【アメリア】Flavor of the Month 103 遠藤 康子さん
読み物
Flavor of the Month
<第103回>  全5ページ
英会話と日本語の講師から 翻訳に夢をシフト

濱野 :10年ほど前からリーディングの仕事を始め、その後に出版翻訳者デビュー、さらに実務の仕事も……。翻訳のための学習はいつ頃から始められたんですか? 何か翻訳に目覚めるきっかけはあったのでしょうか?

遠藤 :学校の勉強としての英語は大嫌いだったのですが(笑)、中学生時代から洋楽や洋画にハマって、語学にはかなり興味があったんです。名画座に入り浸り、チャップリンからイタリアの古い名作、ハリウッド大作までなんでも観ていました。その後、いったんは普通に就職したのですが、一度海外で生活してみたい、英語を使った仕事がしてみたいという想いが強くなって、お金を貯めて、20代半ばで1年間の語学留学でカナダに行くことにしました。

濱野 :それで帰国後、念願の英語を使ったお仕事に?

遠藤 :もともと大の読書好きだったので、「翻訳でもやってみようかな」という軽い気持ちで留学後に通信講座を受けはじめたのですが、まったく歯が立たなくて挫折。結局、英会話学校に就職して、講師をすることになりました。そこで外国人の先生方と触れ合ううちに日本語教育にも興味を持つようになり、養成講座に通って資格を取り、日本語講師としても働くようになったんです。

濱野 :興味の幅がどんどん広がっていったんですね。講師の仕事を続けることはお考えにならなかったのでしょうか?

遠藤 :もちろん考えました。実は、アメリカでの日本語講師の仕事の話もあったのですが……。ただその頃、ちょうど結婚して子供が生まれたんです。さらに、夫がオーストラリア赴任になり、私もついていくことに。

濱野 :なるほど、まさに運命の分岐点ですね。

遠藤 :そのとおりです。子供が小さいうちはできるかぎり一緒にいたいという気持ちが強かったので、日本語講師の仕事は諦めました。ただ、なんらかの形で英語を使った仕事を続けたいと思っていたので、翻訳に再挑戦してみようかな、と。オーストラリアに5年間滞在しているあいだは、子育てのかたわら英語の読解力を身につけることに専念しました。新聞や雑誌を読み漁ったり、移民のための英会話教室に通ったり、先生が紹介してくれた本を積極的に読むようにしたり……。そのうち自然と、英語の原書もある程度のスピードで読めるようになってきましたね。

濱野 :オーストラリア時代には、どんな本を読んでいたのでしょうか?

遠藤 :当時流行っていた「ハリーポッター」シリーズ、『きみに読む物語』などのニコラス・スパークスの作品、そのほかにも話題のノンフィクションとか、ジャンルを問わずさまざまですね。とにかく英語漬けの生活を送ってみようと、現地の方やほかの外国人のママ友とも積極的に交流するようにしました。

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