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  アメリカ・メキシコ国境事件 提案者:充田
用語: パート2/ユニット22 Voluntary Entry
訳語候補:
説明: "Voluntary Entry"の訳語については、これを「自発的入国」としてはどうかという提案に対して、Esperantoさんから、不法入国は微罪であり、日常行為に近いので法的なタームである「故意」より、「自発的」の方がいかにも響きがよいという感覚は解るが、そこで問題なのは犯罪要素が問題になっている本ケースで、より日常的な用語を使うことにより、法廷で何が問題になっているかが曖昧にならないかということであり−−故意の有無、過失の有無の判断は、犯罪の成立に不可欠で、法的に厳密に言えば"voluntary-involuntary"の訳語としては「故意−非故意」が妥当ではないか−−とのご指摘がありました。ZZ これに対して、英米法辞典で示されている訳語を見ると、"voluntary"は「任意の、他人に強制されたのではない、故意の、自発的な、任意性のある」などがあり、また"involuntary"のそれは「強制的、不任意の、非故意の、非任意的、非自発的、当事者の意思によらない」など多様にわたっているので、voluntary/involuntaryの訳語を特定な訳語に統一すること自体に無理があるように思うので、上記Esperantoさんご主張は正論として充分頭に入れた上で、実際の訳出は個々の場合に応じて仮訳文担当者の方々にお任せしてはどうかと提案したところ、賛成を頂いた上で、リーダーのご意見を伺うことも提案されました。voluntary/involuntaryの訳仕方についてご意見を頂ければありがとうございます。

 Voluntary Entry 吉本 2004/10/13 08:45:58
辞書に訳語が数多く挙げられている場合は、それぞれの訳語が使われている文脈や語法を整理する必要があると思います。

そして、その文脈や語法の意味に合致する訳語が数多くあれば恣意的にその中のひとつに決定することになりますが、文脈によって用法が異なれば特定の訳語を使うことが適当とみなされるでしょう。

一般的にvoluntary/involuntaryという言葉は次のような意味で訳し分けられていると思います。

自発/非自発:自分の意思によるか否か。
故意/非故意:不法行為や犯罪についての認識があったか否か。
任意/非任意:特定の相手方に強制されたか否か。

それぞれ似てはいますが、意味としては異なります。「故意」が使われるのは、修飾する名詞そのものが不法行為や犯罪を意味する場合で、「任意」が使われるのは通常、voluntary confession、voluntary courtesyなどのように取り調べや親切行為など行為の相手が特定されている場合でしょう。

この場合、voluntary entryは上記二つの意味に該当せず、ただ入国が本人の意思によるのか否かを示している表現なので、voluntaryを「自発的」と訳すのがよいと考えます。「自発的入国」は入国管理の文脈で一般的に使われる表現でもあります。