【アメリア】対談の部屋 12-3 翻訳お料理番鉄人座談会 Ms. Shellyお疲れ様でした&図書カード争奪レシピ公開しちゃいます!
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<第12回> 全6ページ
第12回 翻訳お料理番鉄人座談会 Ms. Shellyお疲れ様でした&図書カード争奪レシピ公開しちゃいます!

3.Ms.Olieve秘密の蔵:英語で笑えても、日本語じゃ無理なの……

F:次回の課題の選考も結構、悩んでいらっしゃいますよね。


J:紙面のスペースが限られているから、定められたワード数で面白そうな課題を見つけるのは案外難しい。特に私とMs. Shellyはネタがカブらないようにしなくてはならなかったし。

S:なのでこれならカブらないだろうと、時節的なものも意識してましたよ。12月号では「赤鼻のトナカイ」、6月号では「結婚式」とか。でも、毎年これじゃ飽きるでしょうから、時節に関係なくその時に流行っている事柄に関連する内容を用いることもしょっちゅうだけどね。


J:でも難しいといっても、今はネットから抜粋することがほとんどだから、楽にはなったと思う。昔は足で課題を探していたからなぁ。最近、ちょい運動不足気味なのはネット普及の副作用かも(苦笑)。

O:お二人とも、ジョークは大変ですよ〜(苦笑)。翻訳できないモノがわんさかあるんだから!

F:それは修正なしじゃ紹介できない、ということでしょうか。ドキドキ。

J:(バシッ)何を興奮しているんだ? そうじゃなくて、英語の言葉・文字遊びが日本語に翻訳できない、できたとしても面白くないものがあるっちゅうことだよっ!

O:せっかく、翻訳するのだから笑えるものにしたいな、と思っていてもコレで紹介できなかったジョークがいくつあることやら。

F:うぅ、ヒックヒック。そうでしたね。せっかくですから、Ms. Olieveがお気に召したにもかかわらず、お蔵入りとなったジョークを2つほど紹介いたしましょう。


ジョーク1
Mozart Decomposing

When Mozart passed away, he was buried in a churchyard. A couple days later, the town drunk was walking through the cemetery and heard some strange noise coming from the area where Mozart was buried.
Terrified, the drunk ran and got the priest to come and listen to it. The priest bent close to the grave and heard some faint, unrecognizable music coming from the grave. Frightened, the priest ran and got the town magistrate.
When the magistrate arrived, he bent his ear to the grave, listened for a moment, and said, “Ah, yes, that's Mozart's Ninth Symphony, being played backwards.”
He listened a while longer, and said, “There's the Eighth Symphony, and it's backwards, too. Most puzzling.”
So the magistrate kept listening; “There's the Seventh... the Sixth... the Fifth...”
Suddenly the realization of what was happening dawned on the magistrate; he stood up and announced to the crowd that had gathered in the cemetery, “My fellow citizens, there's nothing to worry about. It's just Mozart decomposing.”

O:モーツァルトが偉大な作曲家composerだから、成り立つジョーク。人は亡くなれば、肉体はdecompose腐敗する。composerであるモーツァルトでもそれは同じ。彼の墓場から彼がcompose した交響曲が終わりからはじめへとdecompose(deは反意を表す接頭語)している音が聞こえてくる。怪しく聞こえるけど、大丈夫だよ、ということなんだけどね。英語で読めばcomposeとdecomposeが反呼応関係にあるから、ウマイ! と笑えるんだけど、日本語だと、この言葉遊びができないの。誰かいい訳を思い付いたら連絡ください。


ジョーク2
The Coded Message

After numerous rounds of “We don't even know if Osama is still alive,” Osama himself decided to send George W. Bush a letter in his own handwriting to let the President know he was still in the game.
Bush opened the letter and it appeared to contain a single line of coded message:

370HSSV-0773H

Bush was baffled, so he e-mailed it to Condi Rice. Condi and her aides had no clue either, so they sent it to the FBI.
No one could solve it at the FBI so it went to the CIA, then to the NSA.
With no clue as to its meaning they eventually asked Britain's MI-6 for help. Within a minute MI-6 cabled the White House with this reply “Tell the President he's holding the message upside down.”

O:370HSSV-0773Hを上下逆さまにして読むと、“HELLO-ASSHOLE”となるんだけど、これはこのコードをそのまま生かさないと面白くない。370HSSV-0773Hに日本語訳のフリガナを振ってしまうと面白味が半減してしまうな、と思ってお蔵入り。あえてここを訳さないようにする作戦もあるけど、“HELLO-ASSHOLE”の意味を知らない日本人読者だって多いだろうから、扱いが難しいジョークだよね。日本語で同じような意味の言葉で逆さまにするとコードにもなる言葉があればこれまた教えてくださーい。

F:こういう言葉・文字遊びの類いを翻訳するのってなかなか大変な作業ですよね。映画の字幕を見ていて、訳者の方の奮闘ぶりが窺えたりすることもあります。

J:アイルランド出身の作家ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』という作品は日本語を含むいろいろな国の言葉を使った駄洒落や造語で埋め尽くされている、ある種の壮大な実験的文学でね、原文自体を読み通すことも困難で、全部を日本語に翻訳するのは無理だと言われていた。それが1991年に柳瀬尚紀氏が全訳版を出版したから驚いた。


F:出来栄えはどうだったんですか。

J:日本語で可能な限り原文のリズムを尊重し、造語は造語で置き換え、駄洒落は駄洒落で置き換えるんだから、翻訳というより言葉のアクロバットという感じだったな。これはかなりの重労働で離れ業だよ。むしろ翻訳の結果よりも翻訳行為の方に価値があるような気さえするほど。

O:訳せないけど、笑えるというジョークを集めて、「翻訳お料理番:アクロバット編」をやってみるのもいいかもね(笑)。

F
:なんだか、ものすごい事になりそう……。

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