【アメリア】Flavor of the Month 73 武藤 陽生さん
読み物
Flavor of the Month
<第73回>  全5ページ


手探りで進めていくゲーム翻訳。「イメージや想像力をたくましくしながら翻訳していくことが多いです」

岡田:ゲームの翻訳はどのように進行するんですか?

武藤:基本的にはセリフがのったエクセルのファイルを渡されることが多いです。文脈がわかる場合もあればわからないこともあるし、セリフが男性なのか女性なのか、年齢層はどれくらいなのか状況がわからないこともあるので、可能なときは翻訳会社経由で開発元に質問を出しながら、手探りで進めることが多いですね。とはいえいちいち全部聞くわけにもいかないので、バランスを見ながら訳します。シリーズ作だったら前作を参照にして、イメージや想像力をたくましくしながら翻訳していくことが多いです。

岡田:ゲーム翻訳の醍醐味は?

武藤:ゲーム翻訳のおもしろいところは、セリフの訳だけでなく物語的な訳、細かい表記のルールやシステムまわりなどで訳者の実力が出せるところでしょうか。ゲーム好きにとっては「このゲームの翻訳は自分でやりたい!」と強く思うことがあったりします。ぜひやってみたい、と思ったりしますよ。

岡田:これまでどんな作品を?

武藤:じつはゲーム翻訳は産業的に機密が多くて、タイトルなど詳しいことは話せないんです。

岡田:それはそれは……。ではパッケージなどにクレジットも出ない?

武藤:出ませんね。たまにエンドロールにだしていただけることもありますが、ゲームのクレジットってすごく長い。大作ゲームだと、千人以上が関わることもありますから、4分とか5分くらいかかるんじゃないかな。たとえ出たとしても翻訳者だけでも10人以上の大人数でやることもあるので、その中に埋もれちゃうでしょうね。ローカライズは最後にでてくるので、ほとんどの人は見てません(笑)。

岡田:なるほど、ずいぶんたくさんの方がたずさわっているんですね。だいたい1作でどれくらいお時間かかるんですか?

武藤:大きいタイトルだったら何ヶ月かかかりますね。3ヶ月とか。

岡田:お仕事のスタイルは?

武藤:どちらかといえば朝型、昼型です。ずっとパソコンにへばりついています。いくつか同時進行しなければならなかったりすると、夜中までということもありますし。

岡田:そういえば武藤さんはメールのお返事がすごく早くてびっくりしました。クライアントとしてはお仕事がしやすいですね。

武藤:たまに返事が早すぎるんじゃないかなと思って、ほんの少しだけ待って返事してみたりしてます(笑)。

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