【アメリア】Flavor of the Month 82 今井 由美子さん
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Flavor of the Month
<第82回>  全5ページ


2人の子育てと多忙な仕事を両立の十数年。 「仕事と子育てだけの30代でした」

岡田 :映像翻訳や出版翻訳のお仕事を抱えながら30代、40代の子育て期間を過ごされた今井さん。子育てを振り返っていかがですか?

今井 :正直、楽ではなかったですね。今でこそ、きちんと仕事の時間がとれるようになったけど、2人の子どもが小さい頃は、いつもスケジュールが押せ押せで……。仕事と子育てに明け暮れた30代でした。

岡田 :たしかにお子さんが小さい時は、時間のやりくりがたいへんですね。

今井 :はい。子供は急病も多いですしね。さすがに1〜2週間で仕上げる映像の仕事はきつくて、出版の仕事だけ受けていた時期もありました。

岡田 :夜もお仕事ですか?

今井 :もちろん昼間だけでは間に合わなくて夜中もやっていましたよ〜(笑)。土曜も日曜もなかったです。在宅ワークだと「うらやましい」なんて声も聞こえますけど、外で仕事をしていたほうがラクと思えることもあったり。

岡田 :家が仕事場というのは、際限なく仕事で際限なく家事ですからね(笑)。

今井 :そうですね。でもやはり、子どもたちが帰ってきたときに家にいられたのはよかったです。いったん仕事の手を休めて食事の仕度もできるし、子どもの学校行事にも参加できる。その分、後で仕事の時間をつくらなければならないからたいへんだけど、欲張りな人にはいいかもしれませんね。あれもできるし、これもできる(笑)。

岡田 :今では少しご自分のお時間もとれるようになりましたか?

今井 :はい。40代になって一時期やめていたバレエを再開し、今は一生懸命取り組んでいます。はじめたのは20代半ばですが、30代は趣味どころではなくて……。今は週に2回通っており、近く舞台があるので、土曜日は3時間半踊っています。体力がつきました。肩こり解消にも役だっています。

岡田 :なるほど。体力もついて、優雅で実益のあるリフレッシュですね。翻訳のために意識して勉強時間をもうけることもありますか?

今井 :意識はしていませんが、昭和初期の文学にとても心惹かれるので、一冊ずつ読んでいます。言葉が美しく研ぎすまされているので、素晴らしい表現があるとノートに書き写すこともあります。太宰治などは若いころに読むべき本かもしれませんが、この年だからこそ、表現の美しさや言葉のリズムに、より心を動かされるのだと思います。

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