出版企画と出版社の出会いの場 出版持込ステーション

企画の採用実績

『ライズ・オブ・eスポーツ ゲーマーの情熱から生まれた巨大ビジネス』

『ライズ・オブ・eスポーツ ゲーマーの情熱から生まれた巨大ビジネス』

  • 出版社:白揚社
  • 企画者:小浜杳さん
  • 原題 :Good Luck Have Fun
  • 経緯 :[2019.06.10] 企画検討開始
        [2019.11.26] 採用決定
        [2021.07.13] 出版!
  • 出版日:2021年7月
  • 備考 :企画者の方が翻訳者として採用されました

【企画者からのコメント】

 企画書の準備をし始めた頃に、eスポーツ本に関心のある編集者の方がいるという情報を『Amelia』で読み、探してみようかと思ったのが本書の原書と出会ったきっかけです。数十冊のゲーム関連書籍を検討しましたが、最も包括的で、読み物としても段違いに面白かったのが本書でした。国内でeスポーツが注目されはじめた時期だったのもあり、当初は需要が見込めるからという視点で選んだ一冊でしたが、企画書を書き終える頃には本書のノンフィクションとしての魅力に夢中になり、ぜひとも翻訳したいと思うようになっていました。

 アメリアさんに企画書採用のご連絡を頂いたときは本当に嬉しく、初めての訳書が決定したときのようにわくわくしたのを覚えています。実際の翻訳にあたっては、ゲーム全般をほとんどプレイしたことがなく、何も知らないところからの出発でしたので、調べ物がとにかく大変でした。ゲーム業界の用語や慣例、タイトルごとのプレイ方法や戦略、ゲーマーのハンドルネームの発音まで、調べ物にはおそらく過去最長の時間をかけたと思います。ただ、eスポーツ業界の盛り上がりと大会の熱狂を巧みに写し取った著者の構成力と力強い筆致に助けられ、最後の一ページまで楽しみながら訳すことができました。

 白揚社編集部の筧さんと萩原さんには、企画を採用していただいただけでなく、訳了後も大変お世話になりました。訳文を原文から丁寧にチェックして適切な代案を出していただいたことで、最終的にとても完成度の高い本ができたと思います。

 自分で見つけて売り込んだ本が日の目を見るのは、やはり格別な思いがあります。初めて刊行までこぎつけた持ち込み企画という意味でも、本書は大切な一冊となりました。機会を与えてくださったアメリアさんと白揚社さんには、心から感謝しております。

 多くの出版社に企画書をご提案できる「出版持込ステーション」は、フリーランスの翻訳者にとっては非常に貴重なプラットフォームだと思います。これからもぜひ末長く続けていただければ嬉しいです。

【編集者からのコメント】

 ゲーム関連の翻訳書を出したいと思っていたのですが、自分では特に探していませんでした。そんなとき、こちらの「出版持込ステーション」で、小浜さんのeスポーツの企画書を見つけました。

 原書の内容が客観的にまとめられていてとても参考になったほか、素晴らしい試訳がついていて、もっと読みたいと思わせてくれました。それがきっかけで、本書の出版を検討することになりました。

 くわえて、小浜さんはeスポーツをテーマとした本を何冊も読んで、そのなかで一番面白かったものを選んで企画書にしているところもとても良かったです。日頃特に注目しているジャンルではありませんでしたので、日本の類書だけでなく、洋書の類書までリサーチしていただけ、企画を検討するときにとても心強かったです。そうした徹底したリサーチは訳文からもうかがえ、「ゲームはほとんどやらない」とおっしゃっていたのに、固有名詞や用語などしっかり調べられていて、安心して編集作業にあたることができました。

 「出版持込ステーション」は、編集者が日頃注目していなかったジャンルの本を知ることのできるとても良い場だと思います。今後も参考させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。