【アメリア】Flavor of the Month 17 美由紀 ウイアーさん
読み物
Flavor of the Month
<第17回>  全4ページ


翻訳も、趣味も、楽しみながら いろんなことにチャレンジしたいです

ウイアー
:私はお芝居が大好きなので、自分では映画や芝居の台本の翻訳がいちばん向いているのではと思うのですが。ミュージカルにも出演したことがあるんですよ。

坂田:ミュージカルですか!?それはどういう?

ウイアー:新聞に役者募集のオーディション情報が出ているんです。プロではないので、出演してもお金をもらえるわけではないのですが。昔から芝居が好きで、オーストラリアに行ってからはタップやジャズダンス、歌も習っていたので、オーディションを受けてみようと思ったんです。3度受けて、2度合格しました。

坂田:オーディションでは、どんなことをするんですか。

ウイアー:歌とダンスと芝居の3つです。歌はひとりずつ順番に。ダンスは、その場でステップを覚えさせられて、グループごとに踊ります。芝居は、ちょっと前にセリフをもらっていて、オーディション当日に審査員の前で演じます。

坂田:出演したのは、どのようなミュージカルだったんですか。

ウイアー:最初に出演したミュージカルは、『カサブランカ』をミュージカル化したオリジナルの台本でした。私は、男の人にだらしない、コミカルな娼婦のような女の役で、振り付きでソロも歌ったんですよ。すごく面白かった!

坂田:もうひとつは?

ウイアー:2回目はみなさんご存じの『雨に唄えば』という作品です。こちらはプロも使う大劇場で、3週間のロングラン公演でした。実際に舞台に雨を降らせて、すごく本格的だったんです。私はディレクター役とショーガールの二役で早変わりなどして、13分ぶっ続けでタップダンスを踊ったりしました。出演者の中で日本人は私だけ。何もかもが面白かった。日記を付けておけばよかったって、ちょっと後悔しているんです。

坂田:でも、そんな大きな舞台に出るなんて、度胸があるんですね。

ウイアー:いいえ。本番の日もそうですが、まずオーディションを受けるだけで、一日中胃が痛くなります。

坂田:そんな、胃が痛いような体験が好きなんですね(笑)。

ウイアー:「嫌だ、嫌だ」って言いながらやっているんです(笑)。嫌ならやめればいいのに、応募して……。恥ずかしいんだけど、舞台の上の恍惚感というか、あれがあるから、もう、やめられません。舞台に立つと"水を得た魚"だというのが自分でもわかるんですよね。

坂田:女優になろうと思ったことは?

ウイアー:そんなに、甘くないですよ。ミュージカルはあくまでも趣味なんです。

坂田:でも、チャレンジしていることがすべて、どれも甘くないと思うのですが。

ウイアー:私自身が楽しみながら、少しずつ、いろんなことができればいいなって思っているんです。実は、趣味で一番やりたいのは、バンドでキーボードを弾くことなんです。

坂田:ミュージカルじゃなくて、キーボードですか!

ウイアー:大学時代にやっていたので、ぜひ、もう一度やりたいんです。それで、この間、どこかにキーボードのメンバーを捜しているバンドはないかと、知り合いのつてをたどってライブハウスに行ってみたんです。その日は"ジャズシンガーナイト"というイベントをやっていて、いろいろなバンドが出ていたので、キーボードの口はないかと聞いてまわっていると、「あなた、歌は歌わないの?」って聞いてくるんです。オーストラリア人って「日本語話せます」って言っても、本当に片言だったりするんですよね。その度胸を真似して「もちろん歌えます!」って答えました(笑)。それで来月にもそのライブハウスで歌うかもしれなくなってしまいました(笑)。

坂田:なんと、今度はジャズシンガーとしてデビューですか

ウイアー:本当は「今、ここで歌ってよ」って言われたんですが、怖じ気づいてしまって……。もう少し勇気があれば、すぐにその場で歌って、そこから何か次のステップに繋げることができたかもしれないのに、性格として、自分である程度納得できるまで練習してからでないと挑めないんですよね。なんでもそうなんですが、私にとっていちばん大変なのが、自分の中の恐怖心を克服することなんです。翻訳の仕事についてどこかにアプローチする時もそうです。まずは恐怖心を克服しないと、次には進めません。

坂田:趣味のほうでも大忙しのようですが、最後に、翻訳に関して今後の目標があれば教えてください。

ウイアー:今、翻訳で一番やりたいのはノンフィクションもので、ニューエイジとか自己啓発関係の本を手掛けたいと思っています。エンターテインメントのインタビュー記事もずっと続けていきたいですね。文芸では、児童書が好きなんです。さらに実力を付けて仕事に繋げたいと思います。

坂田:今は独学で勉強を続けながら、仕事に繋がるチャンスを探そう、ということですね。

ウイアー:そうですね。これからまた通信教育を受ける予定もありますし、焦らずに、一歩一歩進んでいきたいと思っています。

翻訳だけではなく、ミュージカルに、ジャズシンガーに、キーボードに。夢を次々と実現させていく計り知れないパワーを感じ、話を聞いているこちらも元気になった気がしました。
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