持込成功の秘訣
File.018
第1回 行動しなければ始まらない
年に一度の海外書店巡りで胸を打つ作品を探す代田亜香子さん
Akako Daita

持ち込みできる本を探すため、代田さんがNYを訪れたのは1999年のことだ。

「海外の書店の雰囲気を実感したかった。最初は、単純にそれだけだったんです」

そして、このNYのとある本屋で、運命の1冊と出会うことになったのだ。

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翻訳家になりたいと、勤めていた会社を辞めて翻訳学校に通い始めたのは1996年のこと。

「でも、授業は週に2回。期が変わる時にはたっぷり1ヶ月の休みがあったりで、とてものんびりとしたペースでした。会社員時代にはできなかった習い事を始めたりして、翻訳以外のことで結構忙しかったです(笑)」

そのまま、のんびり過ごしていたら、翻訳家代田亜香子は生まれなかったかもしれない。次のステップで、代田さんの転機が訪れる。翻訳学校の上級クラスを修了し、そのあとに通いはじめたのが翻訳家金原瑞人氏が講師を務める勉強会だった。

「授業は月2回でしたが、とにかく課題の量が多かった。それに月に1本のレジュメ提出というノルマもありました」

にわかに忙しくなった毎日。習い事も減らし、多くの時間を翻訳に費やすようになっていった。そして、思いついたのがNY行きだったのだ。

金原氏の講座に通い始めた頃、下訳の仕事をもらうようになっていた。のんびり過ごしていた時と違い、“自分の好きな本を自分で訳して出版したい”という気持ちが芽生えていた。

「NYに行けば何とかなるとは思っていませんでした。でも、行かなきゃ何も始まらないとは思いましたね」

そして1999年12月。代田さんは初めてNYに向け海外書店巡回の旅に出た。

「どうやって探すかは、特に考えていませんでした。適当に、行き当たりばったりですよ(笑)。まず、バーンズ&ノーブルなど大型チェーン店に行きました。それから有名な古い本屋さんも。このあたりは事前に少し下調べをしましたが」

滞在期間は1週間。半日を本屋で過ごし、市内観光も少し。夜はミュージカルも楽しんだ。

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