【アメリア】Flavor of the Month 59 大沢 章子さん
読み物
Flavor of the Month
<第59回>  全5ページ

リーディングを続けながら売り込みも積極的に

坂田:1冊目の刊行を終え、2冊目以降も順調にいきましたか?

大沢:そううまくはいきませんでした。次の仕事のお話をいただいたとき、ちょうどタイミングが悪くお引き受けできない状況でお断りしてしまって……。以降、しばらく仕事が途切れました。以前に編集者をしていた高校時代の友人に相談したところ、自分の訳書を持って売り込むべきだと助言され、編集者の方を何名か紹介してもらいました。結局、3名の方に電話をかけ、そのうち1名の方には直接お会いしました。その方からリーディングの仕事をいただきました。1冊出したからといって2冊目の仕事がすぐはあると限らないということが、その時によくわかりましたね。

坂田:でも大沢さんは、そこでもう諦めようとは思わなかったのですよね。

大沢:はい、思わなかったですね。そのうちチャンスがあるだろうと考え、リーディングのお仕事を続けました。

坂田:では2冊目のお仕事はどのように?

大沢:1冊目と同じ主婦の友社の方から、1年以上経った頃にご連絡をいただきました。『今ブッダならどうする?』という本を訳しました。これ以降、主婦の友社の同じ編集者の方から継続的にお仕事をいただけるようになりました。また、先に友人に紹介してもらったもう一人の編集者の方のご紹介で、別の出版社からも、1年後くらいに翻訳の仕事をいただきました。『モテる技術』という本です。

坂田:訳された本のタイトルを見ると、自己啓発書が多いようですね。

大沢:来る仕事をすべてお引き受けしていたら、そのようになりました。大学で心理学を学んでいたこともあり、好きな分野だったのでよかったです。もちろん、フィクションもやりたいし、エッセーにも興味があるので、今後は広げていきたいですね。

坂田:大沢さんの最新刊は昨年の秋頃出版された『トイレの話をしよう』ですね。これは日本放送出版協会からの初の訳書のようですね。

大沢:はい。それまでは同じ出版社からお仕事をいただくだけで、自分では何もせずに甘えていたのかなと思い、自分にカツを入れるつもりで、みずから新しい出版社を開拓しようと思いました。私がそれまでに訳してきた本と似たようなラインナップの本を翻訳出版している日本放送出版協会さんに電話をかけてみたのです。

坂田:紹介などではなく、ご自身で編集部に電話をした?

大沢:そうです。電話番号を調べて電話をしました。私はこういう者で、今までこんな本を翻訳しています、と自己紹介して売り込みました。しばらくしてからご連絡をいただき、まずはリーディングからということになりました。実はその編集者の方は、私が長年お世話になってきた主婦の友社の編集者の方をご存じだったようです。そんなこともあって、リーディングをさせていただけたのかもしれません。リーディングを2冊ほどした後に、この『トイレの話をしよう』の翻訳のお仕事をいただきました。

坂田:面白いタイトルですね。どのような内容ですか?

大沢:表紙はかわいらしい感じですが、とても重要な問題を扱った本で、それがユーモアを交えて書かれています。世界中にはトイレがない地域がいっぱいあり、そういうところでは屋外で排泄しています。そこから病気が蔓延し、小さい子どもが大勢亡くなっています。下痢で亡くなる子どもの数は、15秒に1人なんですよ。日本に住んでいると、トイレはあって当たり前ですが、世界ではそうじゃない。非常に考えさせられる内容の本です。

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