
岡田 :本日のゲストは長年の会社員生活をリタイア後、産業翻訳の分野でお仕事をされている山田二三夫さんです。2年前、40年近い会社員生活にピリオドをうち、フェロー・アカデミーのフリーランスコースに通学。現在もマスターコースで翻訳の腕を磨かれています。今では安定した数の仕事をこなされる山田さん、産業翻訳の仕事のスタートはいつごろですか?
山田 :一昨年の12月に翻訳会社に登録し、昨年の3月から依頼をいただくようになりました。途中、2、3ヶ月ほど依頼のないときもありましたが、9月からは月に3、4件のペースでいただいています。ようやく先発ローテーション入りしたような感じです。
岡田 :リタイア後、さほどお時間を要さずに順調にお仕事を進められていますね。産業翻訳ということですが、具体的にどのような内容のお仕事ですか?
山田 :いろいろありますが、通常のビジネス関連の内容から国際入札の契約書や仕様書、守秘契約、コンプライアンス関係や持続可能性関連などの英日翻訳です。翻訳するたびに新しいことに触れ、無数に学ぶべきことを実感できて楽しみながら仕事をさせていただいています。
岡田 :なるほど。ビジネスの現場の知識が必要とされる分野もありますね。会社員時代にもかなり英語を使うお仕事をされていたんですか?
山田 :私は商社の三井物産(株)に勤めていたんですが、入社後10年ほどしてサウジアラビアに転勤になり、最終的に5年半ほど赴任していました。当時は毎日が英語漬けでしたから、そこで身につけたものは大きいと思います。
岡田 :サウジアラビアですか、石油大国ですね。やはり石油関係のお仕事を?
山田 :石油化学プラントにも関係したことはありますが、私は主に電力プロジェクトの仕事でプロジェクトマネージャーをしていました。商社のプロジェクト部門は電力、ガス、水道などインフラを固める仕事が中心なんです。政府の外部機関で水道や電力、輸送といったものを扱う公社や企業などが依頼主となり、コンサルタントを通して国際入札されるのが一般的でした。今、翻訳の依頼で国際入札関連の書類を見ると、若い頃の現場での経験や光景がよみがえって懐かしくなります。いろいろと思い出して、ハッピーな気持ちになりますね。
岡田 :サウジアラビアの電力プロジェクトマネージャーとは、責任重大なお仕事ですね!
山田 :大きな仕事でした。40年近い会社員時代、さまざまな業態のビジネスを経験させてもらったおかげで、今現在、産業翻訳という仕事を楽しくやらせてもらっている実感があります。翻訳を通じてこれまでと違う世界が広がり、知識欲を刺激される毎日です。
岡田 :豊かなキャリアを活かして、新しい世界へはばたいたのですね。
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