有志で協力して社会的意義のあるコンテンツを翻訳『翻訳プロジェクト』

辞書の図書館 訳文検討室INDEX
 
 辞書作成室掲示板
 
 
  ターザン著作権裁判 提案者:充田
用語: バロウズ著作物の著作権保護期間
訳語候補:
説明: パート4/ユニット18

下記他愛ない想像を混じえた質問でお恥ずかしい限りですが、2005年Amelia12月号誌上の「アメリア翻訳裏プロジェクト」でリーダーがご解説になった著作権保護期間についての理解を深めるために、コメントを頂ければありがとうございます。

(1) このユニットの原文最後の2行に、the Tarzan literary works for which U.S. copyright protection had expiredと書かれております。すなわち、バロウズの1912 book “Tarzan of the Apes”” and subsequent stories(ターザン・シリーズ)は、このホガース遺産財団対バロウズ遺産財団の訴訟が提起された2001年の時点で、米国著作権法による著作権保護期間を終了しており、既にパブリックドメインとなっていたと諒解いたします。
(2) もし、1976年著作権法(施行1978年1月1日)の適用を受ければ発行時点から95年間の著作権保護期間を受けられるので、2001年時点で著作権保護期間が終了していたということは、バロウズのターザン・シリーズは1978年現在で著作権保護期間を既に失っていたということではないかと思いますが、それでよろしいでしょうか?
(3) 1909年著作権法の保護期間は「28年+更新による延長28年」の合計56年間ですから、
  1978年現在で著作権保護を喪失していたとすると、ターザン・シリーズの最終作品は少なくとも1922年以前に発行されていたと思われますが、それでよろしいでしょうか?(ネット検索によると、バロウズの生存期間は1875〜1950年)
(4) パート2/ユニット5では、バロウズ遺産財団の代理人が1999年10月13日付のホガース遺産財団宛書簡で「ターザンのキャラクターについては、バロウズ財団が単独の著作権所有者であり、常にこれを管理してきた」と述べております。
上記(2)でバロウズのターザン・シリーズの著作権保護期間は既に終了していたと思われるのに、1999年10月時点でもターザンのキャラクターについてはバロウズ財団が単独の著作権を有していたということがよく解りません。

独り勝手な想像を逞しくすると、バロウズはターザン・シリーズ終了後も、他の著作物を1950年死亡以前に発行したと思われますが、その中にはターザンのキャラクターを含めた著作物もあり、そのためにキャラクターそのものは引き続き著作権保護の対象となったということでしょうか?





 バロウズ著作物の著作権保護期間 吉本 2006/04/18 07:28:06
(1)
ここでは、the Tarzan literary works がfor which以下の条件で限定される形になっているので、通常の解釈によれば「ターザンの言語著作物で合衆国における保護期間が終了したもの」という意味になるでしょう。「ターザンの言語著作物(それらは合衆国における保護期間が終了している)」のように括弧で表現されるべき非限定的な意味ならthe Tarzan literary works, for which〜という形にするのが普通です。

すなわち、「ターザンの言語著作物」の中に「保護期間の終了したもの」と「保護期間の終了していないもの」が存在し、保護期間が終了したもの(第一作を含めて)についても、EUでは保護期間が終了していないものがある(EU各国には著作者の死後70年の国内法が存在するので、ベルヌ条約の内国民待遇に従えば)という事情を前提とした記述であると考えられます。代理人はそうしたケースについて助言を行ったのではないでしょうか。

(2)
上記(1)の解釈に鑑み、ご指摘の推定は妥当でないと考えます。また、1909年著作権法の最長保護期間は確かに56年でしたが、厳密に言うと1962年以来議会で保護期間を延長する立法が9回なされているので、1962年9月19日から1977年12月31日までの間に“更新期間が残存している”作品については最長75年の保護期間が認められています。1912年に書かれた第一作のTarzan of the Apesもこの中に入るわけです。

(3)
(2)の場合と同様、上記(1)の解釈からご指摘の推定は妥当でないと考えます。実際のところ、バロウズによるターザン本はTarzan of the Apesから1940年のTarzan and the Castawaysまで24作書かれたようです。Wikipediaなどをご参照ください。

(4)
上記(1)に書いた通り、ターザンの著作物に一部保護期間が残存しているという前提で言っているのだと思います。著作権の保護が切れているものについては商標権により保護されている場合もあるでしょう。