【アメリア】対談の部屋 14-6 全米大人気ARGがついに日本初上陸!子どもから大人まで楽しめる 壮大なアドベンチャー・シリーズを訳す
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対談の部屋
<第14回> 全6ページ

第14回 全米大人気ARGがついに日本初上陸!     子どもから大人まで楽しめる 壮大なアドベンチャー・シリーズを訳す

6.言葉遊びやダジャレ連発。どう訳す!?

――書籍の中には、さまざまな謎解きや言葉遊びが出てくるそうですね。翻訳で苦労することもあるのではないでしょうか。

小浜:例えば、一巻の最後の方に、アナグラムが出てきます。試験管のようなものにアルファベットが刻まれているのですが、英語ではない。実はアナグラムになっていて、アルファベットを並べ替えると正しい文章が現れる、というものです。

日本語版では、まず最終的に現れる正しい文章を日本語に翻訳して、それをバラバラにして、アナグラムになるように、カタカナの文章を私が創作しました。

豊田:それから、ダンはよくダジャレを言うんです。地下の墓地に入っていくところ、あのダジャレの翻訳は素晴らしかった! よくできていて、読んだときにぷっと吹き出してしまいました。

小浜:あそこは偶然に、ぴったりとはまる訳が見つかったんです。graveには“墓”という意味と“重大な”という意味があって、ある人がパリの地下墓地に入っていく前に、重大なという意味でgraveという単語を使うんです。それを聞いたダンが、「お墓のgraveと掛けてるの? しゃれのつもり?」と言うシーン。日本語で「墓(はか)」と掛けられる、「重大な」を意味するような言葉はないかなと考えていたら、ふと「はかりしれない」という言葉が思い浮かんだんです。それで、「きみたちには、はかりしれない危険が迫っているのだ」「はかりしれない危険(「はか」に傍点)。お墓とかけた、しゃれのつもり?」としました。

大人の本の翻訳だったら、「重大な」と書いて「グレイブ」とルビを振り、「墓」にも同じく「グレイブ」とルビを振るだけで済ませてしまうと思うのですが、子ども向けの本でそれをしても、わかってもらえないのではと思い、日本語版のダジャレに置き換えました。

でも、全部が全部うまくいくわけではないので、ルビで対応しているところもありますけどね。

――世界の場所や歴史上の出来事が出てきて、それが日本の子どもには難しいというようなことはないのでしょうか?

小浜:あります。むしろこの本は、そればかりです。最初は、訳注を付けようかという意見もあったのですが、それではスラスラと読めなくなってしまいます。結局、訳注はやめて、必要なところは登場人物の会話文や地の文に説明を加えるかたちで、対応することにしました。ただ、モーツァルトやベートーベンなど、調べればすぐにわかるものに関しては、調べてほしいという思いも込めて、そのままにしました。

豊田:物語の中でも、姉のエイミーはよく図書館に行って調べるんです。そういうのを読むと、子どもって真似するんですよね。インターネットも使うけど、まずは実際にその場所に行って、見て、調べて、考えて、最後には姉弟二人で力を合わせて解決する。リアルなワクワク感が広がっていて、それもこの本のお勧め理由のひとつです。

小浜:第3巻は東京が舞台なので、東京の地下鉄や名所など、皆さんもよく知っているところがたくさん出てくるんですよ。訳していて、私もワクワクしました。

三原:Webも現在進行形でどんどん増えていっています。英語版の様々な面白い要素を日本語版でも展開できるよう、現在作業を進めているところです。

安齋:本当に面白いので、私自身ニヤニヤしながら翻訳しています。自分が最初に読んだときにニヤニヤしたところは、子どもたちにもニヤニヤしてほしいし、肝だと思ったところは、同じように感じてほしい。そのためには、どんなふうに翻訳すればいいのか、考えながら訳しています。
調べ物が多くてたいへんではありますが、このストーリーを真っ先に楽しめる醍醐味を味わっているので、とても楽しいです。

三原:日本語版『39クルーズ』の売り上げは好調で、発売後2週間で増刷が決定しました。ARGは、日本で今後ますます注目を浴びてくる分野だと確信しています。海外でも新しいARG書籍が次々と登場し、業界紙ではARG書籍の特集が組まれていたりします。アメリア会員の方にもご協力いただいて、リーディングや翻訳を進め、面白いものをどんどん世に送り出していきたいと思います。

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