
岡田 :本日のゲストは映像翻訳の世界でご活躍のフリー翻訳者、亀井玲子さんです。映画やドラマ、アニメの吹き替えや字幕翻訳の作品を多数手がけられ、代表作に「パーフェクト・センス」(吹替)「リベンジ シーズン2、3」(吹替)「プリティ・リトル・ライアーズ シーズン4、5」(字幕)があります。亀井さん、今日はお忙しいなかをありがとうございます!
亀井 :いえいえ、おかげさまで忙しいというか、慌ただしい毎日です。
岡田 :亀井さんがフリーでお仕事をされるようになったのはいつ頃ですか?
亀井 :2010年から独立しました。長い間、フェロー・アカデミーで映像翻訳の勉強をしながら翻訳の仕事はしていましたが、翻訳1本にするタイミングをみはからっているうちに10年以上たってしまい……。そろそろかなと決心し、他の仕事を辞めて独立したのが4年前です。フェローに入ったのは1998年ですね。
岡田 :独立されてからは順調にお仕事を?
亀井 :しばらくはナショナル・ジオグラフィックやディスカバリーチャンネルなどのドキュメンタリー作品、リアリティショーの翻訳チェック、ボイスオーバーの仕事が中心でした。2年ほどしてからドラマや映画、アニメの吹替翻訳、昨年からは字幕の仕事も入るようになりました。今はドラマやアニメのシリーズが多いですね。
岡田 :なるほど。シリーズのお仕事はたしかにお忙しくなりそうです。ドラマとアニメは内容的にだいぶ異なっていそうですが、翻訳する上ではいかがですか?
亀井:アニメはセリフが独特で、いかにもアニメというか、アニメらしく仕上げる必要があります。悪役や正義役があって、人を諭す場面が出てきたり。ある程度わざとらしく、けれど自然におもしろく訳す工夫が必要です。ドラマはいかに自然な日本語にするかという部分が勝負ですね。それぞれ向き合い方が違いますが、それぞれの魅力があっておもしろいです。
岡田 :切り替えも大切ですね。アニメやドラマでご自分の翻訳スイッチが変わったりするんですか?
亀井 :〆切りがかぶることが多く同時進行なので、いやがおうにも切り換えなければ、という感じで……。ひどいときには4種類、5種類ほどを同時進行することもあるんです(笑)。
岡田 :4種類、5種類とは驚異的な同時進行ですね! では今日はその充実したお仕事の進め方をじっくり聞かせていただきたいと思います!
|