついに日本初上陸!子どもから大人まで楽しめる 壮大なアドベンチャー・シリーズを訳す     
今回の対談キーワードは「ARG」。
この言葉をご存じの方は、無類のゲーム好きか新しいもの好き、あるいは最近までアメリカに住んでいたか……。
でも、あと1年もすれば日本でも知らない人がいないほどメジャーになっているかも。
そんな可能性を秘めたARGの仕掛け人となった方々が、今回の対談のメンバーです。



三原飛雄馬氏
豊田たみ氏
小浜杳氏
安齋奈津子氏
株式会社メディアファクトリー
商品企画事業部
プロデューサー
株式会社メディアファクトリー
出版事業部
副編集長
アメリア会員
『39クルーズ』
書籍翻訳者 
アメリア会員
『39クルーズ』
Webサイト翻訳者

まずは、今回の企画の火付け役である、株式会社メディアファクトリー商品企画事業部プロデューサーの三原飛雄馬さんに「ARG」について解説していただきましょう。

1.ARG日本上陸前夜。「それって何? 本なの?」

――ARGについて教えていただけますか。


三原:ARGとはAlternate Reality Gameの頭文字を取ったもので、アメリカで始まったまったく新しいタイプのゲーム。ひとことで言うと「体感型のミステリーゲーム」です。例えば、ミステリーナイトと呼ばれる体感型のホテルイベントは日本でもよく行われていますがご存じですか? 宿泊したホテルで殺人事件が起こる。それは俳優が演じているのですが、その場に居合わせたお客様自身が探偵となって推理し、犯人を捜し当てるというものです。それと似たような遊びで、自分自身が主人公となって謎を追っていくゲームを、Webサイトを中心として、さまざまなメディアをミックスして、より大がかりな仕掛けで行うのがARGです。

アメリカでは映画やテレビドラマのキャンペーンの一環として行われる例も多く、Web、メール、ブログ、書籍、テレビCM、屋外看板、アパレル商品など、さまざまな媒体を巻き込んで、既に200タイトル、常時10タイトル以上が実施されています。

実は弊社は2008年春に日本初のARG商品として『名探偵コナン カード探偵団』を発売しました。これは、公式Webサイトとカードゲームを連動させて、ユーザーが探偵となって事件を解決するというゲームです。

そして今回、アメリア会員の小浜杳さんと安齋奈津子さんに翻訳していただいた『サーティーナイン・クルーズ(以下:39クルーズ)』は、弊社の大型ARG企画第2弾であり、本場米国のARGとしては日本初上陸の作品といえます。

――まったく新しいタイプのエンターテインメントなのですね。では、今回出版された『39クルーズ』についてもう少し詳しく教えていただけますか。


三原:書籍型ARGで、本国アメリカとカナダでは2008年9月に発売されました。ちなみに、版元であるスコラスティック社は米国の児童書出版では超大手で、最近では米国でのハリー・ポッターの出版で大成功を収めました。このシリーズのストーリーは、数百年にわたり世界の歴史を操ってきたケイヒル一族の当主が亡くなり、14歳のエイミーと11歳のダンの姉弟は莫大な遺産の相続人候補に指名される、というところから始まります。しかし、遺産を手にするためには世界中に散らばる39の手がかりを探し出さねばならず、2人は世界を股にかけた冒険の旅に出かけることになるのです。

そして第1巻の最後には、「実はこれを読んでいる皆さんもケイヒル一族の血を引いています。主人公たちの最大のライバルはあなたです。あなたも39の手がかり探しに参加して賞金を手にしましょう!」と書かれていて、読者自身も謎解きに参加することができるような仕掛けになっており、実際にアメリカでは賞金として総額10万ドルが用意されているわけです。

書籍の発売と同時期にWebサイトがオープンし、多くの手がかりに関する情報が公開され始めました。それらすべてから情報を得て手がかりを見つけ出していく、というスケールの大きさが魅力で、すでに十数カ国で翻訳出版されており、ブームは米国のみならず全世界的な広がりを見せ始めています。

――こうした最新の情報を、どのようにして入手したのですか?

三原:実は私は、書籍をプロデュースするのは今回が初めてなんです。私が所属する商品企画事業部はカードゲームのような玩具を企画し商品化する部署です。

今回もそもそもは書籍ではなく、何か新しいゲームはないかと探していたところ、アメリカで“ARG”という新感覚ゲームが人気だという情報に行き当たったのです。ARG開発会社のブログなどを日々チェックしていたところ、「39クルーズ」という企画が動き始めているという非常にホットな情報をキャッチすることができました。

ARGに興味を持ち、いずれは日本に紹介したいと思っていた私は、一方で、弊社の書籍担当者に相談を持ちかけていました。この遊びを広めるためには、まずARGとはどのようなものか知ってもらうことが重要ではないかと思い、米国でも多数出版されているARGの遊び方を解説したガイドブックの翻訳出版をしたいと思ったからです。そこで、弊社、出版事業部副編集長の豊田に相談をしていました。

豊田:私はずっと児童書の編集一筋だったので、本のことはわかるけどゲームのことはまったくの素人です。三原からARGの説明を受けたとき、最初のうちは「え、何それ?」という感じでした。

ところが、ちょうど同じくらいの時期に、版権エージェンシーが持ってきた新刊情報の中にARGとおぼしき本の情報があったのです。それが2007年暮れごろだったと思います。

三原:その中に、私がブログで情報を得たばかりの「39クルーズ」があったのです。

豊田:私もですが、その時点では情報を持ってきた版権エージェンシーの方も、おそらくARGがどのようなものなのかよくわかっていなかったのではないかと思います。でも、三原はずっとリサーチを進めていたので、それはもう詳しかった。いっしょに三原のレクチャーを受けて、アメリカではすでにかなりの人気があることを初めて知りました。

三原:私が日々チェックしている情報とドンピシャリの内容だったので、もう速攻で、「ぜひ版権を取らせてください」とお願いしていました。
 
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