【アメリア】対談の部屋 8-2 映画がますます好きになる!〜 Movie Trivia 番外編 〜
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第8回 映画がますます好きになる!〜Movie Trivia 番外編〜

本のタイトルは営業戦略!?

アル:最近の方は、調べものというとよくインターネットを使いますよね。なかでも、一番簡単な方法として“googleで調べてヒット数の多い情報を信じる”というのがあるんですが、これはやめていただきたいんですよ。この間、『チャーリーズ・エンジェル』のフルスロットルを紹介する文章を書いたときに、映画の中で使われている『ひとりぼっちの山羊飼い』という、もともとサウンド・オブ・ミュージックで使われていた曲のことを書いたんです。そしたら、「それは“山羊飼い”ではなくて“羊飼い”じゃないか」と。そんなはずはない。あれはgoatと言っているんだから、絶対に山羊だと思って、実際にサントラ盤を調べたら、『ひとりぼっちの山羊飼い』なんですよね。それで、念のためにネットで調べたら、“羊飼い”のほうが、圧倒的にヒット数が多いんですよ。なぜかというと、この歌をペギー葉山さんが訳されて、NHKの「みんなのうた」になったときに、『ひとりぼっちの羊飼い』だったからなんです。

吉本:“山羊飼い”じゃ、メロディに乗らないんですよね。

アル:そうそう、日本語の訳で歌うときに“ひつじかい”のほうが歌いやすくて、“やぎかい”だと字足らずになっちゃうんですよ。だから、日本語の訳詞を作ったときに、わざと“羊飼い”にしてしまった。それが、日本では定着したんですね。みなさん、日本語訳のほうで歌を覚えているから、サウンド・オブ・ミュージックのあの曲は『ひとりぼっちの羊飼い』だと思っている人が多い。だから、僕の原稿が間違っていると指摘されて、困っちゃってねぇ。

吉本:英語の歌詞を聴くと、ちゃんとgoatって言っているんですけどね。

アル:そう、ちゃんとgoatって言っているし、それを聞かなくても、映画を観ると、スクリーンには山羊が映っている。羊じゃないんです。なのに、『ひとりぼっちの羊飼い』が正しいと言っている人たちは、それも確かめることなく、「昔から羊だと言っているから、それが正しいんだ」と。まあ、こういう失敗は、僕もよくやりますけどね(笑)。

吉本:結局、立体的に調べなければならないということですよね。映画も観るし、原文も読むし、これまでの経緯も調べる、ということを全部やって、それで答えが出るわけじゃないですか。それを面倒くさいと思うか、楽しいと思うか、その違いでしょう。これはやっぱり楽しいんですよね。いくらでも時間があったら、どこまでもやりますよ!

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