【アメリア】Flavor of the Month 63 福市恵子さん
読み物
Flavor of the Month
<第63回>  全5ページ


プレーヤーの気持ちがわかるから臨場感あふれる訳ができる

坂田:初めてのトライアルですね。ゲーム翻訳のトライアルの内容はどのようなものでしたか?

福市:送られてきた英文を読んでみると、多分クエストの文章だろうと想像がつきました。

坂田:クエストと言うと?

福市:RPG(ロール・プレイング・ゲーム)で、本編のシナリオからちょっと離れたところに仕掛けられているイベントのことです。「××のところに行って話を聞いて、○○をしてこい」とか、そういう感じの文章です。日本語のゲームソフトでさまざまなクエストを目にしていたので、想像を膨らませて、そういう画面に出てくるとしたらどんなふうな日本語にすればいいかな、と考えて取り組みました。

坂田:トライアルの結果はいかがでしたか?

福市:「ちょっと想像力が働きすぎているので、もう少し抑え気味でお願いします」というコメントが返ってきました(笑)。アイテムの名前が“ABC”と書いてあるだけのところでも、「ABCを手に入れた」のように書いてしまったんです。

坂田:アイテム名だけだとゲームっぽくないから書き足した?

福市:そうですね。それがどういうシチュエーションで出てくるのかの説明がなかったので、多分プレーヤーがそのアイテムを手に入れたときに画面にポンと出てくるのかな、と想像しながら訳してしまったんです。でも、余計なことをやり過ぎだったみたいです。ただ、それで不合格というのではなく、もう一度これを訳してみてくださいと2度目の課題文をいただきました。

坂田:次は抑え気味に訳したわけですね。結果は?

福市:今度は「かなりよかったです」という嬉しいお返事をいただき、登録してお仕事をいただけるようになりました。

坂田:登録の翻訳会社は1社のみですか?

福市:現在は他にも数社に登録していただいていますが、実際に仕事をいただくのは主に2社です。最初の会社に登録してゲーム翻訳の仕事を始め、1年ほどして仕事に慣れてきたところで2社目のトライアルを受けました。こちらは実務翻訳全般を請け負っている翻訳会社で、主にマーケティング資料、企業Webサイトなどの翻訳を振られることが多いです。それ以降に受けた会社は、合格はいただきましたが、なかなかタイミングが合わずに、実際の仕事には繋がっていません。

坂田:トライアルの合格率は良いようですね?

福市:どうでしょう? でも、アメリアの定例トライアルでは、クラウン会員の資格を得るまでにはいかなかったんですよ。文芸を中心に受けていたからかもしれませんが。

坂田:ゲーム翻訳というご自身の得意分野で翻訳力を伸ばすことができたのでしょうね。

福市:学習中は自分なんてまだまだと思ってしまいますが、得意分野があればトライアルに挑戦してみるのもいいと思います。私のように、思いがけず扉が開かれるかもしれませんので。

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