有志で協力して社会的意義のあるコンテンツを翻訳『翻訳プロジェクト』

辞書の図書館 訳文検討室INDEX
 
 辞書作成室掲示板
 
 
  コレマツ強制収容所裁判 提案者:充田
用語: relocation center
訳語候補:
説明: パート1/ユニット5

今回判例の題名が「コレマツ強制収容所裁判」となっていることもあり、当初小生はrelocation centerの訳語は強制収容所が良いのではないかと思っておりました。それで、
英米法辞典のrelocationの訳語には「強制移転□太平洋戦争中の日系アメリカ人の収容キャンプへの強制移転」と記載されているのに、何故改まってrelocation centerの訳語は「再定住センター」となっているのか訝しく思っておりました。たまたま10月5日のNobsuzさんのご投稿で、「実体は強制収容所だったが、戦時によく行われる婉曲語法の一例でアメリカ国内ではそのように呼んでいたよう」である旨教えて頂いて、初めて納得が行きました。”Remember Pearl Harbor!”のスローガンで圧倒的に反日世論が支配していた太平洋戦争中であっても、憲法上自由・平等の基本思想の底流があるアメリカでは、例えば、日系アメリカ人の収容所への強制移転に執拗に反論する弁護士グループが司法省内部にもいて(パート1/ユニット7に出てくるエドワード・J・エニスなど)、強制移転に積極的な軍部と政府内部で対立していたと言われます。そのような風土のアメリカでは特に、実体はconcentration camp=強制収容所であっても、表向きは政治的な婉曲語法でrelocation centerという表現を使用せざるを得なかったのではと思います。その意味でrelocation centerの訳語は、英米法辞典の「再定住センター」を使用してはどうかと思います。Nobsuzさんが、全米日系人博物館のHPの日系アメリカ人強制収容所の関連年表の中に掲載されている「転住センター」を訳語に宛てておられ、これはこれで根拠もがり、適切な訳語と思いますが、この判例翻訳では従来訳語が複数ある場合、大体英米法辞典中心に調整してきたように思いますので、あえて「再定住センター」を採用してはと思いますが、コメントをお願い申しあげます。(なお念のために、実体はどこまでも強制収容所であった訳ですから、今回判例の「コレマツ強制収容所裁判」は、題名として適切だと思います。)

 relocation center 吉本 2005/11/02 10:04:11
アメリカ政府による強制収容所の建前上の呼び方が(war)relocation centerということになりますが、ここではあくまでも法廷がアメリカ政府の呼び方を是認する(あるいは否定しない)文脈での使用なので、「再定住センター」を訳語として使用することで結構です。

現在、「再定住」という言葉は異なる意味で使われることが多く、「転住」の方が意味としては適切かと個人的には考えますが、一応の訳語として英米法辞典に依拠することとします。