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  アスベスト労働災害裁判 提案者:充田
用語: since being unsuccessfully treated by Dr. Grier in 1994のかかる範囲
訳語候補:
説明: パート1/ユニット20において、since being unsuccessfully treated by Dr. Grier in 1994が、その前のthe first time he had sought treatment for his breathing difficultiesとthe first time he had sought treatment for his stomach ailmentsの2つのthe-first-time節にかかるか、それとも後のthe-first-time節にしかかからないか---について、議論が分かれております。

I. 一方の議論
(1) ユニット13で明らかなように、グリアー医師には胃部疾患だけのために治療を受けているので、呼吸困難と胃部疾患の治療暦の違いをこのユニットでより明確にしたものであり、since以下は後のthe-first-time節にしかかからないと見るのが妥当である。
(2) the first time he had sought treatment forを2度も繰り返していること、およびsinceの前にコンマがないことから、since以下は後のthe-first-time節だけにかかると思う。

II. 他方の議論
(1) for the first time he had sought treatment for his breathing difficultiesと書かれているが、原告がプロクター医師の診断を受けたのは特に呼吸困難だけを目的としたのではない。(賠償請求目的は別問題として)アスベストス災害による呼吸困難/胃部疾患を含む全身の不具合の診断を目的としたもので、結果として石綿症と診断されただけのことである。
(2) ということは、the first time he had sought treatment forが呼吸困難と胃部疾患の2つに分けて繰り返されているのは、治療暦とは無関係に、1994年グリアー医師訪問と1999年プロクター医師訪問の間の5年間、呼吸困難であれ、胃部疾患であれ、他の医師訪問など対策の講じられることが、ただの1度もなかったことを強調しているのだと思う。
(3) 従って、since以下が後のthe-first-time節にだけしかかからないのであれば、最初のthe-first-time節の後に、コンマがあってよく、この僅か5行の中の文章の中でsince以下のかかり方を分けて考えること自体に無理があると思う。

どちらの議論にもそれぞれ合理的な根拠があると思われますが、ここはI./II.の解釈のどちらを採った方がこのユニットの訳し方として適切かご意見をお願いいたします。





 since being unsuccessfully treated by Dr. Grier in 1994のかかる範囲 吉本 2007/03/06 04:36:03
文法的にいえばどちらに解釈することも可能ですがthe first time he had sought treatment forを繰り返していることは冗長表現に当たると思います。この繰り返しに意図があるのか否かは文脈で考慮すべきところです(カンマの有無は積極的に意味を限定する要因になりません)。

そこで内容面のポイントとなる項目を順に挙げます。

1)パート1のユニット10、11には、「呼吸困難」の発症と「胃腸障害」の発症について記述している。
2)パート1のユニット12〜16には、1994年における「胃腸障害」の初診療が失敗したことについて記述している。
3)パート1のユニット20には、1999年における「呼吸困難」の診療と「胃腸障害」の診療がfirst timeとしている。そして「1994年の初診療が失敗して以来」との修飾句がある。

ここまでの流れでも1999年には「呼吸困難」の方だけ初の診療だったと推察されますが、その推定を補強する記述がその後のパートにあります。

4)パート3のユニット19では、原告が1999年まで「呼吸困難」の診療を受けなかったという証拠について言及している。
5)パート4のユニット3では、原告による「呼吸困難は1999年まで診療を受けるほど深刻ではなかった」という旨の供述について言及している。

以上のことから、1994年には、「胃腸障害」についてのみ診療が行われた(すなわち、sinceがかかるのは「胃腸障害」の方だけ)と考えるのが妥当だと思われます。

ご質問の件とは異なりますが、この場合のstomachは「胃部」というより「胃腸」だと思います。たとえば、stomach fluは「ウイルス性胃腸炎」のことで、下痢などを伴う風邪のことを指していますが、こうしたstomachは腹部全体を指している表現です。胃腸障害はアスベストによる障害としては一般的なものでしょう。