【アメリア】みんなで作るインタビュー4・森泉佳世子さんインタビュー編2
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 [インタビュー編 2]
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 第4回 森泉佳世子さん
<第4回> 紹介編インタビュー編 1|インタビュー編 2  全3ページ

「自分にはムリかな?」なんて思うのは早いですよ! 今、できることを一生懸命やりましょう。きっと何か見えてくるはずです。
 
これまでに、英語の意味はわかるのに、日本語になりにくくて苦労した言葉はありますか?(tacto さん)

いっぱいありますが、例えばIt's not fair. 子供同士のケンカなら「ずるいよ!」という字幕がピッタリきますね。でも大人には? 「不公平だ」はちょっと違いますよね。「フェアじゃない」も特殊な状況に限られる。それに尺も短い


ので(ゆっくり喋っても1秒ぐらい)、字数の問題もあります。Hugのような日本の習慣にない言葉も困りますね。その他いろいろありますが、ごめんなさい、具体例がとっさに出てきません。

 
私はハコ切りが苦手なのですが、翻訳を始めた後でハコ切りを変えることになって苦労されたこととかはありませんか? (jc さん)


ハコは必要に応じて何度でも変えます。第三者にスポッティングを頼む場合は(劇場用映画など)、変更があまり多いと気が引けますが、ビデオの場合は自分で尺を測るのでハコを変えても人に迷惑がかかるわけではありません。翻訳しやすいように、随時変えています。
もしかしたらハコ切りそのものが苦手ということかな? どこで切るべきか、いつも迷ってしまうとか……。Xファイルなどドラマの場合はほとんどが会話なので、選択肢がそれほどないため苦労もしなくてすみます。
一方、ドキュメンタリーなどナレーションが多い場合は難しいですね。ごめんなさい、質問の主旨がよく判らなかったので答えになっていないかもしれません。

 
 
「〜を?」となっている字幕をよく見ますが、なにか決まりごとがあるのでしょうか。
例えば「ヘレンの事知ってる?」という意味のセリフが「ヘレンのことを?」となっている場合がよくあるように思うのですが。個人的には「〜を?」を見ると、なぜかムズムズして落ち着きません。字数制限のためかなとも思ったのですが、結構スペースがスカスカのときでも「〜を?」となっているようです。
字幕翻訳では初歩的な質問かもしれませんが、前々から気になっていて是非知りたいのでよろしくお願いします。 (jc さん)
これはひとえに字数制限のせいです。尺が余っているのに「〜を?」で終わっていたとは驚きです。もしかしたらスポッティングを取った人が尺を長く取りすぎたのかもしれません。セリフが終わっているのに字幕がまだ残ってい ませんでしたか?
この手のミスは普通、仮ミックスのとき修正されます。尺が許すならもちろん「言いきり」の字幕にしたいです。
 
 
 
森泉さんの場合、字幕翻訳家を目指していたわけではないということのようですが、映画については詳しかったのでしょうか?昔からよく映画を観ていたとか。
私は昔からよく観ていたというわけではありませんが、最近はよく映画専門チャンネルで観ています。好きですが、詳しいわけではありあません。字幕翻訳家は無類の映画好きで、非常に詳しい人というイメージがあり、自分にはムリかなと思ってしまいます。 (kaz さん)
決して映画に詳しくはありません。この仕事を始めてすぐ製作会社の忘年会か何かで他の翻訳者に会う機会がありました。その時、映画のタイトルはもちろん、監督や俳優の名前が会話にポンポン出てきて「まいったな・・・」と思った記憶があります。私も映画は好きですが、ごく人並みです。観たいものがないので最近はめったに映画館に行きません。これも習慣なので行き始めるとクセになるとは思いますが。
でも質問者の方も私も字幕に興味を持ったぐら
いですから映画は好きなのでしょう。その程度でOKだと思いますよ。人それぞれです。
ただ翻訳する上で"人間を知ること"はとても大切だと思います。映画には様々な人間が登場するわけですからね。これはその人の生きかたに大いに関わることで、映画をたくさんみて「お勉強」できるような類のものではありません。 「自分にはムリかな」なんて思うのは早いですよ!今、できる事を一生懸命やりましょう。きっと何か見えてくるはずです。
 
 
 
ご自分が翻訳したビデオはよく観ますか?
後から観るときは、ただ『X-ファイル』という作品を楽しむのでしょうか?それとも、「ここはもっと違う言葉のほうがよかった」とか「この訳はぴったりだ」とかチェックをしながら観るのでしょうか? (RM さん)
普通は仮ミックスチェックが済むと、もうほとんど観ません。Xファイルの場合は、シーズン毎にDVDが出るので必要な作品だけ何本か観ます。最初に訳したときから何年か経っているので客観的に観られます。ここは分かりにく

いとか、作りすぎだとか、もっと言葉を入れても十分読めるとか・・・ いろいろ反省させられます。純粋に作品を楽しむということはやはりできませんね。

 
 
 
プロフィールを拝見して、大変驚きました。本当に翻訳って、実力と縁の世界なのだなと思いました。特に、ACクリエイトの菊池氏と飲み屋でお知合いになったというのが、またすごいですね。
年齢制限のないこの世界、私も希望を捨てずに、日々精進してがんばろうと思います。 (ねぎこ さん)
本当に年齢制限はありませんね。それにいつでもどこでも出来る仕事です。でも世代交代は必要だと思いますよ。もうすぐあなたの時代が来るのではないでしょうか。その日のために突き進んでください。「好きこそものの上手なれ」です。

  −−Good luck and keep it up!
 
 
 
森泉さんの、映像翻訳七つ道具(?)を教えていただきました。
 
右から時計回りに・・・

■仕事場の机まわり。右にパソコン、左にテレビとビデオ。手前にビデオとリモコンとストップウォッチ。

■最近、骨粗しょう症予備軍と言われてしまい、仕事場にはスナック煮干しを常備!

■ビデオのリモコンとストップウォッチ。下に置いてある紙は、セリフの長さを書き込むために森泉さんがご自分で作られたもの。秒数が書き込んであります。多分、他の方はこのようなやり方はしていないでしょう、とのこと。
   
 
 
 

--森泉さん。お忙しい中、とても楽しいインタビューをありがとうございました!


 
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