アメリア会員インタビュー


金成 希さん

第105回

塾講師や会社員として20年以上勤め、4年前にフリー転身バレエダンサーや俳人としての顔も持つ出版&実務翻訳者金成 希さん

Nozomu Kanari
フリー転身後は年に2〜3冊の本を上梓 出版と実務をバランスよく受注

濱野 :今日のゲストは、出版と実務翻訳の両方でご活躍中の金成希さんです。実務翻訳では、一般的なビジネス文書から原子力関連まで多様なジャンルをカバー。また、出版分野の訳書はとても個性豊か―『分解してみました』(2015年刊、パイインターナショナル)といった写真集、『音が出るしかけ図鑑 ジャングルのいきもの』(2014年刊、学研教育出版)などの図鑑、辞書、絵本……。さらに、ブログやプロフィールを拝見したところ、俳句やバレエなど幅広い趣味もお持ちとのこと。今日は盛りだくさんの内容になりそうです。お忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。

金成 :こちらこそ、呼んでいただいてありがとうございます。ただひとつだけ訂正させていただくと(笑)、自分としては俳句やバレエは趣味という感覚ではないんです。バレエは週に3〜4日レッスンに通い、俳句のほうも月に4〜5回は句会に参加しています。お金こそもらってはいませんが、自分ではプロくらいの気持ちで本格的に取り組んでいるんですよ(笑)。

濱野 :すごい……。ということは、フリー翻訳者でありながら、ダンサーであり俳人でもあるということですね。お話を聞くのがさらに楽しみになりました! では、ダンスと俳句のお話はあとでじっくりお伺いするとして(笑)、まずは翻訳についてお聞きします。フリーになったのは4年前ですよね?

金成 :はい。大学卒業後は、学習塾や建設コンサルタント会社などに20年あまり勤務しました。会社在籍中から翻訳の学習や仕事を少しずつ始め、2011年にフリーランス翻訳者として独立しました。

濱野 :出版と実務の両方の分野でご活躍ですが、現在のお仕事の割合はどれくらいですか?

金成 :平均すると、実務が6割、出版が4割くらいでしょうか。出版翻訳のほうは、フリーになって以降、年に2〜3冊ほど訳しています。

濱野 :それは順調ですね。ただ、出版と実務の仕事が重なって困ることはありませんか?

金成 :もちろん重なることもありますが、困るほどではありません。実務の仕事は1週間〜1カ月という短い納期の仕事が多いので、スケジュールや仕事量は調整しやすいんですよ。出版翻訳のお話をいただいたときには、なるべく実務のほうをセーブするようにしています。