【アメリア】Flavor of the Month 68 金智恵さん
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Flavor of the Month
<第68回>  全5ページ


顔が見えない仕事だからこそ信頼を得られるように

坂田:仕事は徐々に増えていって、2年目くらいに安定してきたとのことですが、仕事を続けるうえで気をつけていたことなどありますか?

:顔が見えない仕事なので、信用、信頼が大事。相手の信頼を裏切らないことが一番です。翻訳の訳文がいいということももちろんですが、同じくらい大事なのが、コーディネーターの方に安心して仕事を任せてもらえるよう、安心感を与えられるかどうかだと思いました。

坂田:具体的に心がけていることは?

:一番気をつけているのは、締め切りよりも早く納品するということです。例えば、月曜日と言われたら、前の週の木曜日や金曜日に渡すようにしています。それだけでも担当者の方はすごく安心すると思うんです。それから、問い合わせが来たときには、なるべく早く返事をすること。こういう小さなことを心がけるのがとても大切だと、この2年の経験で感じました。

坂田:自宅で仕事をするということについてはいかがでしょう? スケジュール管理や家事との両立が大変だとは感じませんか?

:この働き方は、私には意外と向いていたようです。会社に勤めていた頃は、いずれも残業が多い職場で、家と会社の往復という生活でした。翻訳者になると決めて会社を辞めたときに、いきなり1日中時間が有り余る状況になって最初のうちは時間の使い方がわからなくて困惑することもありましたが、だんだん慣れてきました。今は、会社勤めの頃の通勤にあたる時間に家事をして、会社にいる9時から5時くらいを仕事の時間に充てている感じです。その時間で仕事が終わらないときは、土日はなるべく家族と過ごしたいので、子供を寝かしつけた夜中に仕事をするようにしています。

坂田:お子さんの入院がきっかけで自宅で仕事をと考えられたわけですが、その後もお子さんの突発的な病気などはありましたか?

:子供が2歳になるまではしょうちゅう風邪を引いていたので、毎月病院に通っていました。会社員なら早退か遅刻ですが、フリーランスなので昼間に病院に行ったら、その分の仕事は夜中にすればいいのでスムーズに対応できました。

坂田:徐々に仕事の量が増えてきて、最近は途切れなくなったということは、これからのほうがスケジュール管理が大変ですね。

:今のところは、残業なしでちょうどこなせるくらいのいいペースでできています。まだ3年目ですが、この仕事は何歳になっても続けていけると思って始めたので、長い目で見ていきたいと思います。どんな仕事でも、やっていて辛いとか、面倒だとか、そういう気持ちが少しでもあると続けるのは難しいんじゃないかと思います。反対に、得意じゃなくても、上手じゃなくても、辛いといった気持ちがなければ続けられるんじゃないかと。

坂田:今後の目標はありますか?

:今はまだ始めて3年目なので、来る仕事は拒まず、どんな仕事でも頑張ろうと思っています。将来的には、小説の翻訳などもやってみたいですね。表紙に名前が残るので、自分の生きていた証というと大げさですが、自分がこういう仕事をしていたという証を残せれば、すごく嬉しいと思います。

 
   

仕事に対する考え方、翻訳のスキルを磨こうとする努力もさることながら、金さんが2年で仕事を軌道に乗せた最大の要因は、やはり諦めずに100社以上に応募をし続けた熱意だったのではないかと思います。しばらくは子育てと仕事の両立で、また壁にぶつかることもあるかもしれませんが、持ち前のポジティブな姿勢できっと乗り越えていけることと思います。頑張ってください!

 
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