昔ばなし翻訳コンテスト

naka さんの訳文

課題

How the Bear Lost His Tail

Long ago, Bear was known for his tail. It was long and black and glossy. One day, Fox saw this and decided to play a trick on Bear. Fox made a hole in the frozen winter lake, and twitched his tail to catch a trout as Bear came by. Bear was fascinated and Fox convinced him to stick his tail into the hole and wait for the next trout. In the morning, Fox returned and told Bear to catch his fish. Bear pulled his long tail as hard as he could. But it had been frozen in the ice, and suddenly broke off. Bear saw his long, lovely tail caught in the ice. So, if you ever hear a bear moaning, he is crying for his lost tail.



訳文

クマがしっぽをなくした訳

むかーしむかしのそのむかし、クマは立派なしっぽをもっておったそうな。長くてまっ黒、つやつやしたしっぽじゃったそうな。ある日のこと、キツネはクマのしっぽを見て、ちょいといたずらをしてやろうと思うた。まず、キツネは凍った湖に穴をあけた。そしてクマが近くへやって来ると、自分のしっぽをピクピクッと動かしてマスを釣り上げて見せたんじゃ。クマはたいそう感心した。そこでキツネは、穴にしっぽをたらしてマスがかかるのを待っていればいいのさ、とクマをそそのかした。朝になるとキツネは湖へ戻ってきて、ほうら魚がかかっているよ、とクマにいうたんじゃ。クマは長いしっぽを思いっきりひっぱった。ところが、しっぽは湖に凍りついておって、ぷっつりと切れてしもうた。クマが見ると、長くて立派なあのしっぽは、なんと氷の中じゃった。そういうわけで、クマがうなるように鳴くのは、なくしたしっぽを嘆いているからなんじゃと。



レーティング参加者からのコメント

1. 昔話の雰囲気がよく出ている。 (評価5)

2. 「そそのかした」「ほうら魚がかかっているよ、」「ぷっつりと切れて」「クマが見ると……なんと氷の中じゃった。」上手い!としか言いようがありません。 (評価5)

3. とても上手にまとめてあると思います。風情もあるし。英文が話し口調ではないので4と採点させていただきましたが、そこまでこだわらなくていいなら5です。 (評価4)

4. 昔話の翻訳として勉強になりました。ありがとうございます。 (評価5)