結果発表
   


石田文子さん

書籍タイトル:THROUGH THE LANGUAGE GLASS
赤川夕起子さん、小畠美由紀さん、岡本由香子さん

 

※「最優秀企画賞」に選ばれました石田さんの企画ですが  残念ながら既に版権が取得されておりました。

講評


田口俊樹氏

まずは最優秀企画賞受賞の石田さん、おめでとうございます。これを訳したいという石田さんの熱意がひしひしと伝わってくるすばらしいシノプシスでした。また、調べものの精緻さ、丁寧さ。一翻訳者として頭が下がる思いでした。

ただ、すでに版権が取得された本であったので、刊行という運びにならなかったのはまことに残念でした。こちらの事情で審査にいささか手間取ったりしたことが直接の原因ではないようですが、それでも審査中に事情が変わるというのも大いに考えられることなので、今後、審査はできるだけ迅速におこなえるようにしたいと思います。

審査員賞受賞の小畠さん、岡本さん、赤川さん、おめでとうございます。みなさんのシノプシスにも石田さんのものに負けず劣らぬ「熱」が感じられました。みなさんの三作については、今回協賛してくださった武田ランダムハウスジャパンさん以外の出版社にも売り込んでみたのですが、それぞれ見どころはあるものの、どうしても出したくなるほどのものではない、というのが編集者の大方の感想でした。実を言うと、小畠さんが持ち込まれた、聾唖者の両親を持った子供のメモワールがワタシ的にはイチ押しだったのですが。

とまれ、受賞された四人の方々のシノプシスは申し分のない出来で、審査自体が愉しい作業になりました。  一方、苦言を呈するようですが、これを訳したいという熱意があまり伝わってこないシノプシスも、少なくありませんでした。持ち込み本の周辺状況――アマゾンの評価では五つ星をいくつ取得しているといったような――ばかりで、本そのものの内容がほとんど書かれていないものもありました。アマゾンのページを見れば誰にでもすぐにわかるようなことを伝えるより、持ち込み本はいったいどんな本なのか、自分はこの本にどれだけ惚れ込んでいるか、この二点のプレゼンテーションのほうがはるかに大切なことです。

もうひとつ、残念だったのは、応募数が第一回よりずいぶんと減ってしまったことです。翻訳者の紹介屋としての側面は今後ますます重視されると私は確信しています。次回にはもっと多くの方々からの応募のあることを切望してやみません。


武田ランダムハウスジャパン 文芸・文庫編集部 染田屋茂氏

多数のご応募、ありがとうございました。小説から硬めのノンフィクションまで多岐にわたる企画がそろい、また英語以外の言語の作品も少なからずあって、審査を楽しませていただきました。弊社の出版傾向に合わせてくださった(と思われる)企画も何本かあり、思わずにやりとさせられました。

編集者としてはちょっと恥ずかしい話ですが、本の帯やカバーのキャッチコピーなり内容紹介なりを書くとき、翻訳者のシノプシスの文章を抜き出し、それをアレンジして使わせてもらうことが時折あります。むろん編集作業の手抜きという意味ではなく、リーディングをしてシノプシスを書かれた方が、その作品の良いところ、売りどころを的確に捉えていたからです。この場合、文章の巧拙とは必ずしも関係ありません。

成功する企画、失敗する企画を見分けるのがますます難しくなっている現況では、シノプシス(企画書)の役割は重要です。信頼に足る、さらには作品への愛情を感じさせるシノプシスには心を動かされます。それを読んだだけで、装幀やタイトルのイメージが頭に湧いてくれば、編集者もなんとか企画を実現したいという気持ちになるものです。

シノプシスをプレゼンテーションの一環とお考えになるのはお勧めしません。今回の応募でもそう誤解されているらしい方が散見されました。いくら巧みに売り込んでも、一回は成功しても次はありません。売り込みの手段ではなく、むしろ編集者との信頼関係を築く手段とお考えになったほうがいいでしょう。

今回は残念な結果に終わりましたが、まだまだ海外の出版物には埋もれた名作・傑作がたくさん残っているはずです。無駄を恐れず、ねばり強く数多くの本に目を配り、ぜひ次回もふるってご応募くださるようお願いいたします。

 

審査

出版翻訳家 田口俊樹氏
アメリア「出版持込コンテスト」運営委員会
株式会社武田ランダムハウスジャパン

最優秀企画賞 1名

出版社にて企画の採用、企画料として30,000円(税抜)が支払われます。
書籍として刊行する目的で企画を採用いたしますが、状況によっては刊行をお約束できない可能性もある旨をご理解ください。また、できる限り企画者を翻訳者として採用する予定ですが採用の保証は致しかねる旨もどうぞご理解ください。

審査員賞 3名

出版持込ステーション「企画書リスト」に「優秀企画」である旨を表示のうえ掲載されます。
※選考プロセスの中で別賞を設ける可能性もあります。

協賛企業からの言葉

翻訳業界は深刻な不況ですが、逆の見方をすれば、まだ日本には紹介されていない優れた作品がたくさん残っているわけです。じっくり腰を据えて探せば、思わぬ金塊にめぐりあうやもしれません。ふるってご参加を。
ただし、安易な妥協は禁物。本当に面白かった、ためになった、ぜひ翻訳してみたいという作品を見つけてください。お金を出して本を買ってくれる読者はそれほど甘くありません。これは売れそうとか、これなら老若男女だれでも読んでくれるかもしれない、などという判断は編集者にまかせ、あくまでご自身の心に訴えてきた作品をお選びください。
小社はフィクションから児童書まで幅広いジャンルを出版していますが、今回は下記のように絞らせていただきます。フィクションについては、かなりハードルが高いとご覚悟を。
どうか1冊や2冊であきらめることなく、原書を読む楽しみを味わいながらお探しになられますよう。素敵な本と出会えるご幸運をお祈りします。

代表的な刊行物


『6人の容疑者』

『ありあまるごちそう』

『クリスマス・ラテのお別れ』

『食べて祈って恋をして』

『経済学者の「お悩み相談室」』

募集要項

応募資格:
アメリア会員であること
応募料:
無し
企画書提出期間:
2011年10月1日〜2011年10月31日18時必着

募集分野:

採用しやすいジャンル

①ノンフィクション一般 ②フィクション一般 ③ポピュラー・サイエンス ④ビジネス書 ⑤自己啓発本

採用しにくいジャンル

①絵本・児童書 ②写真集・画集などを含めた美術関連書 ③専門書

企画書提出方法

以下の手順に従ってご応募ください。

1.日本での出版状況の確認

企画書を作成する前に、国会図書館のHPアマゾン ジャパン等のオンライン書店で、持ち込む書籍が日本で出版済みでないかどうかを確認してください。
※版権の空き状況を個人で調べるのは難しいため、ここでは日本での出版状況の確認にとどめています。

2.企画書作成

テンプレートに従って企画書を作成ください。

3.企画書送付

企画書を添付したメールを送信してください。メール文面には必ず会員番号とお名前をお書き添えのうえ、件名は「出版持込コンテスト応募」としてください。

提出先:
bookstation@amelia.co.jp

※原書の郵送は必要ありません。
審査の過程で原書が必要になる可能性があります。
事務局まで郵送いただく必要が出てきましたら個別にご連絡いたします。

ご応募にあたっての注意点

  • 提出した企画書の差し替えや再提出は認められません。
  • 過去に出版社の依頼でリーディングした本を提出したい場合には、事前に必ず依頼元の出版社に問い合わせ、その出版社の方針に従ってください。
  • 応募方法が守られていない場合、失格になることがあります。
  • 受信後一週間以内に受信のお知らせを送信いたします。その期間を過ぎても受信のお知らせが届かない場合には、事務局までお問い合わせください。
  • 審査内容や審査結果についてのお問い合わせにはお答えできません。
  • ご応募いただいた企画書へのコメントや評価はお返しいたしません。
  • ご応募はお1人につき1冊分の企画(シリーズものは1シリーズ分)となります。

結果発表

最終結果の発表2012年5月〜6月頃(延長の可能性もあります)