【アメリア】Flavor of the Month 91 藤田 弘美さん
読み物
Flavor of the Month
<第91回>  全5ページ


翻訳プラスαの何かを見つけるために

濱野 :長い子育てを経て、現在はプロのメディカル翻訳者として活躍される藤田さんですが、毎日のルーティーンは決まっていますか?

仕事の合間に使う体力作りグッズ

藤田 :6時半に起床して朝食、家事。9時過ぎから12時半まで仕事。12時半から14時まで丹田呼吸法、ストレッチ、筋トレ、そして昼食と休憩。14時から18時まで仕事、18時から家事や夕食など、23〜24時が就寝タイム、を目標にしています。あくまで目標ですが……

濱野 :いや〜、健康的です! 丹田呼吸法、ストレッチ、筋トレですか? やはり、翻訳は体力勝負のところもありますから、体調維持を大切にされているのでしょうか?

藤田 :そうですね。仕事柄、運動不足になりがちですので、ほぼ毎日最低でも30分は運動するように心がけています。ただこれは、本格的に翻訳の仕事を始める前からの習慣で、18年くらいは続けていますね。スポーツクラブに通った時期もありましたが、行き帰りに時間がかかるので、いまは家でやるようにしています。

濱野 :すばらしい、ぼくも見習いたいです! 仕事面では、何かモットーなどありますか?

藤田 :クライアントの要望を意識しつつ、毎回の仕事を丁寧にこなしていくこと 一つの抄録でも、内容を理解していないと正確な翻訳はできませんので、背景知識を得たり、その文脈に合った訳語を探したりと、入念に調査することを心がけ、その積み重ねを大切にしています。

濱野 :どの分野の翻訳であれ、それがやはり基本ですよね。メディカル翻訳は需要が高いこともあり、目指している方も大勢いらっしゃると聞きます。藤田さんは看護師のご経験というバックグラウンドをお持ちでしたが、医学や医薬の知識を持たない場合、どのような勉強をすればいいと思いますか? おすすめのウェブサイトや参考書などはありますか?

藤田 :文系の方でも医学分野に興味を持ち、勉強を続けて活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。おすすめの参考書としては、やはり看護学のテキストでしょうか。医学全般の内容もコンパクトにまとめられていますので、広く知識を得たり、医学的な表現を習得したりするには便利だと思います。ほかには、講談社の「ブルーバックス」シリーズ。難解な科学分野の内容が一般読者向けに比較的わかりやすく書かれているのでおすすめです。私も、バイオ関連の基礎知識を得るためよく読みました。
 ウェブサイトでは、「メルクマニュアル」でしょうか。家庭版、医療専門家向け、さらに英語版と日本語版があるのでとても役立ちます。あと、登録が必要になりますが「日経メディカル」もおすすめです。

濱野 :学習中の方は必見ですね。さて、最後になりましたが、今後の夢や目標を教えてください。翻訳者としてでも、そのほかのことでも。

6月に訪れた長野の上高地にて

藤田 :今回のインタビューは、自分の過去を振り返る良い機会になりました。もう振り返らないで、いまを楽しく生きることにします(笑)。やはり直感を大切にして! 翻訳のほうは、予防医学やホリスティック医学、精神医学にも興味があります。医学論文の翻訳をコンスタントに依頼される翻訳者になるのが夢です。さらに、翻訳プラスαを見つけたいですね。ボランティアなど、翻訳を続けながら何かできないかな、と。その前に、ひとり暮らしの義母、老々介護状態の両親のことが優先かもしれませんが……。あと実は、長野に住むという夢もあります。次女が住んでいるのですが、年1回は行って大自然のなかでリフレッシュしています。翻訳の仕事をしながら、夏場は長野、冬場は広島に住めたら最高ですね。

濱野 :翻訳は場所に縛られずどこでもできるのが魅力だと思うので、長野と広島のW生活、ぜひ実現させてください。今日は藤田さんのお話を聞いて、メディカル翻訳の「暖かさ」に触れた気がします。また、「あきらめないこと」「直感を信じること」の大切さがわかりました。パワフルな藤田さんのお言葉は、お子さんを持つお母さんたちにもきっと強く響くでしょうね。メディカル翻訳の世界でのさらなるご活躍、楽しみにしています。

■生来、体を動かすことが大好きだという藤田さん。テニス、スキー、ジャズダンス、エアロビクス、競技ダンスなどなど、多くのスポーツを経験されてきたそうです。さらに、目下の目標は長野でのスノーボード・デビューとのこと。子育てに、翻訳に、スポーツに……じつにパワフルです!

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