ご利用企業インタビュー

特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン

特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン世界中に安全な水と衛生環境を届ける

ウォーターエイドは、1981年にイギリスで設立された水と衛生に関するNGO団体で、世界中のすべての人々に安全な水と衛生環境を届ける活動を行っています。ウォーターエイドジャパンは、その日本における活動拠点として2012年8月に立ち上げられ、2013年2月に特定非営利活動法人として認可されました。

「世界には安全な水を使えない人が7億人以上(10人に1人)、トイレを使えない人が約25億人(3人に1人)いて、そのために下痢で命を落とす子供が毎日1400人以上います。安全な水と衛生環境を届けることで、そのような人々の暮らしを変えていく、それがウォーターエイドの目指すところです」(ウォーターエイドジャパン事務局長 高橋郁さん)

では、具体的にはどのような活動を行っているのでしょうか。1つは実際に現地に出向いて、井戸を掘る、トイレを作るといったプロジェクトを実行することだそうです。

「水を確保するために井戸を掘るのもひとつの方法ですが、地域によっては雨水を貯めて使ったり、湧き水を利用できる設備を作ったりするほうがいい場合もあります。そこで、人々の暮らしをよく知っている現地のNGOや民間企業などと組んで、その地域に適した方法を見つけて実行するようにしています。一緒に活動する中で、設備を作る技術、プロジェクトの運営方法、資金の管理方法なども覚えてもらい、我々が去った後にも、自分たちで活動をもっと広げていってもらえるようにと考えています」(高橋さん)

医薬系を中心に専門性の高い分野を網羅

衛生環境を整えるために手洗いやトイレを作るのは大切なことだが、それだけでは問題は解決しない。大事なことは、それをずっと使い続けてもらうこと、そして最終的にそこに住む人々の暮らしが改善されることだとウォーターエイドは考えています。

「いままで森や草むらで野外排泄をしていた地域では、狭くて臭いがこもるトイレは嫌だと使ってくれないことがあります。あるいは、せっかく作ってもらったきれいなトイレだからと、鍵をかけて保存しておこうと考える人もいます。それでは意味がありません。野外排泄で病原菌がどのように広がるかを説明し、トイレを使うことの重要性を理解してもらったり、排泄物を発酵させて肥料にする方法を教えて、トイレを使うモチベーションにつなげるなどして、トイレを使ってもらうためのさまざまな工夫もしています」(高橋さん)

また、数年経って壊れてしまうと、そのまま放置されることも多いのだそうです。

「それを回避するために、計画の段階から現地の人々に参加してもらうことが大切です。ただ作るだけではなく、管理や修理の方法を教えるなどして持続可能にすることもプロジェクトの一部なのです」(高橋さん)

水を汲む仕事がなくなり子供は学校に通えるようになる。病気が減り農業の生産性も高まる。水と衛生は人々の暮らしを変え、最終的には国の未来をも変える。それが最も重要なことだとウォーターエイドは訴えます。

政策提言や情報発信でさらに大きな活動

水とトイレは生きていくために必要な基本的な設備ですが、貧困地区や農村部のさらに奥地など、国の政策から取り残されている地域が少なくないのだそうです。

「ウォーターエイドが行うプロジェクトによって、直接その利益を受けることのできる人の数は年間150〜200万人程度です。7億人の人々に行きわたるようにするためには、水と衛生の重要性を政府などの意思決定機関に伝え、環境改善が政策に組み込まれるよう提言することが重要です」(高橋さん)

そしてウォーターエイドは、途上国の水と衛生の問題を解決するためには、日本での政策提言、情報発信が重要であると考えています。

「実は日本は途上国の水・衛生分野に対する最大の資金援助国で、2010年には日本からの援助が全体の6割を占めていました。これからも日本が先頭に立ってこの問題に取り組んでいくためには、途上国の水・衛生の現状や、それに対するさまざまな取り組みを、多くの人々にきちんと伝えていくことが大切だと考えています。ウォーターエイドジャパンでは、学校に出向いて課外授業として子供たちに世界の水と衛生の現状を伝える活動を始めました。そんなとき必要になるのがボランティア翻訳の皆さんの力です。説明資料は大量にあるのですが、すべて英語で書かれています。ホームページや小冊子、イベントや課外授業などで提示できる日本語の資料作りに、これからもお力添えいただければと思います」(高橋さん)

スタッフからひとこと!

読みやすく、読者に配慮した表現を

アメリアWebサイトの「翻訳ボランティアステーション」にご登録のウォーターエイドジャパンでは、翻訳ボランティアの募集を行っていただいています。

「アメリアのことを他のNGOよりご紹介いただいて、この春に登録し、さっそく募集させていただきました。以前は学生ボランティアに手伝ってもらったり、自分で訳したりしていたので、なかなか思うように翻訳が進まなかったのですが、今は多くの方にご登録いただいて非常に助かっています」(高橋さん)

ボランティア翻訳は、どのような内容のものを訳すのでしょうか。

「ほとんどが英日翻訳です。現地の活動報告書、政策提言の資料として作成された分析レポートなどが多いです。翻訳案件が発生すると、全員に翻訳依頼メールを発信し、手を挙げていただいた方にお願いしています」(高橋さん)

翻訳ボランティアに登録するには、どの程度の翻訳力や専門知識が必要なのでしょうか。


ウォーターエイドジャパン事務局長
高橋郁さん

「最終的には私がチェックをして直しますので、専門知識は特に必要ありません。翻訳者の皆さんにお願いしたいのは、広報文として読みやすい日本語にしていただきたいということと、途上国の人々に対して好ましくない表現を使わないよう気をつけていただきたいということです。例えば“filthy water”は“不潔な水”ですが、人々はやむを得ずそれを使用しているのですから、我々は“不衛生な水”と訳すのが好ましいと考えています」(高橋さん)

現在、現地の活動を紹介した動画に日本語字幕を付けて配信することを検討中だとか。

「準備が整えば映像翻訳のボランティア翻訳者を募集したいと考えています。ぜひご協力ください」(高橋さん)

ウォーターエイドの活動内容

●現地支援

実際に現地に赴き、井戸を掘ったり、給水設備を整えたりします。写真は、新しい井戸を使うマダガスカルのアディナさんとフェルディナンドくん。「以前は、病気になるので水を飲むのが嫌でしたが、もう心配ありません」と笑顔のフェルディナンドくん。

●情報発信

英語で書かれた活動報告パンフレットを日本語に翻訳し、日本語版を制作しました。学校の特別授業や環境イベントなどで配布し、日本人の多くの方々に世界の水と衛生の現状を知ってもらう活動を行っています。

●政策提言

2013年6月に横浜でアフリカ開発会議が開かれました。アフリカ首脳レベルの方々が多数訪れ、日本の安倍首相もスピーチをしました。このサイドイベントとして、ウォーターエイドジャパンはシンポジウムを実施、水と衛生の重要性を訴えました。