【アメリア】みんなで作るインタビュー6・小林清志さんインタビュー編1
  みんなで作るインタビュー


 [インタビュー編 1]
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小林さんへの質問を送ってくださったみなさん、
ありがとうございました!

みなさんからの質問にお答えいただいた「インタビュー編」です。

第6回 小林清志さん
<第6回> 紹介編|インタビュー編 1|インタビュー編 2  全3ページ

 
1960年代というと、ビデオ機材などはなかったと思います。どのように翻訳をなさっていたのですか?(黒牛 さん)

おっしゃるとおり家庭にビデオなんてありませんから、翻訳作業は大変でした。映画の音だけを吹き込んだテープとスクリプトを渡されて、それで翻訳をしていました。テープレコーダーも今とは違い大きくて重いし、ガチャン、ガチャンってものすごい音がする。そりゃあ、ひどい環境でしたよ。


翻訳が出来上がったら制作会社に出向いて、フィルムを見ながら訳したセリフのチェックをし、直しを入れるんです。口に合わせてセリフを詰め込んでいかないといけないので、この直しの作業もかなり手間がかかるんです。とにかく大変な作業でした。

 
アテレコの仕事と、翻訳の仕事と、どのようなスケジュールでこなしていたのですか?(RM さん)

昼間はアテレコの仕事をして、家に帰るとねじり鉢巻で翻訳という生活でした。僕は締切ぎりぎりにならないとやらないたちだったから、30分のテレビドラマだと3日かかるので、締切の3日前になってようやく翻訳に取りかかるといった具合でした。


この締切というのはイヤなものですよね。翻訳をやめて何十年も経った今でも夢を見るんですよ。吹替の翻訳を依頼されて、もう明日が締切なのに、まだ全然訳していないっていう夢を。夢のなかで僕は、2、3本たまった翻訳の仕事を前に、どうしようって困っているんですよ。

 
今のようにインターネットといったツールもなく、調べものは大変だったと思うのですが、どのように調べていたのですか?(rude さん)

当時はネイティブに聞くことも簡単にはできないし、わからないところが出てきたら大変でした。調べる手立てがないわけですから、とにかく前後のセリフをよく読み込んで意味を探りましたね。必ずどこかにヒントが隠れているものです。英語でも日本語でも論理的に前後が繋がらないとおかしいわけだから、日本語を読み返してみて繋がりが悪いということは必ずどこかに誤訳があるはずなんです。


おかしいと思ったらとにかく前後をよく読み返して、論理的に繋がるようになる訳文を探しました。まあ、昔のセリフは今ほどは凝っていませんでしたから。元の英語の台本がわりとわかりやすい英語で、スラングなんかもそれほどたくさんは出てきませんでした。

 
翻訳をおやめになってから随分経つと思いますが、現在、英語に接する機会はありますか?(花椒 さん)

僕はペーパーバックを読むのが好きでね。今でも電車の中で時々読むんですよ。最近読んだのは『Hannibal』(Thomas Harris著)ですね。この著者の作品は非常に凝った英語で、読み応えがあったなあ。僕の場合、ペーパーバックと同時に邦訳の文庫本も買うんですよ。両方開いて、わからないところは日本語で読む。電車の中で辞書をひくのは大変ですからね。こうするとスピーディに読めるんです。だからいつもペーパーバックと文庫本が両方出ているもののなかから選んで買うようにしています。


それから、今でも『スチューデント・タイムズ』を定期購読しています。英語はいつも接していないとどんどん忘れてしまうから、いつも意識して英語の環境に身を置くようにしています。まあ、英語が好きなんでしょうね。ちなみに辞書は中学の頃からずっと赤い表紙のコンサイスを使っています。使い込んでボロボロになると、また同じコンサイスに買い換える。文字の大きい版も持っていますよ。あれは見易くていいですね。

 
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