【アメリア】Flavor of the Month 96 今井 聡子さん
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Flavor of the Month
<第96回>  全5ページ
トライアルは3社で日英、英日の両方を受けてすべて合格!合格の秘訣は「徹底的な推敲」。

岡田 :今井さんは2年前から翻訳の勉強を始めたということですが、ご活躍だった舞台の世界から翻訳の道へ進んだきっかけは?

今井 :10年ほど裏方の仕事を続け、体力的に厳しくなってきたこともあり、一度仕事から離れる決心をしたんです。舞台の仕事では20時間連続で働いて、朝4時に家に寝に帰るということが日常的にありましたから……。将来的な不安もあり、考えた末に少し仕事から離れることにしました。海外留学をしたり、海外や国内を旅して、10年分の遊びを一気に取り戻しました(笑)。旅をしているとき「そういえば私、英語ができるんだった!」と再確認し、英語を使った仕事をしようと意識するようになったんです。

岡田 :そうでしたか。留学や旅はどちらへ?

今井 :スペインに留学してスペイン語を学んだ後、日本国内やペルーなど南米、イースター島などをまわりました。小説にあるような「自分探し」のようなカッコいいものではなくて、「煮詰まったからちょっと行ってきまーす!」って感じで(笑)。ただ飛び出して行って、場所が変わっても人間が変わるわけじゃないなって思って帰ってきました。こんなもんだなって(笑)。単に遊びたかったんだと思います。

岡田 :なるほど。そして旅を終えて、「さて」と思ってからはどうされたんですか?

今井 :英語を使う仕事がしたくても、自分にあるのは舞台の経験だけで、会計や営業といったスキルがあるわけではない。貯金がなくなる前になにか勉強しようと思い、フェロー・アカデミーで字幕翻訳を学びはじめました。

岡田 :そういう経緯だったのですね。フェローで勉強をしてからフリーになるまでの期間はどのように?

今井 :それまでは姉に紹介してもらった翻訳会社に通い、主に日英のチェッカー、コーディネーターをしていました。フリーになる直前はトライアルを受けたりもしましたね。

岡田 :トライアルはどんなものを?

今井 :3社で日英、英日をそれぞれ受けたので、全6件受けました。内容は字幕や建築系などいろいろでした。おかげさまですべて受かり、お仕事をいただくようになりました。

岡田 :全部合格とはすごい! トライアルに受かるコツは?

今井 :当時は暇だったのか、とにかくひたすら推敲しました。徹底的に何度も何度も見直しましたね。1週間の納期のうち、訳すときには一気に訳し、それを寝かせて推敲し、またそれを繰り返すという感じでした。じつは1社は英日の契約書だったんですが、契約書は興味も経験もなくて先方に正直にその旨を話したら、別のテーマのトライアルにしてくださったことも……。建築関係のテーマでしたが、そちらは自信をもって訳すことができました。たまには正直に伝えるのもいいかもしれませんね。

岡田 :なるほど。トライアル合格の秘訣は徹底的な推敲、でしたか。そして得意な分野や不得意な分野を正直に先方に伝えることも大切なんですね。

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