アメリア公式ブログ

翻訳者ネットワーク「アメリア」が、
最新情報やアメリア会員の方の
翻訳実績を綴ります♪

少しずつ年の瀬が迫ってきました

年末になると一年のことを振り返るとともに、

いつもより少し広い視野で大きな流れについて考える時間を

持ったりすること、ありますよね

本日はそんな季節にぴったり

河野純治さんが手がけられた歴史ノンフィクション、

『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』をご紹介します。

一四一七年、その一冊がすべてを変えた
(2012/11)
スティーヴン グリーンブラット
商品詳細を見る

舞台はルネサンス前夜、15世紀のイタリア。

トスカナ地方の小さな村に生まれた「ブックハンター」ポッジョは

ローマ教皇の書記官となりヴァチカンの中枢まで上り詰めますが、

教会大分裂によって仕えていた教皇は退位。自身も失職の憂き目に遭います。

しかし、古い時代の人文主義に興味を持っていたポッジョは、

この機会に各地の修道院に眠っているギリシア・ローマ時代の

失われた古典を探す旅に出ます

奇跡的に生き残った書物の写本を広げては読み解き、

筆写していくのですが、その中で紀元前の詩人・ルクレティウスの

「物の本質について」に出会います。突然その姿を現した

古の書の再発見が、世界をルネサンスの大きな流れへ導いていき……

時代が大きく変わる引き金となった一冊の本とひとりの男の遍歴、

そしてその後の影響が小説のようにつづられています。

2011年全米図書賞、2012年ピュリツァー賞を受賞した1冊

河野さんからご献本をいただきまずは冒頭だけ

読ませていただいたのですが、知的興奮とともに詩的、

哲学的な物語を追いかけたく、たちまちぐっと引き込まれました。

続きが読みたいです。

多くの方が手に取られますように

河野さん、これからもご活躍をお祈りしています。

アメリア事務局

中川

今日は「いつかは読んでみたかった日本の名著シリーズ」

全6巻の1つ『代表的日本人』のご紹介です

代表的日本人 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ4)
(2012/11/20)
内村 鑑三
商品詳細を見る

新渡戸稲造『武士道』、岡倉天心『茶の本』とならび

明治期の日本人による英語名著といわれる内村鑑三氏の著作です。

日本史や国語で習いましたかね~

翻訳を手がけられたのは齋藤慎子さん

既に複数の翻訳・抄訳版が出ている『代表的日本人』ですが

「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ」版の特徴は、

“中高生にも読めるように”とにかくとことんまで追求した読みやすさなのだそう。

日蓮、中江藤樹、二宮尊徳、上杉鷹山、西郷隆盛の5傑を

代表的日本人として内村が論じます。明治時代の宗教家、思想家、

文学者内村の見た日本と日本人への考察が読みやすい現代語訳となり

さらに多くの方の手に届けられることになりました

私も『代表的日本人』は未読です…お恥ずかしい

この機会にこれまでの訳と齋藤さんの新訳で読み比べてみたいです。

長年読み継がれる名著たるゆえんといいましょうか、

複数の訳があり読み比べができるなんてとてもありがたいですね。

100年以上前の日本で英語で書かれた書籍が、

海外在住のご経験も豊富な齋藤さんの言葉で現代版になる。

なんだかとても感慨深いです

皆さん、ぜひお手にとって読んでみてくださいね。

齋藤さん、刊行おめでとうございます。

これからもご活躍をお祈りしています

アメリア事務局

中川

いよいよ本格的な寒さですね…鍋とコタツが恋しいです

さて、今日も訳書を2冊ご紹介します

まず1冊目はディズニー史上最も奇妙な“3D”ワンダーランド

唯一の公式ビジュアルブック

フランケンウィニー ビジュアルブック
(2012/12/15)
マーク・ソールズベリー、ティム・バートン 他
商品詳細を見る

翻訳を手がけられたのは映像、出版双方で

活躍されている川岸史さん。

いよいよ来週末公開予定のティム・バートン監督最新作『フランケンウィニー』

同名実写映画が、最新テクノロジーとぬくもりあふれるアニメーションの融合で

“モノクロ3D”長編映画としてよみがえります

ティム・バートン監督にとっては原点ともいえる『フランケンウィニー』の世界観、

スケッチ画、製作の舞台裏…監督のインタビューも充実し、

作品をさらに堪能するための大充実ビジュアルブック。

発売は映画公開同日の12月15日予定。映画と一緒にぜひお楽しみください

そしてもう1冊は元素×芸術が素敵な出会いを果たしたこちら

元素をめぐる美と驚き: 周期表に秘められた物語
(2012/11/22)
ヒュー オールダシー=ウィリアムズ
商品詳細を見る

こちらは松井信彦さん、田淵健太さん、安部恵子さんほかの方による共訳作です。

松井さんから内容も教えていただいたのですが、本書は

一般の方向けの科学書の中でもとりわけ文系色が強い書籍なのだそうです

周期表に並ぶ元素が文化にどのような足跡を残しているか、

全編を通じて有名な本の一説、芸術作品の引用や紹介を交えて

元素に秘められた物語が語られているのだそう

科学のプロフェッショナルによる元素と美をめぐるノンフィクション。

カガクに遠い文系の方も臆せず手にとっていただきたいなぁと思います

アメリア事務局

中川

ぐっと冷え込んでいます

北海道は早くも大雪で停電が続いているエリアもある模様…

ここまで復旧に時間がかかるとは。避難生活を余儀なくされた

皆さまが一日も早く日常の生活を取り戻せますよう願っています。

 

さて。今週28日はJTFの翻訳祭に参加してきました

大盛況のまま幕を閉じた今年の翻訳祭、各セッションも

活気に溢れ貴重なお話が盛りだくさんだったようです。

多面的に翻訳業界を捉え、健全な発展を目指そうという意欲をびしびしと感じる会場でした

 

前置きが長くなってしまいましたが、本日も訳書を2冊ご紹介します~

 

まず1冊目は村山美雪さん&ジュリア・クインタッグ、

初期三部作シリーズの完結編『野に咲く乙女に口づけを』。

 

野に咲く乙女に口づけを (ラズベリーブックス)
(2012/11/09)
ジュリア・クイン
商品詳細を見る

 

記憶に新しい第二作で主人公・ベルと

「一年以内に運命の恋に落ちて結婚する」と賭けをした

当の本人、気ままな独身貴族のダンフォードが主人公。

 

男性張りに屋敷や農場を切り盛りし田舎暮らしをする

ヘンリエッタの後見人として社交界で花婿探しをするため

彼女を淑女へ導くのですが…

まるで『マイ・フェア・レディ』や『プリティ・ウーマン』。

大人で包容力のある魅力的な男性がはつらつとした女性に

惹かれる姿、自信を無くして不安を募らせていく可憐な気持ち。キュンキュンです

 

 

そしてもう1冊は堀江博子さんが翻訳を手がけられた『ホビット 思いがけない冒険』。

 

ホビット〜思いがけない物語〜
(2012/11/10)
J.R.R. トールキン
商品詳細を見る

 

『ロード・オブ・ザ・リング』の物語から遡ること60年。

きらびやかなドワーフ王の館があったエレボール山は巨大な竜にのっとられ、

ドワーフ王とその民たちは辺境の地に追いやられてしまいます

 

ドワーフ王が戻る日を待ちのぞみながらも、竜と戦う勇者が現れずにいました。

そんなある日、ホビットのビルボを冒険につれだそうと誘う魔法使い

ガンダルフが現れ、いつの間にかビルボは冒険に旅立つことになりますが…

 

実写映画の印象的なシーンで構成された大型絵本の本作

まだ映画を見るのは難しい小さな子どもでも要所要所が

おさえられすんなりと世界に入っていけそうです。

ちなみに映画版は12月14日より全国ロードショーだそうです

 

村山さん、堀江さん、ご献本のお心遣いありがとうございます。

ファンの方々にはたまらない世界観の作品のご紹介でした。

ますます多くの方が手に取られますように

 

 

アメリア事務局

中川

本日はユニバーサル・チャンネルにて放映中の

ミステリアスなSFドラマシリーズ『ヘイブン』、シーズン3のご紹介です

本作品の字幕翻訳を手がけられたのは有尾さゆりさんと渡部美貴さんです。

「ヘイヴン -謎の潜む町-」シーズン3

FBI捜査官、オードリーが事件の調査で訪れた町

ヘイブンで数々の超自然現象や不思議なパワーを持つ人々に遭遇。

謎に満ちた“災い”や“秘密”が徐々に明かされる中、

捜査に当たりながらオードリー自身の存在もまた“災い”や“謎”と化していく…

日本では単独刊行されていないスティーヴン・キングの小説、

「コロラド・キッド」をベースとした事件捜査物語。

謎が解けないまま終わってしまうという前代未聞の

傑作ミステリをドラマに移し、物語は迷宮の深みへ

シーズン3ではメインキャラクターたちの真実が

明かされるだけではなく、新キャラクターも登場するのだとか。

不思議な3角関係に留まらず人間関係はさらに複雑に交錯してゆきます

SF感たっぷりの話題作『ヘイブン』、本国では

シーズン4の制作・放送されることが明らかにされたとのこと

今後の展開も目が放せません

今後も有尾さん、渡部さんの翻訳で日本にご紹介されますように…

ますますのご活躍をお祈りしています

アメリア事務局

中川

明日からは3連休、勤労感謝の日は色々サボってゆっくり休みたいですね~

皆さまも良い週末となりますように

 

今日も訳書2冊をご紹介します

まずはパッチワークやキルトにとても造詣の深い大田亜侑さんが

英訳を手がけられた魅惑のキルトの世界

 

Foundation-Pieced Double Wedding Ring Quilts
(2012/09/12)
Sumiko Minei
商品詳細を見る

 

アメリカのキルト専門出版社より刊行された本書、大田さんにとっても

日英翻訳の書籍としては初めての訳書となるのだそうです。おめでとうございます

 

タイトルにもなっているダブルウェディングリングキルト、とは

結婚指輪を象徴するリングが重なり合い永遠の愛を表すパターン

ブライダルキルトとしてよく作られる憧れのキルトなのだそう

 

本書の中にも写真とプロセスがたくさん紹介されていますが、

様々な組み合わせの妙と細やかな手仕事にほぉ~っとため息が

出てしまいます。こうやって作っていくものなのですね~

ちょっと興味がある方は絶対やってみたい欲がむくむくと湧き上がっちゃいますよ。

 

大田さんは長編小説の翻訳にもご興味があるそう。

そちらの分野でもご活躍をお祈りしています

 

そしてもう1冊は辻早苗さんの手がけられたヒストリカル・ロマンス

『偽りのあなたに真実の誓いを』。

 

偽りのあなたに真実の誓いを (ラズベリーブックス)
(2012/11/09)
サラ・マクリーン
商品詳細を見る

 

アマゾンでは早速大満足の読後感をつづったレビューも

ぐぐぐっと引き込まれてしまうのだそうですよ~

 

かつて結婚式直前に婚約破棄された苦い思い出を持つ

28歳の侯爵令嬢ペネロペ。愛ある結婚を夢見る彼女の心の中には

かつて幼なじみで10年前に姿を消した侯爵マイケルがいた。

それぞれにとっての思い出の土地で偶然の再会に喜ぶペネロペだったが…

 

それぞれに過ごした月日で重ねた悲しみや痛みは

二人にどんな変化をもたらしたのでしょうか

忘れられない初恋の人を思い続ける甘酸っぱい恋の展開は…

 

ハッピーエンドがわかっていても、読ませる小説は素直に読んでしまうのですよね~。

作品や作者の魅力が感じられるのは翻訳者さんのお力ですね

 

大田さん、辻さん、またのご連絡も楽しみにお待ちしています

 

 

アメリア事務局

中川

本日は2冊の訳書をご紹介します~

まず1冊目は中世ハイランダー・ロマンスシリーズ三部作の第2作目です

 

ハイランダーの天使 (マグノリアロマンス)
(2012/11/09)
マヤ・バンクス
商品詳細を見る

 

翻訳を手がけられたのは出水純さん。

 

「面白かった~!」のレビューがたくさん見つかる前作、

『ハイランドの美しい花嫁』にも登場した次男アラリックが本作の主人公。

決められた相手に正式に結婚を申込に行く途中で襲撃に会い、

まるで天使のように美しいヒロインに出会ってしまって……

というストーリーです。

 

とにかく男らしいハイランドもののヒーローが、

それぞれのヒロインとの関係にメロメロになる姿にキュンとくる

大人女子が多いのですって

ロマンスって理想の男性像もわかっちゃいますね

 

 

そしてもう1作は贋作にまつわるドタバタコージーミステリシリーズ・第3弾

 

暗くなるまで贋作を (創元推理文庫)
(2012/11/10)
ヘイリー・リンド
商品詳細を見る

 

気になるあらすじはこちらです

 

納骨堂での壁画の修復中に墓場泥棒に遭遇したアニー。

追跡した大学院生から、納骨堂内にラファエロの真作がある

可能性を告げられる。

 

天才贋作師の祖父がかつて贋造した名画だが、

真作はイタリアの国宝で国立古典絵画館所蔵のはず。

調査を始めたアニーは訪問先で死体を発見。

一方贋作師の祖父のもとには贋作撲滅師の手がのびる…

(参考:Amazon.co.jpより)

 

行きつ戻りつするフランクとのロマンス、

贋作撲滅師に追われる天才贋作師のおじいちゃんはドーナル?

今後の展開も気になります

 

読書の秋、本屋めぐりが特に楽しい季節です。

続きが待ち遠しくなるお気に入りを見つけてくださいね

 

出水さん、岩田さん、次回作刊行のご連絡も楽しみにお待ちしています

 

 

アメリア事務局

中川

毎週が明けるごとに冷え込みが厳しくなりますね…

今週は冬物コート&ロングブーツも登場させてしまいました

みなさんは冬支度、お済みでしょうか?

 

さてさて、本日はどちらも本国で話題を読んだ大作DVDのご紹介です

いずれも吹替翻訳を手がけられたのは今井純子さんです!

 

まずは「ミレニアム」シリーズ製作陣が贈るこちら

 

ヘッドハンター [DVD]
(2013/01/25)
アクセル・へニー、ニコライ・コスター=ワルドウ 他
商品詳細を見る

 

背の低さを除く全てを手に入れたヘッドハンター・ロジャーの裏家業は

芸術品を盗むこと。ロジャーはある日、高価な絵画を所有する軍隊出身の

成功者クラスに出会う。最後の裏家業と心に決めてクラスの家に忍び込んだ

ロジャーを待ち構えていたのは、人生最大の危機だった……!

 

超・超話題作の北欧系傑作サスペンススリラー『ヘッドハンター』。

いったいどう話題かといいますと

本国ノルウェーでは興行収入4週連続第1位を飾り、

世界50か国以上での公開、またハリウッドでのリメイクも決定し

さらに話題が話題を呼び10月にアンコール上映まで行われたほど

 

映画館で見た方の大興奮レビューもたくさん見つかります。

見逃してしまった方はぜひDVDで

 

そしてもう1作は『アウェイクニング』。

 

『それでも恋するバルセロナ』や『ザ・タウン』など

話題作への出演が続く実力派女優レベッカ・ホール主演作です

う~ん、不気味なたたずまい。ホラー感たっぷりです

 

アウェイクニング [DVD]
(2013/01/25)
レベッカ・ホール、イメルダ・スタウントン 他
商品詳細を見る

 

第一次大戦後のイギリス。婚約者の死を忘れられないヒロインは

理論的に超自然現象の嘘を暴くことを生きがいとしていた。

ある日彼女の元に寄宿学校で目撃される少年の幽霊を調査してほしいと

依頼が舞い込む。ただのいたずらと判明し学校を去ろうとしたそのとき、

理屈では説明できない身も凍るような出来事に遭遇する

徹底的な調査で亡霊に向き合ううち、ヒロイン自身の心に眠るある記憶に辿りつくが……

 

怖いだけじゃない、見ごたえのあるサスペンススリラー&スーパーナチュラルホラー。

2作ともDVD発売は1月25日です。お楽しみに

 

今井さん、これからもご活躍をお祈りしています

 

 

アメリア事務局

中川

本日は、中華映画のDVD&ブルーレイのご紹介です

いずれも木村佳名子さんが手がけられた作品です。

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件 [DVD]
(2012/10/12)
アンディ・ラウ、リー・ビンビン 他
商品詳細を見る

こちらは以前ご紹介した劇場公開作品のDVD版。

中華圏の大スター、アンディ・ラウが大活躍。

ダイナミックなアクションと展開で映画を見る興奮と

楽しさがストレートに味わえる痛快作です

捜査官X [DVD]
(2012/11/02)
ドニー・イェン、金城武 他
商品詳細を見る

山奥ののどかな村で指名手配中の凶悪犯と遭遇した職人が

正当防衛で彼を殺してしまう。悪人を退治したことで英雄扱いされるが、

事件の捜査官は職人の隠された過去にたどり着く……

こちらはハリウッド映画にも出演するドニー・イェンと

金城武さんのダブル主演です。濃い、豪華

『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』では

字幕翻訳をご担当、『捜査官X』では吹替翻訳をご担当されました

ちょうど先日、学生時代に足繁く通った早稲田松竹さんでも

こちらの2作が上映されていました~

残念ながらこのタイミングを逃してしまった私……

DVDで堪能します。

昨日は中国共産党の総書記交代のニュースが新聞の一面を飾りましたね

何かが大きく変わろうとしているのでしょうか。

連日報じられる日中間の政治・社会面の影響は

生活の様々な場面で少なからずあるものの、

文化の交流は脈々と続いているのだと励まされます。

木村さん、これからも中華圏の作品の魅力を教えてください

またのご連絡も楽しみにお待ちしています。

アメリア事務局

中川

北海道では例年雪が降る時期なのにまだ降っていないという

ニュースを見ましたが、今年は暖冬傾向にあるようですね。

と思いきや、今日から冷え込むという噂も。今年も冬が近づいているのでしょうか

さて、今日は書籍を2冊ご紹介します

まずは安齋奈津子さん、笹森みわこさんほか数名の方で共訳を手がけられたこちら。

エリック・クラプトン全記録
(2012/09/27)
クリス・ウェルチ
商品詳細を見る

その昔、ロンドンでギターの神と落書きされたというクラプトン

音楽に疎い私は“Tears in heaven”を知ってから

聴き始めたのですが、あまり詳しくない方でもクラプトンの曲を

一曲も聴いたことない! という方は少ないかもしれませんよね~

本書は全記録と銘打つだけあり、クラプトンの音楽、

人生の今と昔がぎゅっと詰まったとーっても豪華な1冊。

ファンの方、必読です

そしてもう1冊は大友香奈子さんが手がけられた『マッドアップル』

マッドアップル (創元推理文庫)
(2012/09/27)
クリスティーナ・メルドラム
商品詳細を見る

大友さんからはご献本もいただいたのですが、

手にしてすぐに何層もの意味を感じてしまう

とっても印象的なタイトルと表紙にぐっと惹きつけられます

全米図書館協会ベストブックにも選ばれた本書は著者のデビュー作。

大友さんのあとがきを拝見すると、著者自身が信じ、大切だと

信じている主題、“自然と科学と宗教と神話の相関関係”について

書きたかったといいます。事実、「人間の本質と神の介在」や

「人間の魂の最も暗い部分」を探求した作品として様々な場所で

高く評価されているのだそう

処女懐胎を想起させる序章に誘われ、ミステリアスな雰囲気に

呑み込まれていく感覚にさらなる期待をかきたてられ、ページを繰る手がとまりません

どちらもぜひ多くの方が手に取られますように。

安齋さん、笹森さん、大友さん、これからもご活躍をお祈りしています

アメリア事務局

中川

今日は幅広い層からアツイ支持をうけるDVD・2作のご紹介です。

今井由美子さんほか複数名の方が字幕翻訳を手がけられた人気シリーズ

明日11/9リリースとのことです

ビバリーヒルズ青春白書 シーズン9 コンプリートBOX Vol.1 [DVD]
(2012/11/09)
ジェニー・ガース、ルーク・ペリー 他
商品詳細を見る

ビバリーヒルズ青春白書 シーズン9 コンプリートBOX Vol.2 [DVD]
(2012/11/09)
ジェニー・ガース、ルーク・ペリー 他
商品詳細を見る

今井さんは26話中、8話をご担当されたのだそう。

メンバーの入れ替わりや事件の発覚など新たな展開に

見始めると止まらないシリーズですよね

本国でも90年より10年間にわたり放映されていましたが

当時見ていた方もDVDで新たに出会う方も釘付けにしてしまう愛され続けるビバヒル

翌週の放映を待たずに続けて見られるDVDはなんだかお得な気分です

そして映画公開時にも話題を呼んだこちら

映画「フラメンコ・フラメンコ」 [DVD]
(2012/10/17)
ドキュメンタリー映画
商品詳細を見る

字幕翻訳を手がけられたのはもちろん渡部美貴さん。

DVDの真っ赤なパッケージも鮮烈な印象を残しますね。

「背景に大きな絵画が使われているのですが、

その前で踊るバイラオール(男性舞踊家)や

バイラオーラ(女性舞踏家)が絵画の一部になるような

演出はすばらしく、見ごたえがあります。」

と渡部さん。まさに目の愉悦です。

映画館で見逃してしまった方も、ヴィットリオ・ストラーロの映像美を

とくとご堪能あれ

今井さん、渡部さん、またのご連絡も楽しみにお待ちしています

アメリア事務局

中川

今年も残すところあと、2ヶ月。妙に焦り始める季節になりましたが

みなさん、今年やりたかったことは全部実現できましたか

あれもやってない、これもできてない…となんだかモヤモヤしてしまった方に

ぴったりのノンフィクションをご紹介します

スタンフォードの自分を変える教室
(2012/10/20)
ケリー・マクゴニガル
商品詳細を見る

スタンフォード大学で大評判を呼んだ「意志力」の講座を完全書籍化した

アメリカのベストセラーである本書。翻訳を手がけられたのは神崎朗子さんです

私もじっくりと読ませていただいているのですが、

ぐさぐさと思い当たることばかり…例えば

・しようと考えただけで、した気になってしまう

・人は「まちがった衝動」を信用する

・エコ活動が罪悪感を鈍らせる

・「あとで取り返せる」と思っていないか

・つねに「将来の自分」を過大評価している

…どうでしょう?

私は学生の頃(いまも…)倫理観から、また理性的に「正しい」

ことへの反発(「ダメ」も人間らしさでしょ!という具合に)から

自堕落をずるずると許し続けた記憶があります

ただ、それは本当に自分が望んでいることなのかなと問い始めるとすごくドキっとして……

本書は自分自身の意志の弱さに向き合い、科学的な観点から

「意志力」を磨き、なりたい自分になるための実用的なノンフィクション。

といっても堅苦しくはなく、「シンプルでわかりやすい説明や、

親しみやすくウィットに富んだ語り口に、ひとの痛みや悩みに寄り添う

著者の姿勢を感じました」と神崎さんが仰るように

教育者としての素敵な著者の姿やなりたい自分に変われた受講生たちの

喜びの姿、熱気あふれる講義も想像できる、誠実でアツイ本です

自分に厳しいこと=意志力が強いということではないのですね。

冷静に行動を選択する自分を育てることで、これからの自分がより楽しみになってくるはず

神崎さん、ご献本と詳しいお話もお寄せいただきありがとうございました。

とても評判を呼んでいて早くも増刷がかかっているという本書、

さらに多くの方が手に取られますよう願っております

アメリア事務局

中川

今日はこの秋一番の冷え込みだそうです…風が身にしみます

温かいお鍋が恋しくなりますね

さてさて、本日は人気シリーズ2作をご紹介

まずは田辺千幸さんの手がけられている『トゥルーブラッド』。

トゥルーブラッド11 遺された秘宝 (ソフトバンク文庫)
(2012/10/19)
シャーレイン・ハリス、Charlaine Harris 他
商品詳細を見る

数々の困難、友情や恋模様にもハラハラが止まらない

パラノーマルロマンス、『トゥルーブラッド』。

不穏な殺伐とした雰囲気に包まれた11巻、物語も大きく動き出します

長く愛されているこちらのシリーズも、いよいよ結末が近づいてきているのでしょうか

早く先が知りたいような、芯の強いスーキーをまだまだ見ていたいような…

とにもかくにも続きが待ち遠しいです~

そしてもう1冊、ミステリ作家、エージェントが集う

パーティ会場での上質な犯人探しミステリ

ミステリ作家の嵐の一夜 (創元推理文庫)
(2012/10/30)
G・M・マリエット
商品詳細を見る

翻訳を手がけられたのは吉澤康子さん。

吉澤さんからはご献本もいただきました。ありがとうございます

超売れっ子ながら鼻持ちならない性格の若手作家。

その成功を祝うパーティで起きた密室の惨劇にセント・ジャスト警部が挑みます

「嘘をついて生計を立てている」作家たちは誰もが

怪しすぎる容疑者。巧みな伏線と人間味たっぷりの

会話に欧米の出版事情が織り交ぜられた上質なミステリは

読み応えたっぷり。夢中で読みふけってしまいます

田辺さん、吉澤さん、続刊のご連絡も心よりお待ちしています

アメリア事務局

中川

すっかり秋ですね

事務局はパソコンとスタッフの熱気で半袖でもいいくらいのあたたかさを感じますが

一歩外に出ると冷えますね

さて本日は木村佳名子さんの字幕作品をご紹介いたします

ただいま開催中の東京国際映画祭「アジアの風」部門で

明日25日と27日に上映される予定とのこと。

『老人ホームを飛び出して』

上映予定

10月25日 14:20~

10月27日 16:40~

作品の詳細はコチラをご覧ください。

木村さんからこんなコメントをお寄せいただきました

平均年齢80歳、合計年齢3000歳越えともいう、

往年の名優が大集結したヒューマン・コメディ。

笑えるだけでは終わらない“老人版・青春ロードムービー”です。

「老い」についてだけでなく、

「限られた命の生き方」についても、受け取るものの大きい映画でした。

多くの方に、ティッシュ持参で

(ハンカチだと、とめどない鼻水を持て余します。私だけ?)

ぜひご覧頂きたいです。

主演は『古井戸』の監督でもある呉天明(ウー・ティエンミン)。

個人的には、モンゴル族の名女優、斯琴高娃(スーチンカオワー)が

歌声とともに顔を見せてくれたのが嬉しかったです。

作品への愛情が伝わってきますね

私の大好きな作品『初恋のきた道』のおばあさん役のリー・ビンも本作品に

登場しているようです。

ハートフルな雰囲気あふれる本作品、気になります

木村さん、お知らせいただきありがとうございました。

今後のご活躍も楽しみにしております

アメリア事務局・入江

ちょうど今月、ノーベル賞受賞者が発表されていましたね。

山中教授の受賞に沸き、村上春樹さんの受賞を願い…

とても身近な話題に感じるようになってきました

本日ご紹介する書籍は、昨年のノーベル平和賞受賞者

リーマ・ボウイーさんの自伝です。

祈りよ力となれ――リーマ・ボウイー自伝
(2012/09/18)
リーマ・ボウイー、キャロル・ミザーズ 他
商品詳細を見る

翻訳を手がけられたのは、東方雅美さん。

東方さんからはご献本とともにコメントもいただきました。

ありがとうございます

翻訳者の方ならではのお言葉、こちらでもご紹介させていただきます。

 昨年ノーベル平和賞を受賞したリーマ・ボウイーさんの自伝です。

 普通の女性が平和運動のリーダーとなり、14年も続いた内戦の終結に

 大きな役割を果たす、という物語です。

 自伝とはいえ決してきれいごとが書かれているのではなく、

 プライベートな面での葛藤も素直に描かれており、

 筆者がどんな思いで平和運動を進めてきたのかがよく分かります。

 また、「内戦下で生きる」とはどういうことなのか、

 平和な日本では想像し得ない具体的な様子がよく伝わってきます。

 平和問題を考える上でももちろん参考になりますし、

 一人の女性のストーリーとしても興味深く読んでもらえるのではないかと思います。

本書のAmazonレビューでも、偉業を成し遂げたのみならず、

日常を闘う1人の女性の姿が読者の方の心に響いたというメッセージがありました

東方さんよりお知らせいただいた前後にちょうどボウイー氏のお名前を

ニュースで見かけたばかりだなと思っていましたら、

つい先日リベリアの大統領の収賄や縁故採用の横行を批判し政府の役職を

辞任されたのだそうです。

平和は必ず訪れる。

そのための不断の努力を続ける強い意志をもった女性の言葉は

きっと多くの方にとって力強いエールとして響くはず

ぜひ手にとってご一読ください。

アメリア事務局

中川

朝は晴れていましたが、しとしと雨模様となりました

たまーに空振の日もありますが今日は傘とレインブーツが役に立ってちょっと嬉しいです

 

さて、今日は2冊の実用書のご紹介です。

まず1冊目は亀田佐知子さんが手がけられた専門書

 

心理療法ガイドブック
(2012/09/20)
G.アマダ
商品詳細を見る

 

スペシャルコンテストで見事採用となり、この度刊行の運びとなったそうです

とても嬉しいご連絡です。おめでとうございます

 

亀田さんからはコメントもいただきましたのでご紹介させていただきます

 

 「心理療法とはなにか」から「心理療法はいつ終わるのか」まで、

 心理療法に関する素朴な質問に丁寧に答える文字通りのガイドブック。

 

 これから心理療法を受けたいと思っている人にとっては

 優れた心理療法家に出会うための道しるべとなろうし、

 心理療法の専門家にとっては、心理療法についての考えを改めて

 整理する上で格好のガイドとなっている。

 

定形があるようでもあり、ないようでもある「心理療法」。

自分自身や身近な人が心理療法の助けを借りたいときに

どのような心積もりでいればよいのかも教えてくれそうなガイドブックです

 

そしてもう1冊は面白い切り口のこちら

 

橋の形を読み解く (GAIA BOOKS)
(2012/09/10)
エドワード・デニソン、イアン・スチュアート 他
商品詳細を見る

 

翻訳を手がけられたのは桑平幸子さん。

 

2年前に桑平さんが翻訳を手がけられた『テキスタイルパターンの謎を知る』に続く

「How to read」シリーズの1冊なのだそうです。

 

普段はなかなか意識しない橋。

通るときには全体像が見えないものですが、よくよく

考えるとある場所と場所を結ぶ重要な建築物ですよね

 

紹介される世界中の橋は美しい形ばかりで、

桑平さんも写真を眺めながらゆったり楽しく翻訳を

手がけられたのだとか。旅気分も味わえるビジュアルブックです~

 

目的があって初めて手にすることが多い実用書。

こうして皆さんからお知らせいただいて、書店で手にとると

1冊1冊の密度や情報の豊富さに思わず引き込まれてしまうことも

少なくありません。本てすごいなーと、じわーっと感動してしまいます

 

亀田さん、桑平さん、ご連絡ありがとうございました

これからもご活躍をお祈りしています

 

アメリア事務局

中川

山北めぐみさんが翻訳を手がけていらっしゃる

かわいいおさるさん、ジョージが奮闘するこちらのシリーズ。

好評続刊のご紹介です~

アニメおさるのジョージ いかだにのって
(2012/09/26)
マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ
商品詳細を見る

川岸のいかだでアヒルにエサやりをしていたジョージが、

川に流されて漂流。迷子のジョージは、アヒルの形をした

大きな岩や、交差した木、太陽が沈む方角などを目印に

地図を書き、元いた農場への帰り道を考えます

アニメおさるのジョージ オタマジャクシは カエルのこ
(2012/09/26)
マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ
商品詳細を見る

ジョージは飼っていたオタマジャクシを泳がせようと、湖に放します。

でも全然帰ってきません。別の日、ジョージは湖でオタマジャクシに

足が生えた生き物を発見。それが成長すると、カエルになることを理解します

(参考:金の星社公式サイトより)

そういえば、初めて足がはえている

オタマジャクシを見たときはびっくりしたなぁ…

小さい頃のことを思い出してほんわかしてしまうシリーズです。

半世紀にもわたり世界中の子どもたちに

愛され続けているおさるのジョージ

絵本だと小さいお子さんでも自分のペースで

読めるのも嬉しいですね

11月末頃にも続刊が刊行予定とのこと。

またのご連絡も楽しみにしています~

アメリア事務局

中川

本日は川岸史さんが今年の上半期に手がけられた

吹替翻訳作をどどどーんとご紹介いたします

 

まずはテレビ放送シリーズから

 

武器や軍隊を紹介するノンフィクション

「ミリタリー大百科2」

2012年2月からディスカバリーチャンネルにて放送、4話分担当

 

ユーモアたっぷり人気お料理番組

「ナイジェラ・キッチン」

2012年4月からD-lifeにて放送、5話分担当

 

全世界の新聞で連載されたギネス記録を持つ大人気アニメ

「ガーフィールド・ショー2」

2012年9月からカートゥーンネットワークにて放送、26話分担当

 

そしてもう2作品はDVDです

 

10/2より発売中

 

フェイシズ [DVD]
(2012/10/02)
ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジュリアン・マクマホン 他
商品詳細を見る

 

ミラ・ジョヴォヴィッチがシリアルキラーに挑むサスペンススリラーです。

 

自身も被害者になりかけ、犯人を目撃しながらも事件をきっかけに

ショックで顔が判別できなくなってしまった小学校教師・アンナ。

彼女の証言だけが頼りだが、捜査は一向に進まない。そんな中、さらに被害者は増えていく。

家族や恋人の顔さえわからなくなったアンナに忍び寄る犯人の影……はたして、犯人の正体は

 

11/2発売

 

コナン・ザ・バーバリアン [DVD]
(2012/11/02)
ジェイソン・モモア、レイチェル・ニコルズ 他
商品詳細を見る

 

パルプフィクション作家のロバート・E・ハワードが80年前に生み出した

幻想冒険物語のアイコン、「コナン」。男らしさ、冷静さ、タフで破格の

戦闘力を持つ理想のヒーローとして様々なインスピレーションを与えてきた

「コナン」カルチャーに基づいた映画作りに挑んだ意欲作なのだそう

(元K-1ファイターのボブ・サップも出演←公式サイトより!)

 

 

おぉ~こうやって並ぶと壮観ですね

ドキュメンタリー、サスペンス、アクション、ドラマ、アニメ…

とーっても幅広くご活躍中の川岸さん

またのご連絡も楽しみにしております

 

 

アメリア事務局

中川

『冥闇』

2012-10-11

だいぶ秋らしくなりました。過ごしやすい季節、夜更かしもしやすくて困りますね~

本日は話題のミステリのご紹介です

冥闇 (小学館文庫)
(2012/10/05)
ギリアン フリン
商品詳細を見る

本作の翻訳を手がけられたのは中谷友紀子さん。

大好きなミステリでの初めての訳書だそうです

このようなお知らせ、事務局スタッフもとても嬉しいです。

本当におめでとうございます

米国ベストセラー作家、ギリアン・フリンの第二作目となる『冥闇』は

幼い頃に母と姉二人を兄によって惨殺されるという衝撃的な事件に

見舞われた少女の、その後を描いたダーク・ミステリです。

悲劇の少女として、善意の人々からもらった寄付金で無気力な

生活を送ってきた主人公リビー。31歳になり、とうとう寄付金が

底を突き始めたとき、有名事件の真相を語り合う「殺人クラブ」に招かれます。

リビーは謝礼金目当てに、過去の闇を振り返りはじめるのですが……

私も読ませていただいているのですが、リビーの語りの合間に

挿まれる母親パティと兄ベンの物語もやるせない思いでいっぱいになります

サタニズム思想への恐怖、田舎町の閉塞感、抜け出せない日常、若さと貧しさ。

人はいったいどれだけの切なさや悲しみを抱えられるのでしょう…

打ちのめされるような気分も味わいつつ、早く続きが読みたいです

中谷さん、ご献本いただきありがとうございます。早速堪能しております

次回作のご連絡も楽しみにお待ちしています

アメリア事務局

中川

3連休、いかがお過ごしでしたか

わがやの近所の中学校では体育祭があったようで、通り過ぎたときには

応援団が相手へエールをおくっていました。当時は当たり前に思っていましたが、

改めて聞こえる大きな応援の声に温かい気持ちになりました

さて、今日は期待度大の小説2作のご紹介です。

いずれも発行はエンジン・ルーム。Fさん、ご献本しかと拝受しております

いつもありがとうございます

まずは笹山裕子さんが翻訳を手がけられた『シスター』。

多数の訳書やご実績をもつ笹山さん、文藝ミステリは

初めて手がけられたそうなんです

シスター
(2012/09/15)
ロザムンド・ラプトン
商品詳細を見る

シナリオライターとして活躍していた

ロザムンド・ラプトン女史、衝撃の小説デビュー作。

…と書くと陳腐ですが、とても魅力的な小説です。

あのジェフリー・ディヴァーも大絶賛の文藝ミステリは、

最愛の妹の失踪を探る、姉の物語。愛しい妹に語りかけながら

自分の、そして妹の愛や記憶や足どりを一つ一つ、手繰り寄せて

つむぐ主人公=姉の言葉はまるで息遣いまで聞こえてくるよう

私も拝読させていただきましたが、真相に近づく足跡が

少しずつ見え隠れし期待や予感をくすぐられ、ぐんぐん

引き込まれてしまいました。妹と姉の身体的な、精神的な、

心理的な距離感てこういうものなんだ、と物語にすーっと

吸い込まれ、実に充実した読書体験でした

そしてもう1冊は宮崎晴美さんが手がけられた『バビロンの魔女』

こちらは本格的な考古学冒険ミステリーです

バビロンの魔女
(2012/09/15)
D・J・マッキントッシュ
商品詳細を見る

宮崎さんは本書でミステリ翻訳者としてデビューされました

かねてよりミステリーやロマンスの翻訳を希望されていた

宮崎さん、数少ないチャンスをしっかりと掴まれて

本当に素晴らしいです。刊行、おめでとうございます

2003年、イラク戦争の陰で起きていた美術品窃盗の国際犯罪集団と

遺跡発掘を糧とする考古学者とのあいだの命がけのたたかい。

このとき密かに持ち出された“失われた旧約聖書の原本「ナホムの石版」”を

めぐり繰り広げられる危険な冒険ミステリーです

メソポタミア文明、古美術、古代史……古より綿々と続く

営みに思いを馳せていくうちに、現代を生きる私たちの姿も

浮き上がってくるのかもしれませんね。頭も心も揺さぶられそうです。

2冊とも、リーディングスタッフの募集をきっかけに翻訳を

手がけることになったのだそう。Fさんの翻訳者さんを見抜く目と

こだわりの本作りのお話にはいつも感激してしまうのですが、

書籍もずっしりした重厚感とこだわりの表紙で本を手に取る喜びを感じます。

各書店さんでも目立つところに面置き、平積みがどどーんと

ぜひ手にとってじっくりご堪能ください。

アメリア事務局

中川