ご利用企業インタビュー

株式会社プロシステムエルオーシー

株式会社プロシステムエルオーシー“翻訳のできる技術者”の発想から生まれた翻訳会社

株式会社プロシステムエルオーシーは、もとは株式会社プロシステムのローカリゼーション事業部でした。1982年創業の株式会社プロシステムはシステム開発を受託する会社ですが、1990年代にある米国ソフトウエア会社のマニュアルの日本語版ローカライズに関わることになりました。その米国ソフトウエア会社は日本に進出したばかりで、日本語に翻訳された自社製品のマニュアルの品質に満足できておらず、「英語がわかるソフトウエア技術者に翻訳を依頼したい」とトライアルを実施したのだそうです。そのトライアルに合格し、“翻訳のできる技術者”としてマニュアル翻訳に携わることになったのが、後に株式会社プロシステムエルオーシーの社長となる芝久登さんでした。

「芝社長はシステムエンジニアでしたが、仕事のなかで英文資料を読む機会が多く、英語に対して抵抗がなかったそうです。米国ソフトウエア会社のトライアルに合格し、最初のうちはプログラミングの合間に翻訳をしていましたが、翻訳の依頼が増えるにつれ追いつかなくなり、2000年に社内に『ローカリゼーション事業部』が誕生し、そこを任されることになりました。そして2008年に分社化して株式会社プロシステムエルオーシーとなり、社長に就任したということです」(翻訳事業部部長金井真奈実さん)

ITの知識をベースに翻訳の幅を広げる

もともとIT系マニュアルのローカライズが主な業務内容でしたが、翻訳会社として独立してからはその枠にとらわれず幅広い分野の翻訳案件を受注しているそうです。

「2000年代後半からはIT系書籍の翻訳も手掛けるようになりました。今はマニュアルの割合が以前より減り、内容はITですがウェブ関連の仕事が増えてきています。具体的には、オンライン雑誌の記事、新商品お知らせメール、eラーニングのテキストなどです」(金井さん)

社員は10名(現在1名が産休・育休中)。翻訳者が4名、残りは翻訳をしつつプロジェクトマネージャー、チェッカーなどの仕事を兼務しているそうです。

「基本的に翻訳をすべて社内で行うというのが弊社の特徴です。というのも、システム開発会社から派生して翻訳業務に参入したため、そもそも社外に翻訳を依頼するという発想がありませんでした。英語ができる人材を採用して、プログラマーを目指す社員と同レベルのIT技術教育を施し、ITの専門知識を持つ翻訳者を育てるというやり方を、分社化した今でも貫いています」(金井さん)

新人翻訳者は、上司のチェックを受けながら翻訳の腕を磨き、経験を積むにつれ後輩の翻訳チェックやコーディネーションなどの業務も任されるようになるのだそうです。

今後はフリーランスの翻訳者も積極的に採用したい

翻訳者は、基本的にオンサイト勤務として採用され、ITと翻訳に関する教育(講義、OJT)を受けながら翻訳者として経験を積んでいきます。

「実はフェロー・アカデミーで1年間翻訳を学ばれた修了生の方の採用を検討したいと問い合わせた際にアメリアのサービスを知り、昨年、協力会社として登録させていただきました。結果的にフェローの卒業生1名、アメリアの『JOB』からご応募いただいた方1名の合計2名に今年からオンサイト翻訳者として勤めていただいています」(金井さん)

社内で翻訳することで安定した品質を維持し、お客様の急な依頼にも迅速に対応できるということを最大のメリットとして翻訳サービスを提供してきた同社ですが、その強みを維持しつつ、今後は優秀なフリーランス翻訳者の開拓にも目を向けていきたいと考えています。

「外部スタッフは品質管理などが大変ではありますが、優秀な翻訳者さんのお力を借りれば、今以上に多くのお客様のニーズに応えていくことができます。最近は弊社サイトとアメリアの『JOB』から募集を行っています。条件としては、翻訳の実務経験があり、ITの知識がある方、Tradosなど翻訳支援ツールを使ったことがある方が望ましいです。条件の合う方にはトライアルをお願いしています」(金井さん)

技術がわかるからこそできる質の高いIT 翻訳を

同社では翻訳者として採用した人材に、かなり高度なIT技術教育を行っています。社員の多くは、英語力は十分にあるものの、ITに関してはほとんど知識のない状態からスタートするそうです。

「私自身がそうでした。私は分社化する前のプロシステムに翻訳者として入社したのですが、プログラマーになる新入社員と同じ内容のIT教育を3カ月間受けました。落ちこぼれていましたが、おかげで後々の仕事には非常に役に立ちました。実際にプログラムが裏側でどう動いているかが理解できるので、プロにも読んでもらえる文章に、自信を持って訳すことができます」(金井さん)

社内でしっかりと教育を行い、ITに関する深い知識をもって翻訳にあたる。社内には知識豊富な先輩が揃っているので、わからないことはその都度確認し、明確にしながら訳していける。このシステムによって生み出される安定した品質の翻訳が、お客様から広く支持されているといいます。

「最近はMT(マシン・トランスレーション)が増えてきて、ポストエディットの需要が増えてきていることも承知していますが、弊社ではそちらはあまり積極的には行わず、機械には任せることのできない品質重視の仕事に今後も注力していく方針です」(金井さん)

スタッフからひとこと!

同社でオンサイト翻訳者として活躍する皆さんに、お話を伺いました。まずは、オンサイトで翻訳することの良さについて。

「社内の方が翻訳したものを、すぐに見られるので参考になります。自分が翻訳してレビューしていただいたものも、最終的にどのように直されて納品されたかすぐに見ることができるので、次にどう翻訳すればいいか、そこから学ぶようにしています」(野田貴子さん・入社4年目)

「先輩が優秀な方ばかりで、ITの技術的な知識も豊富なので、わからないことはすぐに質問して教わるようにしています」(高木亮一さん・入社4年目)

「そうですね、先輩はコミュニケーションの取りやすい方ばかりで、すぐにアドバイスをいただけるのがオンサイトのメリットだと思います。この会社はプログラミングについてなど社内研修もしっかりしているので、翻訳に役立っています」(室屋里実さん・入社5年目)

「私は産休・育休の後に復帰しまして、ときには自宅作業をすることもあるのですが、やはり会社で翻訳する方が集中できます。質問も、在宅でもメッセンジャーなどでできますが、口頭の方が細かいところまで伝わるので、オンサイトで働く方が性に合っています」(原尻美穂さん・入社7年目)

プロジェクトリーダーの鈴木さんは、他の翻訳者のチェックをする立場です。
 「皆さんになるべくレビュー結果をフィードバックするようにしています。英文が曖昧だと英語の知識だけではきちんとした解釈ができません。技術的な知識も必要になりますし、調べ物をとことんすることも大事。きちんと解釈し正しく翻訳できるように私自身も気を付けていますし、レビューでも指摘するようにしています」(鈴木真澄さん・入社9年目))

そして、今年入社した新入社員が2名。
「アメリアの『JOB』から応募して採用され、入社4カ月目です。入社直後から、毎日大量に翻訳しては、厳しくチェックしていただいています。翻訳学校やアルバイトで翻訳のチェックは受けていましたが、これほど厳しいチェックを受けたことはなかったので、フィードバックを見て肩を落とすことがけっこうありました。今は翻訳をして、チェックを受けての繰り返しで、どこに気を付けるべきかを吸収しているところです」(関那由他さん)

「フェロー・アカデミーでの1年間のコースを修了して、つい2週間ほど前に入社しました。フリーランスになることも考えましたが、翻訳者として実力を付けるためにも就職する道を選びました。チェッカーやコーディネーターではなく、翻訳者として採用していただけるというのが魅力でした。週に1回は会社でITの技術的な研修も受けられるので、専門知識も身につけられます。今後は先輩に追いつけるよう、まずは翻訳のスピードアップをひとつの課題として、努力をしていきたいです」(物井直人さん)