【アメリア】Flavor of the Month 83 山田 二三夫さん
読み物
Flavor of the Month
<第83回>  全5ページ


自分の価値、何が大切なのかをマインドマップ方式で掘り下げる。
「私にとって何が大切か―それは家族」

岡田 :サウジアラビアに転勤時代、さまざまな経験を通して語学力とキャリアを磨かれた山田さん。帰国後はどのようなお仕事を?

山田 :国内のビジネスがメインになりました。日本の会社は年齢を重ねてキャリアを積むと、担当職から管理職につくことが多く、私も関連会社の管理をやることになりました。中小企業診断士の資格も取り、48歳で長野の関連会社の社長職に就いて11年勤め、三井物産を退職しました。退職後、半年ほど温泉三昧、ゴルフ三昧の悠々自適な生活を送りましたが、ご縁があって三重県の会社の経営に3年半ほど参加し、その後、会社員生活は完全にリタイアしました。

岡田 :振り返ってみて、これまででもっとも充実していた期間というのは?

山田 :サウジもそうですし、長野もそうですし、三重も充実していました。過去を振り返ると誰でも自分を正当化していいことばかり言いますね(笑)。私もそうですよ。こういう場で話すと、いつもカッコいいことばかりしたような感じになりますけど、人に言えないようなことやつらいこともいっぱいありました。折り返し地点を過ぎた今は、あまり過去にあれをやったこれをやったと言わないようにして、これから何をしようかと考えるようにしています。

岡田 :定年後に過去の肩書きを自慢する方もいらっしゃるしょうが、山田さんにはまるでその気風がありませんね。とても自然体で穏やかで、物事を前向きに深く考えていらっしゃいます。

山田 :そんなことないですよ(笑)。若いころに人生について考えず、状況の論理で生きてきてしまって。「どう生きよう」なんて今考えても遅いんだけど、でも若いころより考えるようになりました。そうそう、サウジの頃、ある先輩からこんな話を聞いたんです。「山田君、君いくつだ」「30です」「いいな、オレはね、あと健康な体で活動できるのがおそらく20年。それを5で割る。すると4回。あと4回、思い切ったことができる」と。人間ってね、5年間あれば何か思い切ったことをやり遂げられるという話だったんです。私もそのとおりだと思う。私の親父が死んだのが78歳。仮に78歳から63歳をひいたら15。5で割って3回、思い切ったことができるんだという気持ちがある。そのためには元気で活動できて、健康体でいないといけないと自負しています。

岡田 :なるほど、それは深いお話ですね。5年でひとつ、思い切ったことができる。

山田 :そうなんです。そう考えて自分の価値、そして何が大切なのかをマインドマップ方式でメモしていきました。私にとって何が大切か―それは「家族」。妻にはさんざん苦労をかけましたから、妻と母をバックアップしていこうと決心しました。次に家で母の介護の手伝いをしながら、あまった時間で自分にできること―「翻訳がいちばん」という結論に至ったんです。学校にもう一度通いたい、学びたいという気持ちも強かったので、フェローに通い、放送大学でも勉強しています。いい仲間もできて、刺激も受けています。

岡田 :ご家族と勉強、仕事、そして健康。人として生きる原点に立ち返って、あらためてスタートを切られた第二の人生ですね。

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