実務翻訳を経て今は映像翻訳を目指す、徳政みづきさん Flavor
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Flavor of the Month
<第106回>  全5ページ
入社後すぐに海外の買い付けに。オンザジョブトレーニングで翻訳をこなす毎日

岡田 :学生の頃からとにかく帽子が好きだったということですが、帽子のどんなところに惹かれたんですか?

徳政 :帽子をかぶるだけで、パッと雰囲気が変わるところです。普段の服に一つ合わせるだけでイメージが変わり、グッとオシャレになる。そこに惹かれて、帽子を作るのもかぶるのも好きになりました。

岡田 :普段お出かけになる時も帽子は欠かさず?

徳政 :そうですね。いつもなるべくかぶるようにしています。勤めていた会社でも、みんないつも帽子をかぶっていました。もちろん仕事中もずっと。

岡田 :きっと皆さんオシャレな方たちばかりなんでしょうね。憧れだった帽子の会社に入社してからはいかがでしたか?

徳政 :自分が入りたかった会社でしたから、どんな仕事も楽しかったです。最初は海外での買い付けに行くことが多かったですね。買い付けはもっとも英語が必要とされる場面ですから。

岡田 :新卒でいきなり同行とはすごい! 業界のこともまだわからないままですよね?

徳政 :そうなんですよ、用語も何もわからないまま(笑)。とりあえず現場にどんどん出て、少しずつ言葉や業界のことを覚えていきました。社長に同行する時には通訳の仕事もありました。

岡田 :ファッション業界の買い付けというと、やはりヨーロッパがメインですか?

徳政 :はい。フランスがメインで、イギリスにも行きました。ロンドンに支店があったので、たまに留守番することもあったり。あとはパナマハットが有名なコロンビアですね。

岡田 :いろいろな場所に行かれたんですね。他にはどのようなお仕事を?

徳政 :主に文書を多く訳していました。年に4回パリで展示会があるんですが、その時に必要なカタログの翻訳などもしました。商品の説明やデザイナーさんの今季のテーマなどが多かったですね。

岡田 :当初は翻訳のご経験もなかったとのことで、困難なことも多かったのでは?

徳政 :それはもう(笑)。まさにオンザジョブトレーニングの毎日で……。業界の専門用語は上司が知っていることもありましたが、翻訳となると話は別ですから。その分野の先輩がいなかったので、他のカタログやファッション雑誌を参考にして一つ一つ進んでいった感じです。

岡田 :努力の日々だったことと思います。どんなことが難しかったですか?

徳政 :翻訳のスキルがなかったので、英日ではこなれた日本語の表現に仕上げることに苦労しましたし、日英ではデザイナーさんの意思をうまく伝える工夫が難しかったです。デザイナーさんは比喩を使ったり、独特な表現を使ったりすることが多いので……。

岡田 :確かにファッションデザイナーさんて、ユニークな表現が多そうですね。「黄昏のため息色」とか「朝日のきらめき色」とか(笑) 。

徳政 :そうそう、そんな感じで(笑)。含みのあるような表現の訳に苦労しました。

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