【アメリア】Flavor of the Month 62 米谷敬一さん
読み物
Flavor of the Month
<第62回>  全4ページ


地方在住の不安もインターネットの積極活用で乗り切る!

坂田:長年、高校生に英語を教えていた経験は、翻訳をするようになった今、役立っていると思いますか?

米谷:英文の分析や和訳のテクニックなどはある程度役立っています。また、英語力を強化するために行った勉強は直結しています。生徒に教えていたわけですから、文法にはそれなりに自信はありますが、「絶対に誤訳はない」と言えるほど自惚れてはいません。何度も読み返し、できるかぎり誤訳・迷訳・困訳をなくす努力は怠りません。

坂田:翻訳学習中の方に、何かよい英文法の復習の仕方があれば教えてください。

米谷:大学受験用の文法書を読むのが手っ取り早い方法ではないでしょうか。『英文法精解』(培風館)や『英文法解説』(金子書房)といった本格的な文法の参考書がおすすめです。一度通読するだけでなく、難解な英文に出会うたびに参照するようにすれば、文構造を分析する力がつくはずです。あとは多読で経験を積む必要もありますね。

坂田:今回、米谷さんを推薦してくださった齋藤慎子さん(アメリア会員、Flavor of the Month第60回ゲスト)とは、どのようにお知り合いになったのですか?

米谷:オーディションサイトが発信しているメールマガジンの入賞者紹介コーナーに、依頼されて短い文章を書いたことがありました。そのころは3冊目の本を訳していたのですが、駆け出しの翻訳者に出版社から継続的に注文がくるのか、地方在住者は不利なのかなど、職業としての翻訳に対する不安について書いた文章でした。斎藤さんもやはり同じような不安を抱いていたらしく、それを読んで連絡を取りたいと思っていたとのことです。昨年の11月にアメリアの会員プロフィール検索で私を見つけてくださって連絡をいただいてから、ときどきメールのやりとりをしています。

坂田:福岡在住ということで、不便を感じたことはありますか?

米谷:パソコンとインターネットを使い始めてからはそれほど不便を感じることはありません。原稿の送信も編集者との連絡もメールでできますし、宅配便を使えば、一日でゲラを送れますから。ただ、電話で長い打ち合わせをするときなど、多少不便を感じることがありました。また、直接顔を会わせないとなかなか人脈が広がらないのではないか、という不安がどうしてもあります。

坂田:同じ地方在住者ということで、齋藤さんとはどのようなやりとりをしているのですか?

米谷齋藤さんの最初のメールで、「アメリアやインターネット・オーディション以外に出版翻訳につながる窓口がないか、どうやって人脈を広げるのか」といった相談を受けました。もちろん、私も答えられるはずがありません。でも、同じような不安や悩みを話し合ってお互いに気が楽になったのは確かだと思います。すでに何冊か訳書をもっていても、やっぱり地方在住者のなかには人脈を広げて仕事を継続するのに苦労している方が多いのではないでしょうか。齋藤さんとは今もときどきメールで近況報告、情報交換、グチのこぼし合いなどをしています。エネルギッシュに仕事の幅を広げようとしている方なので、とても刺激を受けています。

坂田アメリア経由でリーディングのお仕事もなさっていますね。リーディングは出版社とつながる手段のひとつとして有意義だと思いますが、どのようなところに気をつけていますか?

米谷出版持込ステーションの提出分を含めても、レジュメを書いたのは5回しかありませんので、あまり参考になるようなことは言えません。ただ、自分が編集者になったつもりで、客観的に本の魅力や価値が伝わっているか、構成や文章表現が適切かといった点をできるだけチェックするようにしています。アメリアWebサイトの情報・コラム>翻訳お役立ち情報集>出版に掲載されている「リーディング解体新書」はとても参考になりました。

坂田息抜きのための趣味は何かありますか?

米谷今のところは読書、音楽鑑賞、太極拳、気功くらいですね。太極拳は15年ほど前に始めて、今は指導員として週に一度少人数のグループ(同世代以上の人たち)に教えています。自分でも毎日少なくとも30分は身体を動かして太極拳や気功をしているので、翻訳の仕事が忙しいときでも運動不足の心配はありません。瞑想に近い、身体を動かさない気功(静功)もときどきやります。これは運動不足の解消にはなりませんが、心のリフレッシュになります。

坂田最後に、米谷さんの今後の夢を聞かせてください。

米谷質の高い仕事をたくさん残すことです。

 
   

今回、福岡在住ということでメールでやりとりをさせていただきましたが、すばやい返信、読みやすい日本語表現に米谷さんのお人柄と日本語への意識を感じました。現在、訳書が5冊。インターネットが発達した今、地方在住でも活躍できることを証明してください。益々のご活躍をお祈りします!

 
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