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  戦記ビデオ裁判 提案者:充田
用語: communicative produt
訳語候補:
説明: パート4/ユニツト1
パート3/ユニツト12で、A.「ハンマーのように物理的品質で評価されるもの」とB.「本やビデオのように知的な内容で評価されるもの」が対比されており、さらにB.については、「communicative productと呼ばれるかも知れないもの」と述べられております。そこでcommunicative productの訳語が問題になっておりますが、このパートでは「著作物商品」と訳されております。これはA.が工業所有権の対象となるのに対して、B.が著作権の対象となることが配慮された名訳だと思います。他方、他のパートでは、「情報伝達的製品」と訳されておりますが、これも原語に即した素直で、捨て難い訳語ではないかと思っております。どちらを採るかについて、コメントを頂ければと存じます。また、この法廷意見では全体的にgoodsとproduct(s)が頻出するので、できればgoodsを「商品」、product(s)を「製品」と訳し分けた方が良いのではないかと思っており、仮に「著作物商品」の訳語が採用される場合も、あえて「著作物製品」として頂けないかと思っておりますが、併せてコメント頂ければ、ありがとうございます。

 communicative produt 吉本 2004/11/26 07:20:56
まず、productとgoodsは用法上明確に区別されているわけではないので、それぞれの訳語を「製品」「商品」とは決めない方がいいように思います。productについては、原則として市場性を持つもの一般を語る場合が「商品」、電子工学や機械工学などを応用したものに言及する場合は「製品」のように使い分けるのがよいのではないでしょうか。

“形容詞+product”という表現は市場性を持つもの一般をその性格や特徴で限定しているわけですから、この場合のproductはむしろ「商品」と訳すことが多くなります(例:niche product「すきま商品」、financial product「金融商品」)。したがって、communicative productやtangible productについても「〜商品」と訳すのが適当だと考えます。

communicative productという言葉は一般に流通しているものではなく、(人間の創作による)何らかの内容を伝える商品という意味を持つ一種の造語のようです。したがって、訳語自体が定着した日本語である必要はないと思いますが、原意を適切に表現したものでなければならないでしょう。

「著作物商品」という訳語は「伝える」という原意を明示しませんが、「著作物」という言葉は商品の購買者に何かを伝えることを含意しているので、その指し示す範囲において上記の定義にほぼ相当するものといえるでしょう。ただし、「著作物」は原意にはない“著作権法の定義”である点でズレが生じるような気がします。

一方、「情報伝達」という言葉は、物理的、技術的側面(機能や効率など)を述べる文脈で使用されることが多く、文化、芸術をその内容とするcommunicative productの訳語としては誤解を招きやすいと思いますが、伝達するものを「情報」でなく「表現」とすれば、原文の定義にも沿ったものになるのではないかと考える次第です。

以上のことから、communicative product→「表現伝達商品」の訳語を提案いたします。