【アメリア】Flavor of the Month 93 新保 亜紀さん
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Flavor of the Month
<第93回>  全5ページ


映像翻訳の学習経験ゼロで字幕コンテスト優勝!

濱野 :ここまでも意外な展開ですが、このあと映像翻訳者に転身されるわけですよね。いったいどんな経緯なのかが気になります。映像翻訳に出会ったきっかけはなんだったのですか?

新保 :在宅フリーランスの仕事をして5年ほど経ったころ、縁あってある会社に雇われ、週3日のオンサイト勤務をすることになりました。外資系IT企業で社内マニュアル翻訳の管理をする仕事だったのですが、働きはじめたあとに会社の体制がいろいろと変わり、勤務もフルタイムになって、マーケティング翻訳が主体の業務にシフトしていきました。そこでやっと映像翻訳と出会うんです。

仕事で疲れたときには海外ドラマと本でリラックス

濱野 :IT企業で、映像翻訳ですか?

新保 :ええ、最近は企業のホームページにもいろいろと映像が載っていますよね? その字幕を翻訳することになったんです。社外の翻訳者さんにお願いすることもありましたが、こういったマーケティング関連の字幕翻訳は、会社の業務内容を把握していないとなかなかむずかしいところがあるんです。まとめるポイントがどうしてもずれてしまい、訴求性がなくなってしまう。それで自然と、私自身で字幕翻訳を担当することが多くなりました。そのときに初めて、映像翻訳っておもしろそうだな、と。

濱野 :やっとここで、IT翻訳と映像翻訳が繋がったわけですね。そこから映像翻訳の学習を?

新保 :いえ、していません(笑)。ウェブサイトに載せる字幕翻訳というのは、いわゆる商業映像とはちがって、文字数や表記など厳密なルールはありません。映像翻訳の学習はしてみたかったのですが、そのときは仕事がとても忙しかったので、新しいことを学ぶ余裕がありませんでした。それからしばらくして会社を辞めたとき、仕事探しや情報取集の一環として、アメリアで映像翻訳の会社や学校を探してみたんです。そこで見つけたある会社のホームページを覗いてみたところ、字幕コンテスト開催の情報を見つけました。それで、「本当の映像翻訳」ってどんなものなんだろう、と興味本位で応募してみたんです。

旅行も大好き。先日は長野県にある地獄谷のスノーモンキーを見に行きました

濱野 :まさか、そのコンテストで最優秀賞を?

新保 :そうなんです。まさかですよね(笑)。受賞の知らせを聞いたときは驚きました。さらに、映画祭に出品される映画の字幕を一本担当するという副賞までついていました。

濱野 :す、すごすぎます。映像翻訳の学習経験なしでコンクール最優秀賞、さらには映画の字幕を担当するとは……。結局、映像翻訳の勉強は一度もしなかったのですか?

新保 :いえいえ、そのままではとても通用しないと思っていましたから、コンテストで受賞したあとに学習を始めました。受賞後、賞を主宰する翻訳会社さんに字幕翻訳者としても登録していただき、在宅での仕事を少しずついただくようになったんです。そこで、やはり基本からきちんと学ぶ必要性を感じ、映像翻訳の講座をいくつか受講しました。完全に順序が逆になってしまいましたが(笑)。

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