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  サイエントロジー名誉毀損事件 提案者:充田
用語: private individual/public figure
訳語候補:
説明: パート3/ユニット2
(1) 当初の仮訳文では、private individual(s)が「私的団体・人」、public figureが「公的団体・人」と訳されました。
(2) この訳語については、前者は「私人」、後者は「公人」と訂正されましたが、本判例は名誉毀損に関するものであり、日本で名誉毀損問題には、普通「私人」、「公人」という言葉が良く使われておりますから、この訳語は、これで良いのではないかと思います。
(2) 一方BLACK's Law Dictionaryで"public figure"を調べると、A person who has achieved fame or notoriety or who has voluntarily become involved in a public controversy. ● A public figure (or public official) suing for defamation must prove that the defendant acted with actual malice. New York Times Co. v. Sullivan, 376 U.S. 254, 84 S. Ct. 710 (1964)とあり、また"person"を調べると、1. A human being、2. An entity (such as a corporation) that is recognized by law as having the rights and duties of a human being.と記載されておりますから、public figureは名誉毀損に関する言葉であり、それには個人も法人も含まれると考えられます。つまり、public figureの訳語として当てられた「公人」が自然人と法人の両方(「公的団体・人」)を含むのと対応しており、問題ありません。
(3) しかし、private individual(s)はあくまでも個人だけを意味すると思われるのに対して、訳語に当てられた「私人」には自然人と法人の両方(「私的団体・人」)が含まれると思いますから、この場合原語と訳語の間に照応しない部分(私的団体)があると思われます。
(4) その場合、この私的団体の部分は、「公的団体・人」も併せて、"public figure"の中に包含されるのではないか−−−つまり、米国の名誉毀損関係裁判における訴訟当事者は、private individual(s)とpublic figure(s)しかないのではないかと推測しますが、コメントをお願いいたします。

 private individual/public figure 吉本 2005/06/28 07:38:38
名誉毀損関連の当事者がpublicかprivateかを語る場合、privateな当事者についてはprivate individualの他、private personやprivate figureという言葉も同様の意味で使われ、これらの語義には自然人、法人、パートナーシップなどの人格がすべて含まれます。したがって、private individualは日本語でいう「私人」とほぼ同様、public figureは「公人」とほぼ同様の意味になるでしょう。

つまり、米国の名誉毀損関連訴訟においても、法人などの企業体は「公人」として扱われることもあれば、「私人」として扱われることもあるわけです。

充田さんが挙げられたBlackの法律辞典には、individualの項に「個人(single person)」や「自然人(natural person)」を指すとの定義を挙げた後に次のような記述があります。

but it is said that this restrictive signification is not necessarily inherent in the word, and that it may, in proper cases, include artificial persons.

通常、企業体の分類を指す場合などはindividualとpartnership、corporationが区別されますが、今回のような場合は上記のartificial personsを含むより広義の用法になっているものと思われます。